ObjectSquare [2005 年 8 月号]

[オージス総研の本]


オブジェクト開発の神髄の表紙

オブジェクト開発の神髄
UML 2.0 を使ったアジャイルモデル駆動開発のすべて


Scott W. Ambler 著
オージス総研 監修
越智典子 訳
日経 BP 出版センター 4,410 円 (税抜き 4,200円)
ISBN4-8222-8237-6

目次 目次
内容紹介 内容紹介

目次

第 1 章:最先端のソフトウェア開発
第 2 章:オブジェクト指向概念の基本
第 3 章:フルライフサイクルオブジェクト指向テスト (FLOOT)
第 4 章:アジャイルモデル駆動開発
第 5 章:利用モデリング
第 6 章:ユーザインターフェース開発
第 7 章:補足要求事項
第 8 章:概念ドメインモデル
第 9 章:ビジネスプロセスモデル
第 10 章:アジャイルなアーキテクチャ
第 11 章:動的オブジェクトモデリング
第 12 章:構造設計モデリング
第 13 章:オブジェクト指向プログラミング
第 14 章:アジャイルデータベース開発
第 15 章:今後の進み方
用語集

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内容紹介

 C++ がオブジェクト指向開発言語として普及し、OMT (Object Modeling Technique) 法や Booch 法などのオブジェクト指向開発手法が登場した90年代の前半、オブジェクト指向技術は様々な分野の開発で適用され始められました。しかし、ビジネス系の開発においてはいろいろな成功事例が現れたにも関わらず、オブジェクト指向開発はなかなか主流とはなれませんでした。主流になりえなかった原因として大きかったのは, 以下の 2 点だったのではないかと筆者は思っています。

 前者は Smalltalk 自身が良い悪いという問題ではなく、新たな言語を習得するコストに比べて効果が明確ではなかったり、開発環境が有償でしか提供されていなかったなど様々なことが原因になっていたのではないかと思います。

 1995 年に Java が登場して以降、この開発言語に関する問題は現在に至るまでほぼ解消されてきています。また、オブジェクトとリレーショナルデータベースのマッピング ( 略して OR マッピング ) についても、先月のオブジェクト広場の記事で紹介されたような Hibernate に代表されるようなオープンソースの OR マッピングフレームワークが登場し、実装レベルでは解決の糸口が見え始めてきています。

 このようにビジネス系の開発にオブジェクト指向開発が使われる前提条件が整いつつある現在、皮肉なことに UML に関する良書は多数あるものの、データモデリングや実装言語とのマッピングなどビジネス系のオブジェクト指向開発を行うための基礎的な事柄を包括的に説明する教科書がありませんでした。

 本書は、この従来不在だった Java や .NET を用いるビジネス系開発者のためのオブジェクト指向開発の教科書の決定版です。本書の特長は、以下の 3 点です。

本書は、UML の入門書やオブジェクト指向プログラミング言語の入門書ではありません。UML やオブジェクト指向プログラミングについて基礎的な知識がある人で、実務の中で自分自身あるいは同僚とともにモデリングをどのように開発の中で実践すれば良いか悩んでいる人には最良の書籍だと思います。

 本書購入前に、内容をもっと知りたい方に参考になるかもしれないのが「アジャイルモデルのエッセンス」ページです。このページでは、本書で説明されているモデリング手法の一覧が紹介されています。さらに、列挙されている各モデリング手法からはモデリング手法の説明ページにリンクが張られています。このモデリング手法の説明ページは、「オブジェクト開発の神髄」の原稿の一部とほぼ同じ内容であり、本書の見本ページになっています。但し、このWeb 公開されている説明ページの訳は書籍の翻訳開始以前のものでり、訳質や内容の正確さという点では書籍に劣るという点はご了解頂きたいと思います。

 また、本書はアジャイル開発手法のためのモデリング方法論であるアジャイルモデリング ( AM ) の解説書でもあります。既に先行して邦訳されているスコット・アンブラー氏の「アジャイルモデリング(翔泳社、2003)」がアジャイルな開発においてモデリングを取り入れるための心得の解説書であるのに対して、本書は AM で使える多様なモデリング手法の解説書であるという位置づけになります。心得とモデリング手法の両方に関する書籍が揃うことにより、AM の実践方法を具体的に理解することが可能になります。AM に関する日本語情報は、AM 日本語リソースサイトでも提供しておりますので、御活用いただけたら幸いです。

 本書で解説されているモデリング手法は、アジャイルであるなしを問わず、様々な開発プロセスで適用できると思います。しかし、解説されたモデリング手法のどれをどのように組み合わせて適用して開発すればよいかというプロセスに関する説明は本書にはほとんどありません。そのため、プロセスについてさらに理解するためには他の書籍を併読することをお勧めします. 例えば、小規模プロジェクトの場合であればダグ・ローゼンバーグらの「ユースケース入門 - ユーザマニュアルからプログラムを作る(ピアソン・エデュケーション、2001)」が参考になると思います。また、中規模以上のプロジェクトの場合であれば(手前味噌で恐縮ですが)フィリップ・クルーシュテンの「ラショナル統一プロセス入門(アスキー、2004)」が参考になるのではないかと思います。

 本書の第 14 章で取り上げているアジャイルデータベース開発についてのより詳しい説明は、Scott Amblerさんの著書である"Agile Database Techniques: Effective Strategies for the Agile Software Developer" ( John Wiley & Sons, 2003 )という書籍や AgileData.org というサイトで提供されています。 AgileData.org の日本語訳は、kdmsnr さんにより www.agiledata.org in Japaneseという Wiki で提供されています。これらの書籍やサイトも、ご参照して頂ければ幸いです。

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オブジェクト開発の神髄 読者プレゼント

今回特別に、アジャイルモデリングによるアジャイル開発手法の決定版である 『 オブジェクト開発の神髄 』 を抽選で 1名 の方に読者プレゼントいたします。
ご希望の方は、以下の内容を明記の上、メールの Subject に「オブジェクト開発の神髄 プレゼント係」と書いて OOSQUARE-EDITOR@ogis-ri.co.jp 宛にお送りください。

  1. お名前
  2. 郵便番号
  3. ご住所
  4. 電話番号
  5. 「オブジェクトの広場」で取り上げてほしい情報・記事
  6. 「オブジェクトの広場」の感想

締め切りは、2005 年 8 月 31 日まで。当選者の発表はご本人宛にメールにてお知らせいたします。

 ご応募で頂いた個人情報につきましては、本件「オブジェクト開発の神髄」プレゼントのご連絡のみに使用いたします。
 お客様の個人情報は、当社の個人情報保護方針に基づき、適切にお取り 扱いいたします。また、ご本人の承諾なしに、第三者機関へ提供することはありません。

プレゼントの応募は締め切らせていただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
抽選の結果、当選された方には 9/15 までに案内メールをお送りいたします。
(2005/09/01)

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