ObjectSquare [2014 年 9 月号]

[技術講座]


IEEE Software May/June 2014 目次と要旨(日本語訳)

翻訳:オブジェクトの広場



IEEE Software

私たちの使命:先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.

IEEE Software 誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.

グリーン・ソフトウェア (Green Software)

謹んでIEEE Software May/June 2014 (Vol. 31, No. 3) 号の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語の印刷版[www.computer.org/subscribe/sw-jp], またはデジタル版[www.qMags.com/ISW/jp]を購読することができます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.

目次

編集長から (From the Editor)

時計の針が進む (The Clock is Ticking )

Forrest Shull, Software Engineering Institute of Carnegie Mellon University

IEEE Softwareの編集長であるForrest Shull が自分の在任期間を考察し, その期間の取り組みを取り上げる. また, 彼はSoftware Engineering Radioの部門編集者としてRobert Blumen を歓迎し, より多くの人のSoftware Engineering Radio のポッドキャストインタビューへの貢献を呼び掛ける.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030004.pdf

レター (Letters)

ユーザー関与のスイートスポット (Sweet Spot for User Involvement)

Chris Morris氏が編集者にIEEE Software のNov./Dec. 2013号に掲載された証拠の声コラムの記事” ソフトウェア開発にユーザーを巻き込むことは, 本当に, システムの成功に影響するか? (Does Involving Users in Software Development Really Influence System Success?)” への書簡を寄せてくれた. その書簡では, ユーザーと関与とプロジェクトの成功の相関関係が論じられている.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030009.pdf

現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)

現実的なアーキテクトの復活 (Return of the Pragmatic Architect)

Eoin Woods, Artechra

ソフトウェア業界には多くの種類のアーキテクトが働いているが, それらの人々の仕事の幅と主たる専門性を考えると, それらの人達を3つの主要なグループに整理できることが分かる: エンタープライズアーキテクト, アプリケーションアーキテクト, そしてインフラアーキテクトである. アーキテクトがどのグループに該当するかを知ることで, それらの人たちの専門性やそれらの人に期待できることを理解する助けになる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030010-abs.html

商売道具 (Tools of the Trade)

継続的なインテグレーションとそのツール (Continuous Integration and Its Tools)

Mathias Meyer, Travis CI

継続的なインテグレーションが登場して久しいが, それが推奨する習慣は一般的なプラクティスとは程遠い. 自動化されたビルド, 徹底したテストスイート, 日々のメインブランチへのコミットは最初簡単に聞こえるが, 責任を持って実装し, 絶えず世話を焼くことが必要になる. 道具立てを改善することで始まることが, あなたの会社の出荷に関する文化の長期に渡って続く変化を促すものになり得る. 継続的なインテグレーションは一群のプラクティス以上のものであり, 次のことを心に留める考え方なのである: 顧客の価値を高めるということである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030014.pdf

インパクト (Impact)

インド市場向けのモバイルアプリ開発 (Mobile App Development for the Indian Market )

Rahul D. Sadafule, AppZoy Technologies

今年, インパクト部門でいくつかのより小さなプロダクトやアプリケーションを取り上げてきた. 今回のコラムでは, インド市場向けの携帯電話アプリの開発を取り上げる − 巨大な市場向けの小さなアプリにはそれ固有の1群の課題がある. 本インパクトコラムは世界のソフトウェアの中心地であり, 5月30日に2014 Software Experts Summitが開催されるバンガロールからの投稿である. − Michiel van Genuchten と Les Hatton.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030017-abs.html

証拠の声 (Voice of Evidence)

ソフトウェア・プロダクト管理 (Software Product Management)

