リーダーはドルとハートのバランスが大事

昨年 (2013年) 9 月、一般社団法人デザイン思考研究所 代表理事所長を勤めておられる柏野尊徳さんにインタビューを実施しました。本稿は先月号に掲載したインタビュー前編に続く、インタビューの後編です。
後編では、日本国内の企業に対して多くの研修やコンサルテーションを行なわれている柏野さんだからこそ言えるお話を紹介します。
なお、デザイン思考やイノベーションについて詳しく学びたい方は、デザイン思考研究所で無料公開されているテキストや動画、EnterpriseZineの柏野さんの連載記事、また、弊社の Web マガジンをお勧めします。
日本人が活躍しづらい社会になっている
藤井- 私はちょっと年寄りなんで(笑)、今の日本と30年前の日本ってかなり違ってきてると思うんです。昔だと自分自身の信念に従って自発的に考えて行動する人が多かったのに、少しずつ減ってきてる気がするんです。そういう意味で、分類の分布も時代とともに変わってきてるんじゃないかな (編集注: インタビュー前半で日本人は改善は得意な人が多いが新たなことを生み出す人は少ないという話があった)。80年代に知識創造企業みたいな話が成り立ったのも、大局的に戦略的に考える人とか、突拍子もないことを言う人がチームの中にいたことによって、いろんな製品が出てきた側面があると思うんですよね。
柏野- そうですね。長所でもあり短所でもあると思いますが、日本人は枠を守ろうとする傾向が強い。ただ、戦後はある意味ルールがなくて好き勝手やれば良かったので、井深さん(ソニー創業者)や本田さん(ホンダ創業者)も自由に活躍できた。本人の才能や努力もあったと思いますが、そういった環境要因もあったと思います。もちろん、革新的なことをする人は、既存の枠を壊す力を持っていると思います。でも、日本人は横並びを良しとする傾向があるので、枠を壊そうとする人は活躍しづらいでしょうね。

柏野- その一方で、壊すときは全部を徹底的に壊すのが日本だと思います。例えば、明治維新は国家のビジョンそのものが根本的に変わりましたよね。武士が中心だった社会を一気に変えてしまった。面白いのは、日本独自の制度を作るんじゃなくて海外の制度を組み合わせているんですよね。例えば、銀行制度は渋沢栄一がフランスに行ったことが大きなきっかけだし、法律もフランスやドイツ。義務教育といった学校の仕組みも最初はフランスで、後でアメリカ型を参考に。海外でうまくいくことがある程度立証されている「前例のある」コンセプトをうまく取り入れて融合させる。いわゆる、八百万(やおよろず)的な発想といいますか、一つ一つに価値がある。一神教みたいに一つがすごいわけではない。みんなをかき集めて価値をつくる。多神教の方が多様性という意味では個人的に利があると感じていますが、日本の場合は価値が立証されたコンセプトじゃないと採用しないし、1回採用して固定化すると、そこで安住してしまう。
柏野- 20~30年前から比べると、組織や日本社会も硬直化している気がします。それこそ年金制度とか、学校教育の基本法とか、ものによっては戦後から根本的にはあまり変わっていないものもあります。70年近く経とうとしているから社会情勢に合わせて変えなきゃおかしいはずなんですけどね。
柏野- 他の課題としては、例えば新規事業を提案しようと思ったら、将来10~1000億規模の事業になることを示すデータを一緒に出さないと承認が降りない。そういうケースはよく耳にします。誰もが納得できる「具体的な根拠」を基に発想していく思考回路なので「面白いアイデアだからやってみよう」ということにならない。役員全員が納得して意思決定できるってことは、そこに居る参加者全員が事業を理解できるってことですよね。それならもうどこかの企業がやってますよ。新しい市場を作るからイノベーションなのに、最初から市場規模を予測できるわけがない。ただ、100億の事業を作る発想自体は、組織としては合理的です。変に新しいことしてコケるよりも、規定の枠の中で実行し続ける方が効率がいい。今まではそれで成果も出ていましたしね。ただ、そういった発想自体が、今は立ち行かなくなっているということです。
竹政- 本田さんがいた頃はイノベーションの仕組みが日常的だったと思うんです。それを永続する仕組みはなかなか作れないものなんでしょうか?

