ObjectSquare [2014 年 7 月号]

[技術講座]


IEEE Software March/April 2014 目次と要旨(日本語訳)

翻訳:オブジェクトの広場



IEEE Software

私たちの使命:先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software 誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

次世代モバイルコンピューティング (Next Generation Mobile Computing)

謹んでIEEE Software March/April 2014 (Vol. 31, No. 2) 号の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語の印刷版[www.computer.org/subscribe/sw-jp], またはデジタル版[www.qMags.com/ISW/jp]を購読することができます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長より (FROM THE EDITOR)

モバイル性の真のコスト? (The True Cost of Mobility?)

Forrest Shull, Software Engineering Institute of Carnegie Mellon University

IEEE SoftwareのForrest Shull編集長は, Cloud Security Alliance の最高業務責任者であるJohn Howie 氏と, モバイルとクラウドコンピューティングにおけるプライバシーに関係する事柄を論じる. 彼は, 2014年5月30日にインドのBangaloreで開催されるSoftware Experts Summit も取り上げ, Software Engineering Radio の200回目のエピソードを論じる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020005.pdf

レター (Letters)

橋からの景色 (View from the Bridge)

Stuart Jobbins氏は, IEEE Software Jan./Feb. 2014 号の“前進か, 後退か, 停滞か? (Progression, Regression, or Stasis?)”というコラムに対する投書をくれ, その中で我々の世界では技術の発展が継続的な学習と成長を意味することが業界のほとんどすべてのプロダクトに広がっており, ソフトウェア開発者は若者にこの知的に刺激的でやりがいのあるキャリアの世界に入る気持ちを持たせなければならないと記している. Stan Rifkin 氏も同じコラムに対する投書を寄せてくれ,その中でソフトウェア品質に対する確約がもっとも重要だと記している.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020010.pdf

洞察: 体験談 (Insights: Stories)

体験談に対する最後の言葉 (A Final Word about Stories)

Linda Rising

私の"洞察を募集します"が最初に掲載されたのは2010年5月のことだった. 4年間近く, あなたのような優しい読者が呼びかけに答え, 体験や挑戦, 学びを共有してくれた.投稿した人, 私のアドバイスに対応して改訂や返答をした人, 特に最後まで頑張り記事を発信した人, 全てに感謝する.本記事は私の本シリーズに対する別れとなるが, もう私が舵をとらなくてもきっと続いていくだろう. あなたがまだ何も記事を発信していないなら, 私は発信するように応援する. 私達はあなたの洞察を聞かねばならないのだから! - Linda Rising, 編集委員
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020014-abs.html

コンピューティングについて (On Computing)

我々が自分達を語る話 (The Stories We Tell Ourselves)

Grady Booch, IBM

物語を語ることには, 楽しませたり, 教えるために世界や人間の経験に関する基本的な真実についての抽象化を織りなすことが含まれる. 事が映画やテレビに及べば, プロデューサーや監督がしばしばコンピューター技術を魔法のように見せてくれる. そうしなくてもよい.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020018.pdf

インパクト (Impact)

ベイジアンネットワークを用いた確率的なリスク管理のための意思決定支援ソフトウェア (Decision Support Software for Probabilistic Risk Assessment Using Bayesian Networks)

Norman Fenton, Agena
Martin Neil, Agena

相対的に小さく, 高度に専門化され, 良く使われたパッケージという我々のテーマの続きとして, Norman FentonとMartin Neil がベイジアン決定ネットワークの世界を説明する. - Michiel van Genuchten と Les Hatton
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020021.pdf

要求 (Requirements)

アーキテクトを首にしないで! 要求はどこにあったの? (Don’t Fire the Architect! Where Were the Requirements?)

Jane Cleland-Huang, DePaul University

2013年のHealthcare.gov の大失敗で, プロジェクトの要求をよりよく理解することで間違った開始の影響を減らせるのではないかと多くの人が思った.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020027-abs.html

ソフトウェア技術 (Software Technology)

クラウドソーシングのための協調的なソフトウェア開発プラットホーム (Collaborative Software Development Platforms for Crowdsourcing)

Xin Peng, Fudan University
Muhammad Ali Babar, University of Adelaide
Christof Ebert, Vector Consulting Services

大衆へのアウトソーシング, つまりクラウンドソーシングはLinuxのような非常に成功したビジネスを送りだしてきた. それでも, 効率的な連携やクラウドソーシングのサポートのためのプラットホームはまだ出現してきている. 著者であるXin Pengと, Ali Babar, 私はクラウドソーシングのための現在の技術の概観を提供する. 読者とコラムの将来の著者から本コラムとさらに知りたいと思う技術についてのご意見をお待ちする. - Christof Ebert
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020030-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

