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[1999 年 2 月号] |
[Real-Time UML]
5.実装以下の内容が手薄。パターンはちょっと…。
本書には実装以下の開発フェーズに関する内容が含まれていません。もっともタイ
トルがReal-Time UMLなのですから分析・設計中心で構わないといえば構わないの
ですが、それでも例えば、ハードウェアやRTOSを隠蔽する方法、効率を重視した実
装方法、プロセス間通信と関数Callの使い分けなどについては、Real-Timeとうたっ
ているからには一通りの見解が欲しいような気がします。ですから、本書の知識だ
けで実際の開発を進めると、実装に関する部分などでは結構悩むことでしょう。
それと、著者は今までの経験から得たアーキテクチャ設計、メカニスティック設計
それぞれの局面での知識をパターンという形でまとめて提供したかったようで、
第5章、第6章ではそれぞれの設計の具体的な内容を全てパターンとして説明してい
ます。しかし、アーキテクチャ設計などではパターンとして分類するにはあまりに
も当然すぎるような戦略が紹介されていることが多く、内容自体はいまひとつぱっ
としない印象を受けました。また、メカニスティック設計で紹介されているパター
ンについてもサマリでも触れたようにGammaらのデザインパターンとダブっているも
のが多く、紹介しているパターンの選択基準もはっきりしません。むしろ、既存の
パターンを組込み・リアルタイムシステムの領域でどう使っていくのか、という点に
絞って解説してくれたほうがよっぽどありがたいような気がします。本書の紹介や目
次などでは「パターン」という言葉が強調されているので、ここに期待して買ってし
まった人には結構つらい内容かも知れません。
とはいってもそのあたりの評価は見る人次第ですので、実際に確認されたい方は先に
お伝えしたURLを参照してみてください。5章のアーキテクチャパターンなら全て見る
ことができます。また、6章のデザインパターンについてはGammaらのパターンとダブ
らないもののいくつかをUMLのクラス図とシーケンス図で表してみました。本文の最後
に付録として載せていますので、そちらの方もぜひどうぞ。
© 1999 OGIS-RI Co., Ltd. |
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