[2014 年 5 月号] |
[技術講座]
IEEE SoftwareのJan/Feb 2014号の特集は、「ソフトウェア品質に対する新たな観点」です。 今号では、健康管理ソーシャルサイトでのデータ保護、ソフトウェア納品の経済的なガバナンス、判断中心のアーキテクチャーレビュー等に関する記事が掲載されています。 特集以外では、TDDを複数のバージョンのフレームワークの開発に適用した経験や地方自治体などのビジネスプロセスが異なる状況でのSOA適用の落とし穴とベストプラクティスに関する記事等が掲載されています。
謹んでIEEE Softwareの January/February 2014 (Vol. 31, No. 1) 号の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語の印刷版[www.computer.org/subscribe/sw-jp], またはデジタル版[www.qMags.com/ISW/jp]を購読することができます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.
Forrest Shull, Fraunhofer Center for Experimental Software Engineering
IEEE Softwareの編集長であるForrest Shull が, 健康保険市場が直面している多くの課題を考慮しつつ, 高品質のソフトウェアシステムを期日通りに納品するための課題を論じる. 彼は, 新任の編集委員会とアドバイザリー委員会のメンバーであるJeromy Carriere, Davide Falessi, Evelyn Tian, Grigori Melnikも紹介する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010004.pdf
Eduardo Guerra, National Institute for Space Research, Brazil
中身がなく見かけ倒しなだけのアジャイル開発プラクティスを目にすることはよくある.あなたがそう感じているならば, 本記事に書かれた詳細設計の道のりを辿り, そして, テスト駆動開発 (TDD) およびリファクタリングが, アジャイルな環境の中でどのようになされるかを間近に見ることを楽しめるだろう. Rebecca Wirfs-Brock の親身な指導により, この記事は洞察に満ちたものになっている. Eduardo と Rebecca の二人に感謝する!—Linda Rising, 編集委員
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010009-abs.html
James Gimpel, Gimpel Software
本コラムで, James Gimpel氏 がバグに対する終わりなき戦いに非常広範に用いられている静的解析ツールPC-lintの発展, 技術, 影響に対する興味深い洞察をいくつか提供する.—Michiel van GenuchtenとLes Hatton
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010015-abs.html
Grady Booch, IBM
コードのすべての行が1つの倫理的な判断を表している; 集められ, 分析され, 可視化されたものには倫理的意味合いがある.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010020.pdf
Diomidis Spinellis, Google
1つの組織内で内部利用のために開発されたインフラの形は様々である. 組織固有のニーズにあつらえることができるというのがあつらえたソリューションを作る明らかな理由であり, それには多くの利点がある: つまり, より良い性能, 柔軟性の向上, 競争上の戦術的または戦略的利点である. しかしながら, そのようなソリューションは新参者には学習曲線が急峻だったり, 保守やサポートのコスト, 既得権を持つグループに乗っ取られるリスクがある. あつらえたインフラへの投資が既に費やしたコストであり, それが組織にいる従業員の種類を分離することを考えると, 組織のインフラを構築する合理的なアプローチには汎用のソリューションをカスタマイズしたり, オープンソースのツールを採用し, 組織の要求に対応するように改良することが含まれる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010023.pdf
Tiago Duarte, Pontificia Universidade Catolica do Rio Grande do Sul
Rafael Prikladnicki, Pontificia Universidade Catolica do Rio Grande do Sul
Fabio Calefato, University of Bari
Filippo Lanubile, University of Bari
リアルタイムに行われる音声に基づいた機械翻訳は, 構文的にも意味的にもお互いを理解したいと考える, 多くの国際的なチームによって刺激を受けている. 著者 Tiago Duarte と Rafael Prikladnicki は, リアルタイムな音声機械翻訳の最新技術について, 概要を説明する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010026-abs.html
Ruth Breu, University of Innsbruck
Annie Kuntzmann-Combelles, inspearit
Michael Felderer, University of Innsbruck
本特集は, その本質的なソフトウェア品質に注目することで, ソフトウェア品質の研究における課題と方向性に対応する様々な記事の集まりで構成される.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010032.pdf
Ying-Dar Lin, National Chiao Tung University
Edward T.-H. Chu, National Yunlin University of Science and Technology