ソフトウェア開発労力の見積もりで分かっていることといないこと (What We Do and Don’t Know about Software Development Effort Estimation)

Magne Jørgensen, Simula Research Laboratory and University of Oslo

非現実的なプロジェクト計画と費用の超過により, ソフトウェアのプロやその顧客に問題が生じる. 多くの研究や無数の経験から学ぼうという試みに関わらず, 不正確さの問題, しばしば楽観的すぎる費用見積もりの問題は解決されていない. 本記事では, 見積もりの正確さを改善し得るいくらかの知識を要約するが, それでもいくらかの知識が足りないことで正確な見積もりを行うことが妨げられる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020037-abs.html

商売道具 (Tools of the Trade)

クラウドで開発する (Developing in the Cloud)

Diomidis Spinellis, Athens University of Economics and Business

多くの利用可能なクラウドベースのサービスは, バージョン管理, 問題点管理, リモートアプリケーションモニタリング, 各国語対応, 配置, 支払い処理, 継続的なインテグレーションのようなソフトウェア開発ニーズを網羅し, そのようなシステムを自前で稼働した際に発生する設定, 保守, ユーザーサポート費用や複雑さを無くしてくれる. クラウドベースのツールの最も重大なリスクは, 保管されたデータと組織が用いるサービスの制御に関することである. その一方で, クラウドベースのツールはソフトウェア開発組織の資本に対する要求や設定費用を劇的に減らす. それらのツールは, 関連するサービスに登録するだけで組織が各領域のベストプラクティスを取り入れることも支援する. クラウドベースのサービスを用いることは,スケーラビリティーに関する心配がより少なくなるという意味であり, その一方で顧客の観点ではクラウドを介してサービスを納品することにより組織がそれらの顧客とより緊密な関係を持つことができるのである. クラウドベースのサービスを通じて, 多様なプロジェクトや雇用主を横断して開発者が同じツールを使うことができ, 1つの仕事から次の仕事へと知識やスキルを移転し, 経験を積んだ開発者のより深い才能のプールを提供することで開発インフラは次第にどんどん均質になっていく.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020041.pdf

ゲスト編集者の導入 (Guest Editors’ Introduction)

次世代モバイルコンピューティング (Next-Generation Mobile Computing)

James Edmondson, Carnegie Mellon University
William Anderson, Carnegie Mellon University
Jeff Gray, University of Alabama
Joseph P. Loyall, Raytheon BBN Technologies
Klaus Schmid, University of Hildesheim
Jules White, Vanderbilt University

今号のIEEE Software ではモバイルコンピューティングが今日我々を連れてきた地点と, モバイルコンピューティングが将来我々を連れていくかもしれない地点を論じる. 学術, 行政, 産業からの有望なテクニック, インフラ, 調査とともに間近のソフトウェアの課題に注目することで近い将来のモバイルコンピューティングを垣間見ることができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020044.pdf

次世代モバイルコンピューティング (Next-Generation Mobile Computing)

People as a Service: 集合的な社会学的プロフィールをもたらすモバイル中心モデル (People as a Service:A Mobile-centric Model for Providing Collective Sociological Profiles)

Joaquín Guillén, Gloin
Javier Miranda, Gloin
Javier Berrocal, University of Extremadura
José García-Alonso ,University of Extremadura
Juan Manuel Murillo, University of Extremadura
Carlos Canal, University of Málaga

新たなモバイル中心コンピューティングモデルにより, 第3者に対するサービスとして人々の社会学的なプロフィールが生成され, 維持され, 安全に提供されることが可能になった. このモデルで, 集合的に社会学的な情報を提供しつつも, 所有者達は自分達の情報がどのようにアクセスされているかを認識し, 制御することができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020048-abs.html

次世代モバイルヘテロジニアスネットワークのためのアジャイル通信ミドルウェア (Agile Communication Middleware for Next-Generation Mobile Heterogeneous Networks)

Giacomo Benincasa, Florida Institute for Human and Machine Cognition
Alessandro Morelli and Cesare Stefanelli, University of Ferrara
Niranjan Suri, Florida Institute for Human and Machine Cognition and US Army Research Lab
Mauro Tortonesi, University of Ferrara

次世代モバイルコミュニケーションのシナリオによって生じる課題は, 効率的なモバイルや普及したアプリをサポートする上での従来のコミュニケーションソリューションの不十分さをはっきりと強調している. これまでの調査はより高いレイヤーのミドルウェアやワイヤレス環境でのTCPベースのソリューションの最適化に注目してきたが, 将来のアプリケーションをサポートするための適切なコンセプトやツール群を提供し得る通信ミドルウェアに明らかに注目する必要がある.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020054-abs.html

