[ObjectDay2001特集]
UMLを用いたビジネスモデリングの試み
ObjectDay2001レポート
事業模型倶楽部
<はじめに> |
こんにちは、“事業模型倶楽部”です。私達は「UMLを用いたビジネスモデリングの試み」というセッションを行いました。本セッションの内容は「UML でビジネスモデルを表現してみよう」というものでしたが、実は私達にとってまだゴールが見えてすらいない、まさに挑戦的な内容でした。正直なところ、このセッションを最後まで展開できるかどうかは ――― 参加者の皆様には申し訳ありませんが ――― 賭けの部分があったことも否めません。このようなところもありましたが、なんとか、無事にセッションを“走り切る”ことができました。このことは、Objet Day 2001 での発表を提案してくださり、スムーズな運営を実現してくださったオージス総研の皆様、また、セッションにご出席くださり、意見討論を積極的に盛り上げてくださった出席者の皆様、そして「課外活動」であるにも拘わらず不断の努力を惜しまなかったメンバー一人一人のおかげと思います(これは、自画自賛してもバチは当たらないでしょう)。この場をお借りして、改めて多くの皆様に感謝いたします。
<私達は?> |
さて、「事業模型倶楽部」といっても何やら怪しい団体のように思われるかと思いますので、簡単に自己紹介をします。
本倶楽部は、昨年の Object Day 2000 の後、大場さん(今ではOGIS International, Inc. に移られましたが、当時のオブジェクトの広場を担当されました)から OOSQUARE に出された「Object Day 2000 のつづきをやりませんか?」という呼びかけが切っ掛けで始まりました。昨年の9月に「UML によるビジネスモデリング勉強会」と題して始まりました。つまり、アナパタ勉強会と並ぶ由緒正しい(?)、“オブジェクトの広場”出身の勉強会なのです。ただ私達は“全員積極参加”、“講義ではなくディスカッション”、“最終的には何らかの結果を出す”ことを掲げましたので、特定メンバーによる継続的な勉強会とすることとなりました。このため、アナパタ勉強会に比べて閉じた感があるかと思います。現在は21名のメンバーで、メーリングリストでの意見/情報の交換と、月に1度程度の勉強会を中心に活動をしています。
なお、“事業模型倶楽部”という名称は今年の Object Day で発表することが決まってから決めたもので、その意味は... 言わずもがな、ですね。
<UMLを用いたビジネスモデリングの試み> |
Object Day 発表風景... 私達は<UMLを用いたビジネスモデリングの試み>というテーマで発表を行いました。ここでは、私達の教科書である "Enterprise Modeling with UML" と "Business Modeling with UML" の2冊の書籍に紹介されているモデリング方法と、これにより作成したビジネスモデルを紹介しました。紹介したビジネスモデルは「携帯電話、電子メールにより学習の継続を支援する学習塾」をケースとして、この学習塾のビジネスのモデルを作成したものです。
もっとも、私達はこの2つのモデリング方法を学ぶことだけを目的としているわけではありません。ここでは、提示したビジネスモデルをたたき台として、参加者の方々を交えて活発な意見交換ができれば、と思っておりました。そして、期待通り、いえ、期待以上に活発な意見交換ができました。例えば、
- UML 記述による定量(数値)表現について
- モデル中に“FAX”や“携帯電話”などの重要と思われる要素が出ること/出ないことについて
- モデルを構築するのに、「目標」が先か、「手段」が先か
- 業務プロセスの品質(顧客満足度等)の評価(数値化)方法について
などについて議論がなされました。
さて、本来なら、この場でセッションの内容の細かいところや補足を述べることが期待されるかと思いますが、それは別の機会にしたいと思います。何故なら、あのセッションにおける発表は私達にとってスタートであり、その成果は発展途上にあるからです。それでも、私達の発表内容にご興味を持ってくださったかたは、資料をダウンロードしてご覧ください。
- アジェンダ(Agenda.pdf 419,615)
プレゼンテーションの全体資料- ビジネスモデルとは?その歴史は?(HistoryOfBM.pdf 470,108)
ビジネスモデルとは?そしてその歴史は?について説明した資料- Business Modeling with UML(BusinessModelingwithUML.pdf 235,029)
"Business Modeling with UML" によるモデリング方法の説明と、これにより作成したケースのビジネスモデル- Enterprise Modeling with UML(EnterpriseModelingwithUML.pdf 976,116)
"Enterprise Modeling with UML" によるモデリング方法の説明と、これにより作成したケースのビジネスモデル- Six Sigma について[参考資料](SixSigma.pdf 319,243)
Six Sigma について説明した資料- ビジネスモデルのケース(Modeling-Case.pdf 5,127)
「携帯電話、電子メールを使った学習塾」のケース※上記のすべての資料の著作権は事業模型倶楽部に帰属します。
また、私達の活動を次のサイトで紹介しています。こちらは、メンバーの有志が立ち上げた、本倶楽部の Web サイトになります。ご興味がありましたら、覗いてみてください。
https://homepage2.nifty.com/e-life/bm/index.html実は、当初の私達のセッションのアナウンスでは、参加者の方々に手を動かしてビジネスモデルを作ってもらうことをにおわせておりました。ところが、実際のセッションではモデリングは行いませんでした。このことは、モデリングを期待されていた皆様には大変申し訳なく思っております。しかし、私達のセッションに参加してくださった方々には納得していただけるところもあるのではないでしょうか。何しろ、私達が用意したメニューのボリュームが大きくなり過ぎて(大きくならざるを得なく)、とてもモデリングをする時間をとることができなくなってしまったのです。その分、中身の濃いプレゼンテーションを行い、充実した議論が実現できましたので... なんて私達は思っているのですが、参加してくださった皆様は、如何でしたでしょうか?
<私達の今後の活動> |
私達にとって今回の発表は一つの大きなマイルストーンになりました。今年の Object Day での発表は終わりましたが、私達の活動はこれからも継続します。これまでの活動は“UML によるビジネスモデルを勉強する”というよりも、そのための準備となっているところもありました。しかし、Object Day に向けての準備や、発表での意見交換を通して、新たなる目標や課題が浮き出てきました。
これらを整理し、また、新しいメンバーの力添えも得て、「第2期」事業模型倶楽部はこれまで以上に活発な活動をしていきます。そして、ゆくゆくは、来年の Object Day 2002(?)で、再び成果を発表できたら(お誘いをいただけたら)、と思う次第です。
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