ObjectSquare [1999 年 8 月号]

[オブジェクト指向モデリング言語 UML]
   - 情報処理 VOL.40 NO.1, NO.3より -


UMLと開発プロセス

管理された繰り返し

よくオブジェクト指向はスパイラルに開発を進めるから予定通り開発を行えないという意見を聞くが,それは各繰り返しサイクルの目標がきちんと定義されていないからである.RUPでは,各繰り返しサイクルごとにリスクを減らしたい項目,実現したいユースケース,ミドルウェア等の技術的課題の優先順位を設定しマイルストーンにする.図-21に示すように各サイクルの中で分析・設計・実装・テストがそれらの目標に対して行われるのはもちろん,サイクルの最後でその成果物のユーザと開発者による評価と次のサイクル計画立案を行い適切なフィードバックがなされる.

図-21 1サイクルの構造

この管理された繰り返しによって,変化する要求に対処でき,重大リスク,重要ユースケースから片づけていくことで有効なプロジェクト運営が行える.さらに,ベースアーキテクチャが繰り返し検証されて安定し,再利用可能コンポーネントも生成されていく.


© 1999 OGIS-RI Co., Ltd.

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