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追悼

追悼 河合昭男さん

有志一同
2018年9月21日

「ゼロから分かるUML超入門」や「オブジェクト指向と哲学」などのUMLやオブジェクト指向に関する多くの著作を記され、モデリング教育にも尽力された河合昭男さんが去る8月6日にお亡くなりになられました。以下に、河合さんと生前親交があった有志の追悼の言葉を謹んで掲載します。

天野 勝さん

私にオブジェクト指向をプログラミング技術だけではなく、もっと広い思考法や哲学であることを教えてくださったのが、河合さんでした。
アナパタ勉強会や、事業模型倶楽部といった、会社の枠を超えた技術者コミュニティへと導いてくれた恩人です。
コンサルティングをお願いした時も、優しく丁寧に指導していただきました。
これまでの河合さんとの関わりにおいて、感謝することしかありません。
安らかにお眠りください。

沖田 直幸さん

河合さん、これまでありがとうございました。
河合さんと初めて会ったのは約20年前でした。その頃は、パターン、モデリング、UMLの黎明期で、その可能性に期待したコミュニティを河合さん達と一緒に過ごし、社外で学ぶことの楽しさを知りました。河合さんの哲学とオブジェクト指向を交えた独自の世界観は興味深く、会話のたびに刺激をいただきました。今日、このように追悼文を掲載できる場があるのも、河合さんらが盛り上げたコミュニティがあるおかげだと思います。改めて、ありがとうございました。

近藤 修平さん

私自身、転職を機にオブジェクト指向と接する機会がなく年を経て、河合昭男さんのお名前を久しぶりにお聞きしたのがこの度の訃報であり、思いがけない知らせに大変驚いております。
河合さんとはオブジェクト指向やソフトウェア開発に関する勉強会やイベントで少なからずご一緒する機会があり、人生の先輩が、意欲的に知識を得られようとする姿を目の当たりにして大いに刺激を受けました。穏やかな表情で噛み砕くようにお話しされる姿と、納得のいかないときのズバッと切り込む姿のどちらも、今でも強く印象に残っています。
慎んでお悔やみ申し上げます。
有形無形でご指導くたさり誠にありがとうございました。

竹政 昭利さん(株式会社オージス総研)

昔から書籍の執筆やセミナーなど、モデリングの普及に尽力されていました。
特に最近は、モデリング能力のレベル低下を憂い、L2L3L4合格者の集い、UMTPホームページの改善に加え、UMLモデリング基礎講座など新しいことにも挑戦されていました。
亡くなる数日前まで、メールが飛び交っていたので、亡くなったという連絡を受けたときは、信じられない思いでいっぱいでした。

ご冥福をお祈りいたします。

照井 康真さん(株式会社アピリオ)

UMTP の部会でのお話しはいつも王道のオブジェクト指向やパターンへの愛にあふれ、とても前向きな気持ちにしていただいたことを思い出します。 「オブジェクト指向と哲学」シリーズ をいつか読破し、たくさんの質問をしたいと思っていたのですが、実現できなくなってしまったのは本当に残念です。
「オブジェクト指向では振る舞いのモデリングを忘れてはダメ」
「それぞれの観点で書かれたモデル同士のつながりに注意すべき」
といった数々の教えは、必ずや若い世代へと受け継がれているに違いません。
心からご冥福をお祈りいたします。

隠遁のアーキテクチャ指向家元 友枝ななめねこ敦さん

好きな事をヤル!と御年ウン十才での大転身、血気盛んな若造をケムに巻く?飄々としたありよう、尊敬できる愛すべき稀有なおっちゃんでした。
中でも忘れ得ぬものはObjectDay2002での作品作り。バトルもありましたが、すごく楽しかった。
河合さん、ありがとう! 衷心よりご冥福をお祈りいたします。

羽生田 栄一さん(株式会社豆蔵)

河合昭男さんと初めて会ったのは、今から20年くらい前わたしがまだオージス総研にいる頃だったかと思います。
当時、川崎で行われていたパターンの勉強会の後の懇親会でプラトンのイデア論とオブジェクト指向のクラスの関係について熱く語っておられました。わたしから入門としてはひとつの切り口としてありだが、気を付けて説明しないと誤解を生むと返して議論になったことを懐かしさとともに思い出します。
オブジェクト指向を初心者にわかりやすく伝え賛同者を増やすというエヴァンジェリストとしての活動を非常に熱心に継続的に行われ、それによってUMTP(UMLモデリング協議会)の活動を盛り立ててくれました。とくに近年は、「オブジェクトのリスポンシビリティにもとづく役割の分担とメッセージによる相互作用」の考え方の普及に情熱を傾けておられる若々しい姿を目にしていただけに非常に残念です。7/4にUML認定試験合格者の集いで言葉を交わしたのが最後になってしまいました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

福地 正美さん(Fコンサルティング)

河合さんがお話しくださった「オブジェクト指向と哲学」は、オブジェクト指向を学び始めた当時、とても興味深く、理解を深めるきっかけになりました。
河合さんはとても優しく紳士的な方でした。もうお会いできないと思うととても残念です。
勉強会や記事の執筆等、ご一緒させてくださり、本当にありがとうございました。

藤井 拓さん(株式会社オージス総研)

主としてUMTPの活動を通じて10年以上一緒に活動させて頂きました。
その活動を通じて、若輩者が使うべき言葉ではないかもしれませんが、「河合さんは硬骨漢」だと思いました。
1人でも、モデリングやオブジェクト指向に対する一貫して興味を持ち続け、モデリングを易しく解説することでより多くのモデラーを育成することに情熱を注いでこられた生き方はまさに硬骨漢としか言いようがないのではないでしょうか。
人生で何名も出会わない硬骨漢であった河合さん、ご冥福をお祈りいたします。

山内 亨和さん(株式会社オージス総研)

河合さんには2000年代に事業模型倶楽部(ビジネスモデリング勉強会コミュニティ)で大変お世話になりました。
モデリングに憧れてこの業界に入ってきた当時、畏れ多くも大先輩の河合さんに度々モデリング議論を持ちかけたこともありましたが、経験浅い私をいつも対等に扱って議論にお付き合いくださいました。思えば河合さんは、私の最も身近にいたコンサルタントの一人であり、私がコンサルタントの道を選ぶきっかけでもありました。
この数年はお会いする機会なく、久しぶりに熱くモデリング議論したくご連絡しようと思っていた矢先の訃報で、もうお会いできないと思うと寂しくてなりません。
河合さん、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

山城 明宏さん(東芝デジタルソリューションズ株式会社)

これまで、UML技術の体系化と普及を推進するNPO活動である、UMLモデリング技術推進協議会(UMTP)の部会を通して、河合さんとは長い間、共に活動させていただきました。

部会活動の一環で、河合さんが提案する新たな企画もこれから立ち上げようとされていた只中でしたので、事務局から訃報をいただいたときは、大変に驚きました。

今年7月に行われた、UMTP主催イベントの最後に行われた懇親会では、参加者からのライトニングトークを聞きながら、主催側の河合さん自らが、モデリングに対する熱い思いを語っていたことが、今でも思い起こされます。これが最後にお会いする場になってしまうとは、残念でなりません。

心からご冥福をお祈りいたします。