ObjectSquare [2001 年 5 月号]

[UML Forum2001]





UML Forum/Tokyo 2001 参加報告

3月21日、22日の2日間、東京ファッションタウンにて「UML Forum/Tokyo 2001」が開催されました。Ivar Jacobson、Martin Fowler などオブジェクト指向の重鎮の話が生で聞けるということで、私も両日参加してきましたので、簡単にご報告します。

まずはじめに、全体の基調は「ここ数年 Java をはじめ言語レベルでのオブジェクト指向技術の浸透はめざましいものがある。今後はそれに加えて UML の普及を図っていこう」というものだったと思います。これからは、分析・設計の段階で UML の普及を図るのはもちろん、一般のプログラマも基本的なダイアグラムは読んで理解できるようにしていく必要があると思いました。

さて、全体の基調はそんな感じだったのですが、ソフトウェア開発の中での UML の位置付けに関しては、大きく2つの異なる流れがあったように思います。1つは分析・設計に重点をおく流れで、もう1つはコーディングに重点をおき、UML は Light Weight に利用しようという流れです。私が聴講した中で前者に属するものとしては、従来、実装言語や OCL (Object Constraint Language) 等で記述していた処理内容をダイヤグラムで記述する「アクション・セマンティクス」(UML2.0 に追加が予定されている) や、モデルレベルでの各種シミュレーションツール、OMG が提唱している「MDA: Model-driven Architecture」などが話題にあがっていました。また、後者に属するものとしては、やはり最近話題の開発プロセス XP (eXtreme Programming) の話が盛り上がっており、こちらでは、UML のモデルは主にコミュニケーションの道具として利用し、あまりドキュメントとして残すようなことはしないと考えている人が多いようです。開幕記念講演を行った2人のうち、Jacobson は前者、Fowler は後者の立場にそれぞれ立っていたと思います。

個人的には、事前設計やドキュメント化も重要という意味では前者、詳細の記述はモデルよりコードのほうがよい、ソフトウェアはブラックボックスよりある程度ホワイトボックスにしておきたいという意味では後者に近いかもしれません。UML Forum でも、いくつかのセッションでは、両者を視野において話をされている発表者の方もおられました。いずれにしても、今後 UML の必要性はますます増えていくでしょうし、普及も進んでいくのではという実感をもちました。

以上、UML Forum/Tokyo 2001 のあまりにも簡単な参加報告でした。

≪関連 UML≫

by not 新人 but 新米 編集委員 (よ)



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