Shang-Che Yu, National Chiao Tung University
Yuan-Cheng Lai, National Taiwan University of Science and Technology
スマートフォンの自動化されたGUI (SPAG) は, テスト対象のデバイスが時間的な制約を守って動作することを確かめるためのイベントシーケンスをまとめ, 再現する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010039-abs.html
Jingquan Li, Texas A&M University—San Antonio
現代の健康管理ソーシャルネットワーキングサイトは,取り扱いに注意すべき個人の健康データの権限外の利用や開示が起きる可能性がある. あるシステム要求群が, これらの問題への対応の助けになるかもしれない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010046-abs.html
Murray Cantor, IBM
Walker Royce, IBM
アジャイル手法が主流になり,企業スケールの様々な納品状況でソフトウェア企業はそれらの手法を採用している. アジャイルの転換に関するIBM社の広範な産業界での経験と深い内部的なノウハウから, ソフトウェアビジネスの成果において持続的な改善をもたらすための3つの中心的な原則が明らかになった: つまり, 変更のコストを測定すること, オーバーヘッドを効率化すること, そして経済的なガバナンスとベイジアン分析でかじ取りをすることである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010054-abs.html
Luís da Silva Azevedo, University of Hull
David Parker, University of Hull
Martin Walker, University of Hull
Yiannis Papadopoulos, University of Hull
Rui Esteves Araújo, INESC TEC
新たなツールが自動車安全性要求レベルの割り当てと分解を自動化する. そのツールは, システムとソフトウェア開発ライフサイクルをサポートすることにより, 重要な組み込みコンピューターシステムの設計においてシステム的な障害に関する安全性の要求をユーザーが割り当てることが可能になる. このツールは似たような安全性要求レベルを持つ産業に適用できる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010062-abs.html
Uwe van Heesch, Capgemini Germany
Veli-Pekka Eloranta ,Tampere University of Technology
Paris Avgeriou ,University of Groningen
Kai Koskimies ,Tampere University of Technology
Neil Harrison, Utah Valley University
アーキテクチャー評価はソフトウェア開発ライフサイクルにおいて重要な作業だが, 不幸なことに産業界で定常的に実践されていない. 判断中心のアーキテクチャーレビュー(DCAR)は最も重要なアーキテクチャー判断の背後にある根拠を明らかにし, 評価する. 産業界の大きなプロジェクトの経験から, 利害関係者を満足させる結果を生みながらも報告を含む全面的なDCAR評価が5人未満で実施できることが分かった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010069-abs.html
Matthias Galster, University of Canterbury
Laurens Lapre, CGI
Paris Avgeriou, University of Groningen
ビジネスプロセスの違いが, 情報システムの実装のバラツキが生む. オランダの自治体でのサービス指向アーキテクチャーの実装にも使われたベストプラクティスに基づくアーキテクチャーパターンが解決策を提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010077-abs.html
Smita Ghaisas, Tata Consultancy Services
「伝道していることを実践しているのか?」という修辞学的な質問は, 要求工学の研究の世界に登場して10年が経った現在でも重要に思える. インドから様々な趣をもったプロの新たな観点でこの質問に再度対応する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010088.pdf
Parisa Ghazi, Universidad Politecnica de Madrid
Ana M. Moreno, Universidad Politécnica de Madrid
Lawrence Peters, Software Consultants International Limited
ソフトウェア工学の歴史は, 論文, 記事, 書籍で文書化された多くのプロジェクトの失敗によって刻まれてきた. 成功に至らなかったこのパターンが, “ソフトウェアの問題”を解決すると宣伝されてきた何十ものソフトウェア分析, 要求定義, 設計手法, プログラミング言語, ソフトウェア開発環境, ソフトウェア開発プロセスのすべての作成を促してきた. あまり耳にしなかったのは, 成功したソフトウェアプロジェクトに関することである. 本記事では, 文献で報告された成功したソフトウェアプロジェクトを広範に分析して分かったことを報告する. 記事では, 成功の解釈の違いを論じ, 成功したプロジェクトが共通して持つ特徴を抽出している. これらの特徴は,保証はできないが, 自分達のプロジェクトを成功するようにする助けとなるような話題の一覧をソフトウェアプロジェクトの管理者に提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/01/mso2014010096-abs.html
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