Christof Ebert, Vector Consulting Services

プロダクトとソリューションの成功は, 有効なプロダクト管理次第である. 本記事では, ソフトウェア・プロダクト管理の概要を説明し, プロダクトマネジャーという役割の導入と, その改善および展開を業界で行ってきた経験について述べる. 一貫性があり, かつ権限を持ったプロダクト管理という役割を制度化することで, スケジュールの予測可能性, 品質, 期間の面で, プロジェクトの成功率が改善することを著者は発見した. 実証的な証拠に基づく, 具体的なプラクティスを著者は提供する.それらのプラクティスはあなたの会社でソフトウェア・プロダクト管理を促進し, それによりあなた自身の成功率も高めるだろう.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030021-abs.html

要求 (Requirements)

逸話思考を超えて:品質ゴールを達成するために我々の理解を深める (Beyond Anecdotal Thinking: Deepening Our Understanding for Achieving Quality Goals)

Mamoun Hirzalla, Strategic Initiatives
Peter Bahrs, IBM
Jane Cleland-Huang, DePaul University

セキュリティー, ビジネスの機敏さ, 保守性, 他のそのような性質に対する品質ゴールは, しばしば実装上のベストプラクティスを通じて達成される. どの利害関係者のゴールが達成可能で, それらが如何にして最もよく達成されるかを知ることで, 我々はソフトウェア開発に関して信じられていることやプラクティスを経験的に評価しなければならない.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030026.pdf

ソフトウェア技術 (Software Technology)

ミューテーション・テスティング (Mutation Testing)

Pedro Reales, University of Castilla-La Mancha
Macario Polo, University of Castilla-La Mancha
José Luis Fernández-Aleman, University of Murcia
Ambrosio Toval, University of Murcia
Mario Piattini, University of Castilla-La Mancha

テスティングは次の2つの理由で高くつく: 不十分なテストスイートと効果的ではない欠陥の検出である. その発端から, ミューテーション・テスティングはテストスイートのヒット率を改善し, 絶対に必要なテストケースを生成することにより非常にコスト効果の高いテストテクニックであることが実証されてきた. 著者らはミューテーション・テスティングを紹介し, 現在ホットな技術の概観を提供する. 読者と将来のコラム著者から本コラムとさらに学びたい技術についてのご意見をお待ちする. − Christof Ebert
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030030-abs.html

ゲスト編集者の導入 (Guest Editors’ Introduction)

グリーン・ソフトウェア (Green Software)

Ayse Basar Bener, Ryerson University
Maurizio Morisio, Politecnico di Torino
Andriy Miranskyy, Ryerson University

大半の研究や行政監督は, エネルギー消費に対するハードウェアに関係する測定, 分析,制御に注目している. しかし, あらゆる形態のハードウェアには大量のソフトウェアコンポーネントが含まれる. ソフトウェアシステムがエネルギーを直接的に消費しないが,それらはハードウェアの利用状態に影響を及ぼし, 間接的なエネルギー消費を招く. そのため, エネルギー消費を最適化するように工学的にソフトウェアを作ることが重要である. ソフトウェア工学の研究分野は, 近年このトピックを取り上げる文献, エンピリカルな研究, カンファレンスの数が増えることから分かるように, 持続性に関心を持っている. この特集のゲスト編集者が, この重要な研究分野を際立たせるために選んだ記事を説明する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030036.pdf

グリーン・ソフトウェア (Green Software)

安全性, セキュリティー, 今や持続性:21世紀のための非機能要求 (Safety, Security, Now Sustainability: The Nonfunctional Requirement for the 21st Century)

Birgit Penzenstadler, University of California, Irvine
Ankita Raturi, University of California, Irvine
Debra Richardson, University of California, Irvine
Bill Tomlinson, University of California, Irvine

ソフトウェア開発者は, ソフトウェアシステムの1次的な影響だけではなく, 2次や3次的な影響を考慮することで社会の持続性を大きく改善することができる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030040-abs.html

ゴッドクラスのリファクタリングの電力消費に対する有害な効果を分析する (Analyzing the Harmful Effect of God Class Refactoring on Power Consumption)

Ricardo Peréz-Castillo, University of Castilla-La Mancha
Mario Piattini, University of Castilla-La Mancha

