[1999 年 7 月号]

［オブジェクト本分野別ランキング］ - デザインパターン -

アナリシスパターン

ISBN： 4795297258
出版社： アジソン・ウェスレイ
著者： Martin Fowler
訳： 監訳：堀内一、訳：児玉公信、友野晶夫
出版日： 1998/06
ページ： 360

この本、素晴らしい本です。
私の座右の銘とも言える本で、常に鞄の中に入っています。（実際には、いつまで経っても読み終わらないのでずっと鞄に入っている、と言った方が正確ですが。）
たんに分析パターンというだけでなく、「モデリングとは何か？」ということについて非常に深い洞察を与えてくれる内容になっています。
動的分類、多重分類をやり放題なので、「オブジェクトモデル＝OOPLで実装するためのモデル」と考えている正常なエンジニアにとって、ここに書かれているモデルを理解したらショックを受けること請け合いです。
でもそこまで理解できるまで読み込むのは相当大変です。

（パタンナー）

設計よりもむしろ、分析をするという方にお勧めです。医療、金融など様々分野でのモデリング例を示してくれています。かなりの経験を積んだモデラーでも頭を捻るような、非常に抽象度の高い世界が展開されます。これを突破すれば分析者としてもかなりの実力を身につけることができるでしょう。
設計派には、後半のサポートパターンが役に立ちます。「アプリケーションファサード」は、分散、DBアプリ設計者は必ず読むようにしましょう。
ちなみにMartion FowlerはSmalltalker。違いの分かる男なんです。

(umejava）

Odellノーテーションはくせ者です。
「関連のロールは線の左側に書く」などと言う規則を使っているため、しばしばUMLで書いた場合とロールが逆になります。
第２章の最初の方で登場する組織の親子構造のモデルも、親と子が逆転しているように取れてしまうため、非常に混乱します。

(UML inside)

© 1999 OGIS-RI Co., Ltd.

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