ObjectSquare

[ObjectDay2002特集]


ObjectDay2002レポート1

『Agile Modeling と MDA』


上手裕 某SI会社勤務


1 Scott W. Ambler Agile Modeling


「ヒェーッ、あと2日だけなの!」。6月に早々と申し込みながら「そのうち見よう」っと、呑気にかまえていたところに届いた、事務局の「もうすぐ閉会メール」。あわててアクセスして2日間、受講しまくりました。あ〜あ、頭がガンガンする。
 まずは、「モデリング座談会」で爆笑した後、お目当ての「Agile Modeling」に向かいました。どう見ても英語みたいだし、「話の翻訳はどうかな?」などと心配しながら見始めたのですが、とてもこなれた良い訳で、まるで日本人が話しているみたいでした。気持ちよく聞けました。
 まずは出だしから。「AM(アジャル・モデリング)は、カオスの中にある程度の秩序をいれた、プラクティスベースのプロセスです」、「AMはできるモデラーになるためのプラクティスの集まりです」と来て、ぐぐっと引き寄せられます。「AMはXPやRUPのモデリングやドキュメンテーションを補完します」。なかなか持っていき方もうまいですね。
 この後、「AMとは何とか使いものになって、そこそこ十分なもの」。AMの価値(観)は「XPからのコミュニケーション(情報の共有)、簡潔さ、フィードバック、勇気」、それに謙虚さ(Humility)。AMの原則としては「Embrace Change!、良い仕事、迅速なフィードバック、ソフトウェアが第一のゴール、見かけより中身、オープンで正直なコミュニケーション」それに、AMのプラクティスと続きます。
 このあたりは、藤井さんのAM公式サイトに詳しく紹介されていますので省略しますが、結論からいうと、モデラーは当然として、XPerもこのページは必見でしょう。XPerが俊敏モデリングを覚えれば、鬼に金棒、と思います。PDF資料にも「AMとXP」というページ(9P)があって、
などと強調してあります。アメリカでもXPerはモデリングを軽視するのでしょうか?
 PDFファイルの最後にAMのMLの紹介があり覗いてみましたが、結構なトラフィックがあって驚きました。とりあえず参加してみました。またwww.modelingstyle.infoというRonin-intl社の別HPがのっていますが、これはモデリングのスタイルブックで、大変役に立ちそうでした。
 最後に、ちょっと印象に残っているのは、「利害関係者の参加」と、「ユースケースで表現できないこともあるのだから、既存のデータやビジネスルールも利用しよう」、「アーキテクチャはどんどん変わるから、デジカメで撮ってWebに貼り付けよう」という実践的な姿勢でした。XPと同じく、基本のできていない人が安易に利用すると怖い面もあるが、デキル人がうまく使えば相当な武器になるな、と感じました。

2 MDAが実現するモデル中心のシステム開発

OMGジャパンの和田さんが話されていましたが、これも面白かったです。
MDAはMode Driven Architecture(モデル駆動型アーキテクチャ)です。私は「モデルがコードを自動生成する」技術と思っていたのですが、もっとずっと幅の広い技術のようです。まず「モデルありき」だが、特定言語や製品へのマッピングを自動的に決定し、さらにシステム管理やインテグレーションも行えることを目標としているそうです。また、組み込み系中心の技術かとも思っていたのですが、そうでもないようです。
 眼を引いたのは事例でした。富士ゼロックスの例だと

 ロッキード・マーチンでも
 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントでは
だそうです。
う〜ん、おそるべし・・・
とにかく、UML Profile、同EDOC、ActionSemantics、MOF、XMI、xUMLなど、今まで聞いたことがあるが意味のわからなかった単語がつながっただけでも、大成果でした。
オージスさん、ありがとう。またやってくださいね。(#今度はもっと長く。特に座談会はエンドレスを希望します)

(以上)




© 2002 OGIS-RI Co., Ltd.
Prev. Index Next
Prev. Index Next.