研究はリファクタリング分野が今やシステムの保守性を改善できるほど十分に成熟していることを示しているが, 大半のリファクタリングテクニックは持続性を低下させる. 特に, ゴッドクラスのリファクタリングに起因する過剰なメッセージトラフィックはシステムの電力消費を増大させる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030048-abs.html

グリーン仕様を通じてよりグリーンなITを促進する(Facilitating Greener IT through Green Specifications)

Colin Atkinson, University of Mannheim
Thomas Schulze, University of Mannheim
Sonja Klingert, University of Mannheim

ITの二酸化炭素排出量を減らすためのより強力でサービス固有の戦略を開発するために, サービスの機能, それにより達成される品質, 環境に対する影響を記述する, より完全で広く理解可能なサービスの仕様が必要になる. グリーン仕様という概念は, そのようなアプローチを提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030056-abs.html

グリーン・ソフトウェア : 何を, どの程度, グリーン化するのか? (Green Software: Greening What and How Much?)

Chenlei Zhang, University of Alberta
Abram Hindle, University of Alberta
Daniel M. German, University of Victoria

ICT(情報通信技術)システムと連携する組み込み機器を利用し, 産業プロセスの効率化, 廃棄物や原料の縮小, 環境保全を行うようなアプリケーションでは, グリーン・ソフトウェアの概念はさらに複雑なものになる. この問題に対処するために, グリーン・ソフトウェアのコミュニティは, ICT のグリーン化および ICT によるグリーン化, というコンセプトを導入した.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030064-abs.html

エネルギー消費に対するユーザーの選択の影響 (The Impact of User Choice on Energy Consumption)

Chenlei Zhang, University of Alberta
Abram Hindle, University of Alberta
Daniel M. German, University of Victoria

ハードウェアやソフトウェアのエンジニアはエネルギー効率の良いモバイルシステムを開発するための助けになるが, 最後の1マイルはユーザーの選択や要求頼りになりがちである. 複数のシナリオにより, ユーザーの要求やソフトウェアの選択肢次第でタスクを実行する際のエネルギーの消費の大小を示すことができ, それによりユーザーにトレードオフを比較考慮する機会が提供できる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030069-abs.html

グリーン・ソフトウェアの配置とプロビジョニング(Deploying and Provisioning Green Software)

Ayse Basar Bener, Ryerson University
Andriy Miranskyy, Ryerson University
Steve Raspudic, IBM Canada

グリーン・ソフトウェアプラクティスをソフトウェア開発者が統合する方法をもっと学ぶために, ゲスト編集者はIBMのトロントのSoftware Labでマネージャーと, 配置とプロビジョニングのアーキテクトであるSteve Raspudic と話をした.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030076-abs.html

ソフトウェア設計 (Software Design)

モデル駆動エンジニアリングの実践状況 (The State of Practice in Model-Driven Engineering)

Jon Whittle, Lancaster University
John Hutchinson, Lancaster University
Mark Rouncefield, Lancaster University

モデル駆動エンジニアリング (MDE)の長所と短所についての過去10年間に渡る活発な議論にも関わらず, MDEの実践に関する業界全体の研究はあまりなかった. 450名のMDE実践者のアンケートと22名とのより詳しいインタビューを実施した新たな研究から, MDEは一般的に信じられているよりも広まっているものの, 開発者がシステム全体を生成するためにそれを用いることはまれであることが分かった. むしろ, それらの開発者はしばしばドメイン特化のモデリング言語を用いてシステムの主要部分を開発するためにMDEを適用している. ソフトウェア工学で一般的なように, 採用は社会的や組織的な要素に大きく依存する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030079-abs.html

コンピューティングについて (On Computing)

ソフトウェアの信じられない軽さ (The Incredible Lightness of Software)

Grady Booch, IBM

ソフトウェアの比重が高いシステムを内側から見ると, 多くの異なる実装スタイルがあり, その各々が自身の微妙な特性を持つ. 外側から見ると, すべて同じに見える: 完全に見えないのである.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2014/03/mso2014030088.pdf




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