分散リアルタイムマネジッドシステム: マネジッド組み込みシステムのためのモデル駆動分散セキュアな情報アーキテクチャープラットホーム (Distributed Real-time Managed Systems: A Model-Driven Distributed Secure Information Architecture Platform for Managed Embedded Systems)

Tihamer Levendovszky, Vanderbilt University
Abhishek Dubey, Vanderbilt University
William R. Otte, Vanderbilt University
Daniel Balasubramanian, Vanderbilt University
Alessandro Coglio, Kestrel Institute
Sandor Nyako, Vanderbilt University
William Emfinger, Vanderbilt University
Pranav Kumar, Vanderbilt University
Aniruddha Gokhale, Vanderbilt University
Gabor Karsai, Vanderbilt University

実践的な設計と実行時のソリューションは, 最近の開発プラクティスや技術とともに, 制約されたリソースを効率的に管理し, 性能の悪影響を及ぼすことなくアプリケーションを分離するという課題に対する奇抜なアプローチを取り込んでいる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020062-abs.html

センサークラウド: 仮想的なセンサーのクラウド (Sensor Cloud: A Cloud of Virtual Sensors)

Sanjay Madria, Missouri University of Science & Technology
Vimal Kumar, Missouri University of Science & Technology
Rashmi Dalvi, Missouri University of Science & Technology

Missouri S&T (science and technology)センサークラウドにより, 広大な地域に広がった別々のネットワークが共につながり, 複数のユーザーによりオンデマンドで同時に使用できる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020070-abs.html

モバイルアプリにおけるソフトウェア再利用についての大規模なエンピリカルな研究 (A Large-Scale Empirical Study on Software Reuse in Mobile Apps)

Israel J. Mojica, McAfee
Bram Adams, École Polytechnique Montréal, Canada
Meiyappan Nagappan, Queen’s University, Canada
Steffen Dienst, University of Leipzig, Germany
Thorsten Berger, University of Waterloo, Canada
Ahmed E. Hassan, Queen’s University, Canada

数十万ものAndroidアプリの調査で大きなソフトウェアの再利用が明らかになった. これはそれらのアプリが生産性の増加の恩恵を受けている一方で, それらが再利用するアプリやライブラリの品質により依存もするということを示す.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020078-abs.html

SATURN

SEI SATURN 2013のプログラムのハイライトと記事(Program Highlights and Articles from SEI SATURN 2013 )

Olaf Zimmermann, University of Applied Sciences of Eastern Switzerland, Rapperswil
Heiko Koziolek, ABB Corporate Research Germany

SATURNカンファレンスは, ソフトウェアアーキテクチャーに関心があるソフトウェア開発者その他のための国際的な公開討論会である. SATURNは通常IEEE Softwareとパートナーを組んでいるが, この関係は両方の側に強力なコンテンツを提供し続けている.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020087-abs.html

BestBuy.com のクラウドアーキテクチャー (The BestBuy.com Cloud Architecture)

Joel Crabb, Best Buy

BestBuy.comは, 自分達の新たなe-コマースプラットホームのすべてのアプリケーションレイヤをクラウドに構築し, 通常の負荷に対して高い割合のピーク負荷を持つシステムでも良好に動作するように設計した
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020091-abs.html

シミュレーションに基づく組み込みアジャイル開発(Simulation-Based Embedded Agile Development)

Jason Ard, Raytheon Missile Systems
Kristine Davidsen, Raytheon Missile Systems
Terril Hurst, Raytheon Missile Systems

アジャイルの原則に合うようにあつらえられると, シミュレーション中心の開発は劇的にプロダクトの品質を向上し, コストを削減し, 信頼できる動作するコード素早く納品し得る.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020097-abs.html

ご意見番 (Sounding Board)

人的要因とソフトウェア工学を橋渡しする (Bringing the Human Factor to Software Engineering)

Luiz Fernando Capretz, Western University

ソフトウェア開発プロセスに関与する人的側面は, ソフトウェアプロジェクトを成功裏に完了するために重要である. 著者は, 仕事への満足を高め, パフォーマンスを改善し, ソフトウェア開発者の生産性を高めるために人的要因の話題をソフトウェア工学教育の主流の一部にすることを支持する. 技術的にてんこ盛りのカリキュラムの中で代わりとなる観点を提供して, 人間の観点からソフトウェアエンジニアリングプロセスの実践的な概観を提供することを重視すべきである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/02/mso2014020104-abs.html




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