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[シリコンバレー放蕩(?)記]


シ リ コ ン バ レ ー 放 蕩 ( ? ) 記

- 第四回 米国スキー事情 -

みなさん,こんにちは.季節はすっかり春になり,日本では花見や歓迎会などで大忙し の毎日と思いますが,如何お過ごしでしょうか.こちらは4月2日からサマータイムに 入り,帰宅時にも降りそそぐ太陽を満喫しております.さて,そんな春真っ只中にはや や季節外れの感もありますが,今回は先シーズンに私が行ったスキー場でのできことに ついてを書いてみたいと思います.

駐車場の様子 アメリカ,特にカリフォルニア州のスキー場というとみなさんはどのようなスキー場を 連想されるでしょうか.私は,カリフォルニアといえば太陽しか思い浮かばない貧困な 発想の持ち主なので,こちらへの出向が決まったときまず心配したのはスキーのことで した.なぜなら,私はスキーがものすごく好きだからです.日本では,1月から3月は ほぼ毎週末スキーに行く程好きです.そんな私ですから,カリフォルニアでスキーがで きるかどうかは大きな問題だったのです.

実際には,カリフォルニア州と言えども冬は来ますし,スキー場だってあります.ここ シリコンバレーでスキー場と言えば タホ湖が有名なよう です.タホ湖はカリフォルニア州とネバダ州の州境にある湖で,この周りには多くのス キーリゾートがあります.また,ネバダ州側にはリノというカジノの街もあり,一大リ ゾート地となっています.場所はシリコンバレーから北東に直線距離で約160マイル (約260キロ)のところにあり,車で行くと4時間程かかります.シリコンバレーと 呼ばれる地域からは外れますが,この辺りから行ける一番近いスキー場です.

2月16日の月曜日は大統領の日 (President's Day) で祝日となっていたので,その 週は三連休でした.せっかくの三連休に何かしないともったいないと思い,私は連休真 ん中の日曜日にスキーに行くことにしたのです.

その日は早朝3時頃に起きて支度をし,4時には家を出ました.家を出るときには既に 寝不足を感じてはいましたが,これから行くスキー場に思いを馳せながら車を運転して いました.目的のスキー場は Heavenly スキー場.ここはタホ湖周辺の中でも一,二を 争う大型のスキー場です.アメリカでの初スキーにドキドキしながら駐車場に入ると, そこにはよく見る風景が広がっていました.そう,駐車場の雰囲気は日本とまったく同 じものだったのです.山の麓に車がずらりとならび,車の脇で簡単に着替える人がいた り,車から道具を下ろしている人がいたり.私も道具を用意してリフト券売り場に行く と,そこもやはり日本と同じ.列に並んでリフト券を買います.システムから雰囲気ま で日本とほとんど同じだったのです.

山頂からの眺め 頂上までゴンドラで一気に上がると,そこにはアメリカならではの雄大なコースが待っ ている・・・.と,思ったのですがそうでもありませんでした.確かにコースの本数は 多めですが,驚くほどの壮大さはありませんでした.ただし,頂上から見るタホ湖の景 色には思わず見とれてしまう美しさがあります.澄んだ空と湖の青,そして雪山の白.

記念写真も撮り終わり,いよいよ本当の初滑りです.しかし,快調に滑っていたのもつ かの間,だんだんと息苦しいようなダルさを覚えました.始めは寝不足から来るものか と思いましたが,どうも違うようです.実は,この辺りの標高がものすごく高かったの です.スキー場のベース(駐車場のある場所)ですら,6,540フィート(約2,0 00メートル)あります.またゴンドラで上がった辺りの標高は,そこからさらに3, 500フィート(約1,000メートル)です.そう,私は富士山に近い標高の山でス キーをしていたのです.日本では一般的なゲレンデでしかスキーをしてこなかった私に は未知の標高です.しかし周りを見ると老若男女平気な顔をしてスキーを楽しんでいま す. ショックでした.誰一人として辛そうな顔をしている人なんかいないのです.

しかし,せっかく来たのですから,辛いなどと言ってはいられません.十分満喫しよう とがんばりました.途中で見かけたコブ斜面にも挑みました.標高が高いせいか雪質が 非常に良かったので,滑り自体はなかなか満足のいくものです.一つ驚いたのは,リフ トで隣り合わせた人は必ず話しかけてくるということです.これは日本で言う『ナン パ』などというものではありません.隣に座ったのが男性だろうと女性だろうと子供だ ろうと大人だろうと,誰もが「どこから来たの?」やら「天気が良くてよかったね」と 和気藹々と会話を楽しみます.やはり同じスキーが好きな人とどのコースが良かったか といった情報を交換したり,地元から来ている人にスキー場周辺のことを教えてもらえ るのは非常に有益で,スキー場の楽しみが増える良い習慣だと思いました.いろいろと 話した後リフトを降りると,それぞれが「じゃあね」と言って分かれて行きます.

この辺りでは10代や20代の若者だけでなく,年配の方もスキーを楽しみます.その せいか,日本と比較するとスノーボード派よりもスキー派の方が多いようです.スキー 派の私としては,それを見てちょっと嬉しかったりもしました.そんなこんなで一日ス キーを楽しみ,帰りの渋滞が怖かったので,やや早めにあがって帰路に着きました.や や移動に時間がかかるものの,シリコンバレーでも十分日帰りでスキーを楽しめまし た.

さて,今回は米国のスキー事情と題して,私のスキー体験記を書いてみました.スキー やスノーボードに興味のない人にとっては,全く面白くない文章でしたでしょうか.し かもシリコンバレーからも離れてしまいました.何はともあれ,これも『放蕩(?) 記』の一部として大目に見てやって下さい.

sigemoto



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