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[1999 年 2 月号] |
[Real-Time UML]
6.本書のまとめ
本書は「UMと一般的なオブジェクト指向開発による組込み・リアルタイ
ムシステムの開発手法」あるいは「組込み・リアルタイムシステムを
題材としたオブジェクト指向開発およびUMLに関する入門書」の両方に
位置付けることができるでしょう。前者の場合には、ある程度オブジェ
クト指向やUMLを知っていて組込み・リアルタイムシステムへの適用を
検討しようとしている方、後者の場合には、オブジェクト指向やUMLを
あまり知らないけれどこれからUMLで組込み・リアルタイムシステムを
開発していこうという方がそれぞれ対象になります(UMLをまったく知
らない方には本書での説明だけではちょっと足りないかもしれません)。
内容的に多少の物足りなさは残るものの、一般的なオブジェクト開発手
法に則っている分、他の手法と比べると開発プロセスやUMLの表記法な
ども既存のツールや資料がそのまま活用できるメリットがありますので、
オブジェクト指向による組込み・リアルタイムシステム開発への入り口
としてはお勧めできる書籍だと思います。
また、意外な使い方としては、オブジェクト指向での組込み・リアルタ
イムシステムの開発を一通り経験されている方が本書を読むことで今ま
での経験の整理ができたり新たな発見ができたりする、といったような
ことがあるでしょう。特に本書はアクが強くない分だけ、こういった教
科書的な使われ方には非常に向いているかもしれません。
© 1999 OGIS-RI Co., Ltd. |
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