柏野- 難しいですよね。それこそP&Gとか3Mとか、創業者はとっくの昔に亡くなってるけど、ちゃんと根付いている会社もあります。いかに仕組みとしてイノベーションのプロセスを根付かせるかが、これからの日本組織の課題ですね。会社がある程度大きくなって、組織制度が固まってくると「これを守らなきゃいけない」という要素がどんどん増えてくる。もちろん、法務的な部分は守るべきです。ただ、そうでない新事業に対する投資基準など、もっと柔軟性をもって運用すべき部分があります。
藤井- 会社の大きさというよりは、危機感だと思うんです。競合する強力な会社があって、そいつらに負けると会社がつぶれるかもしれないと思ったら、規模に関係なくいろんな可能性を追求しようという話になるんじゃないかなという気はするんです。
柏野- たしかに危機感はありますね。例えば、あるオフィス機器関係の会社の人と話していたら、その人はすごい危機感を持っていて「オフィスも変わらなきゃ」と未来を見据えて行動していました。でも、ある日社内で「最近iPadを使い始めたんだけど、本当に便利だよね」と同僚が言っていたみたいで。電子書籍を読んでいたそうです。つまり紙が減るってことじゃないですか。紙が減るってことはオフィス機器の使用が今より減る話にもなるわけで。ある人は「iPad便利だ」と思い、ある人は「これは危ないぞ」と。
柏野- 危機感の問題もある一方で、危機感に影響を与える規模についてもう少し触れますね。規模が小さいと、入ってくる日々の情報はリアルタイムです。社長の声を意識しなくても、毎日顔をあわせるから勝手に入ってくる。すると「危ない」ということも分かりやすい。ところが、大きくなって分業していると、会社全体が何をやってるか分からなくなる。ベンチャー企業で20人規模の会計担当の人が言ってたんです。「社長が今何をやってるか、私には理解できません」って。5、6人ぐらいならみんながどこで何をやってるか分かるけど、20人ぐらいの規模になるともう分からない。エグゼクティブの仕事は意思決定なので非常に抽象的です。傍から見て余計にわかりにくい。危機感は持ちづらいでしょうね。取りあえず仕事はあるし、給料も毎月決まった日に入ってくる。経済関係のニュースがあっても「自分とは関係ない」といったように、自分事に思えなくなってきますよね。
イノベーションには、日常業務から外れることを認める文化が大事

竹政- P&G とか 3M は大企業で、しかも長く続いているというところで、その仕組みの中でデザイン思考も含めて浸透しているんでしょうか?
柏野- そうですね、P&Gは10年近く前からデザイン思考を社内に導入してますね。また、日本の話になりますが住友3M の研究所へ見学に行ったことがあります。面白いと思ったのは、15 パーセントルールです。業務の15%は日常業務を離れて好きなことをやっていい、というルールです。ただ、聞けば 15 パーセントルールを日常的に活用している人は 2 パーセントも居ません、という話でした(笑)。ポイントは「15 パーセントの時間」じゃなくて「15 パーセントの安心感」だそうです。つまり「うちはそういうルールがある会社なんだ」「いざという時に、会社は自分たちの新しい取り組みを認めてくれるんだ」という認識ですね。こういった従業員に対する会社の姿勢ってなかなか伝わりにくいのですが、制度化することで企業文化として根付かせているように思いました。
藤井- ふと思ったんですが、P&G にしても 3M にしても労働集約的じゃなくて、物理化学検証を使ってモノ作りをデザインすると、後の製造のところは自動化できる。だからイノベーションが直接的にビジネスにつながっていく、そういう業態なのでしょうか。
柏野- 確かにそうですね。3M は化学者が実験するような感覚で技術開発もやっている。で、面白そうな技術ができたら、この技術をユーザーの生活を良くするために何かできないかって、知恵を絞る。「取りあえずこの技術売ろう」じゃなくて、ちゃんとユーザーや消費者のことが頭に入ってる。もしくは、お客さんから「こういうことで困っていて」という相談があれば「うちの技術で何とかします」という話になる。日本の企業で「世界最小」「最軽量」とか追求しているところもあるかもしれませんが、別にユーザー視点じゃないですもんね。単に今までより物理的に小さいってだけです。開発者の視点ってユーザーからみたらどうでもいいことがあります。「だから何?私の生活がどうよくなるの?」 と。
藤井- メアリー・ポッペンディークさんが 3M の出身で、彼女の著書には 3M の話が出てくるんです。以前、お話をお聞きしたときも 3M の話が出たんですが、ビジネスサイドの人と技術サイドの人が交流して連携する場があるらしいです。その辺に、シーズだけじゃなくてニーズとうまく結び付けられる仕組みがある気がします。
人物解説: メアリー・ポッペンディーク
リーンソフトウェア開発の提唱者。「リーン開発の本質」の著者の 1 人。
柏野- そうですね。どの程度機能しているかはそれぞれの制度によって違うと思いますが、技術者のモチベーションを高めたり、新しいアイデアの事業化を促進させるような社内制度がちゃんとありますね。
デザイン思考には、人間的な職場に戻す可能性を感じる
竹政- 今、デザイン思考研究所の代表理事をやってらっしゃいますが、組織をまとめることは誰かに任せているんですか?
柏野- できれば任せたいですね。例えばディズニーは、弟のウォルト・ディズニーがコンテンツを作り、資金繰りといった財務面は全部お兄さんのロイが管理した。自伝を数冊読みましたが、ウォルトは会社の財務状況を生涯把握していなかったようですね。僕もコンテンツ作りだけに専念して、会社を回すのは誰かにお願いしたいですね。

