[オブジェクト指向モデリング言語
UML]
- 情報処理 VOL.40 NO.1, NO.3より
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UMLと開発プロセス
カスタマイズ可能
RUPの全体は図-22に示すようにフェーズとサイクル,プロセスコンポーネントとサポートコンポーネントからなる.さらに,各プロセスコンポーネントはワークフローとして構造化されている.
図-22:
プロセスコンポーネントの構造
ワークフローは図-23に示す表記法で表す.これによって,各アクティビティのワーカの役割と担当範囲,各作業内容,その成果物およびそれに依存する次のアクティビティを指定できる.
図-23
プロセス・ワークフローの記法
たとえば,分析/設計ワークフローは図-24のように表現される.こうしたワークフロー図はアクティビティ図のステレオタイプ拡張である.アクティビティは必要に応じてより詳細なワークフロー図に分割される.
図-24:
プロセス・ワークフローの例
抽象的な作業者役割であるワーカを何人,誰に割り当てるか,各アクティビティの作業順序をどう決めるか,成果物の具体的定義,省略するアクティビティ,より詳細化するアクティビティ等を定義することで,開発プロセスをカスタマイズできる.
図-22から分かるように,RUPでは,方向付け,モデリングとアーキテクチャの推敲,構築,移行といったマクロなプロセスである「フェーズ」と,要求定義,分析・設計,実装,テスト,配置・インストール等の各「プロセスワークフロー」と,構成・変更管理,プロジェクト管理,環境・ツール整備といった「サポートワークフロー」とを直交するものとした.この結果,繰り返し開発プロセスに対して上記のようなカスタマイズが可能になったといえる.
以上簡単に見てきたことからも,RUPでは,システムを開発していく上でのWho, What, When, Howが構成的に定義され,よく管理された繰り返し開発によるリスク管理,プロジェクト管理を実現する上で不可欠なプロセスのテンプレートを提示している.
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