[オブジェクト指向モデリング言語
UML]
- 情報処理 VOL.40 NO.1, NO.3より
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UMLの拡張と今後
UMLは, Extension for Business ModelingとExtension for Objectory Process for Software Engineeringの2つの仕様により,ビジネスモデリングとオブジェクト指向開発プロセスにおいてUMLを使う際に有用な拡張をステレオタイプ機構を用いて行っている.それらに加え,リアルタイムシステムをモデリングする要素を現在のUMLに追加する提案も行われている16).たとえば,図-25に示すROOM (Real-Time Object-Oriented Modeling Language)手法では,並行なコンポーネント間のコラボレーションをより明確に表現するためにカプセル,プロトコル,ポート,コネクタと呼ばれるモデル要素を追加している.オブジェクトが演じるロールをカプセルと呼びそのロールを起動するプロトコルを実現したものがポート,カプセル間の通信をコネクタが実現する.これらの概念はUMLのステレオタイプ機能を用いて実現可能であり,UML 1.3のさらに次の版にリアルタイム拡張として取り入れられる可能性がある.
図-25 UMLのROOM仕様リアルタイム拡張例
このほか,Realtime UMLと呼ばれる試み15)やNokiaのOCTOPUSというリアルタイム組込み向け手法がUMLベースで公開されている14).
また,現在,UMLのメタモデルのインタフェースはCORBAのIDLを用いて定義されているが,モデル交換フォーマットのXMLによる定義の策定作業が始まっている.そのほかにも,ステートチャート図における各アクション記述でオブジェクト制約言語OCL10)で宣言的に書けない部分を実装言語独立に表現する擬似コード言語SMAL(State Machine Action Language)もShlaer/Mellorらから提案され,実行可能モデルの意味論としてUML1.3以降での採用が検討されている18).
UMLに関する3冊の書籍がBooch,Rumbaugh,Jacobsonの共著でUML1.3をベースにして出版されつつある(既刊は文献7),8)).
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