[OBJECT DAY 2000]
5月26日にウェスティンホテル東京で開催予定のOGIS-RI Technical Conference OBJECT DAY 2000。先月号では、企画に関するアンケートにご協力いただきありがとうございました。皆様からいただいた貴重なご意見をできるかぎり反映すべく、年度末とオフィス移転のドサクサの中、着々と準備をすすめています。
今月は、いただいたアンケート結果の一部をご紹介しながら、プログラムの一部をご紹介いたします。
質問は、 OBJECT DAY 2000で聞いてみたい話題、技術テーマをチェックしてください(複数回答可)というものでした。総回答数53件の中のうち、20票以上集まったテーマは次のとおりです。
順位 話題、技術テーマ 得票数 1 オブジェクト指向分析設計 36 2 OOプロジェクト工数見積もり 33 3 UML 30 3 デザインパターン 30 5 XML 27 6 UML適用事例 25 7 Rational Unified Process 23 8 OO技術者教育 22
もちろん、OBJECT DAY 2000ではこれらのテーマを取り扱います。
たとえば、オブジェクト指向分析設計に関しては、インアルカディア研究員の金澤典子氏による「オブジェクト指向分析/設計の勘どころ」。その概要は、
ソフトウェアの設計書は、仕様であるとともに、コミュニケーションの道具であり、契約の一要素である。しかし、ソフトウェアの仕様の理解が供給側と発注側で異なるために生じるソフトウェアの課題は多い。つまり、仕様がコミュニケーションの道具として適切な役割を果たしていない。オブジェクト指向分析/設計は、部分的にではあるが、理解の齟齬という課題を解決できる手法であり、そのような特徴を持つために、パターンという形式で、知識の資産化を図ることになった。この側面から見たオブジェクト指向分析/設計の特徴と意義をプロセスとプロダクトの視点から解説し、その仕組みのメリットを引き出すための方法を提案する。
という本質的かつ実践的なものとなっています。
OOプロジェクト工数見積もりは、エヌ・ケー・エクサ技術部方法論チームリーダの児玉公信氏による「ファンクションポイント法によるプロジェクト管理とオブジェクト指向開発への展望」。こちらの概要は次のとおりです。
ファンクションポイント法についてはいくつかの誤解があり,まずその概要を整理する。元来,FP法は機能規模の計測手法に過ぎないため,これを何らかの方法でプロジェクト管理の指標に変換する必要がある。プロジェクトのできるだけ早期段階で,かつ妥当な指標とするためには,対象システムの概念レベルでのモデリングが必須であり,これとFP法との関係を具体的に論ずる。また,この手法は,原理的にオブジェクト指向開発への展開が容易であり,その実適用について考察する。
UMLとRational Unified Processを適用した事例の紹介は、オージス総研の平澤章が「UML&RUPを活用したJavaアプリケーション開発の実際」と題して、次のように意気込みを語っています。
講師自身が昨年実際にプロジェクトリーダーとして従事した、ある大手製造業向けのシステム開発事例を紹介します。実際のプロジェクトにおいて、UML(Unified Modeling Language)やRUP(Rational Unified Process)などの開発技法をどのように適用したか、プロジェクトを運営する上で工夫した点は何か、また反省すべき点は何かといった実践上のノウハウについて解説します。
また、OO技術者教育については、質問(2) 「講演以外の企画で、あれば参加したいものをチェックしてください。」でも多数の票を集めたパネルディスカッションのテーマとして扱う予定です。
もちろん、UML、デザインパターン、XMLについても、取り扱っていきます。
ところで、OBJECT DAY 2000では得票数の多いテーマばかりを扱うわけではありません。
順位 話題、技術テーマ 得票数 24 Squeak 3
一部から熱狂的な支持を集めているSqueakですが、このようなアンケートでは票を伸ばすのは難しそうです。しかし、OBJECT DAY 2000では、Happy SqueakingからかんたんUMLまで、オブジェクト指向のゆりかごから墓場までをカバーします。
オブジェクトの広場不定期連載、最近更新が滞っているHappy Squeaking!でもおなじみ(?)のオージス総研の梅澤真史が贈る「Speak Squeak! - オープンソース時代の新Smalltalk -」
Alan Kayらが1980年にデビューさせたSmalltalk。
日本で使っている人はごくわずかですが、オブジェクト指向言語としての優れた特徴はいまだに色あせることはありません。本セッションでは、現在最もホットなSmalltalkであるSqueakの紹介を行います。派手なデモを交えて楽しく進めていきます。
お堅いセッションの息抜きにどうぞ。
いかがでしょうか?プログラムの詳細発表および参加申し込み受付は4月上旬頃を予定しています。役に立って面白いカンファレンスを目指して、さらに準備をすすめていきますので、どうか楽しみにお待ちください。
また、OBJECT DAY 2000に関するアンケートは、当面受付を継続いたします。いただいたご意見は、できる限りプログラムに反映させてまいりますので、どうかご回答をお願いいたします。
なお、ここで紹介したプログラムは全て予定であり、今後変更する可能性もありますのでご了承ください。
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