藤井- そういう話は多いですね。
柏野- やっぱり分けないとできないと思うんですよね、現実的に。本田さんも藤沢さんがいなかったら世界レベルの企業にはなっていないはずですよね。井深さんも盛田さんがいたからこそだと思います。人間的魅力という点では井深さんも盛田さんも変わらないと思いますが、外向性・社交性という意味では盛田さんでしょうね。営業だったり人脈づくりだったり。ホンダはディズニー型かな。「財務的なことは全部任せて、俺はひたすら作る。経営よろしく」みたいな。人間はそんなにたくさんできないですよ(笑)。でも「全部やれる方がいい」とか「できないことがあるのはよくない」といった雰囲気は小学校や中学校から既にありますよね。
藤井- やっぱり、イノベーション起こす人が活躍できる場がないということですよね。
柏野- そうですね、そういう人たちを評価できる人がいない。もしかしたらトップまで行けば評価してくれるかもしれないけど、直属の上司だと現場レベルの判断しかできないという話を聞きます。「部下の言っていることが新しくて理解できない。でも、本人はやる気もあるし任せてみよう」と思える上司がいないと難しいですね。
柏野- ある旧財閥系会社のエグゼクティブ向けにワークショップをやりました。会長、社長、執行役員、本部長が参加者で。そこで「イノベーションには失敗が必要です」って話をしたら、みんな怪訝な顔をするんです。後で関係者が教えてくれたんですが「あの人たちはもう 5、6 年すれば一丁上がりなので、細かいことで失敗したくないんですよ」って。でも、会社のホームページや会社案内には「新しい価値を~」とか書いてるわけですよ(笑)。
柏野- 会社のビジョンが形だけになっていて、会社の志とそこにいる人たちのキャリアがつながっていないんですね。会社が志を果たそうとしない。夢を追いかけない。会社の人事も「会社の使命を実現させるために、こんな人を育てたい」「こんな人に活躍してもらおう」という発想にならない。すると社員自身も夢を見ない。定時だから帰りましょう、新しいことをして失敗すると自分の評価に響くからやめておこうとか、そうなっちゃう。
藤井- 夢は大きい気がしますね。物理的な余裕もあるんだけど、夢によって心理的にどう捉えるかが変わるんじゃないかな。
柏野- かなり変わると思いますよ。僕もリアルタイムで本田さんを知らないですけど、本田さんが「やるぞ」って言って、夢をみんなで追いかける。すると、それが社会性を帯びた志となって事業につながる。「青臭い」とか「そんなうまくいくものか」と思う人がいるかもしれないけど、子供のような気持ちでワクワクを追求するってすごい大事だと思います。会社が単にお金をもらうためだけの場所だと、やる気も出ないし、いい提案も思い浮かばない。新しいことをやるには、気持ちの面での高揚感が必須です。

柏野- IDEO創業者 のデイヴィッド・ケリーが図で説明していたんですけど、リーダーはドルとハートのバランスを取れる人じゃないと駄目なんです。納期に合わせてアウトプットして利益を出すことも大事だけど、メンバーをモチベートしていくことも大事。IDEO では、 3~4 人のチームで3 カ月のプロジェクトを進めるんですけど、各自がプロだから意見があわなくて険悪なムードになるときがある。怒鳴り散らして殴り合いになる直前で「ちょっとパーティー行こう!」とリーダーが言う。クライアントのお金を使って遊びに行ってガス抜きをします。
柏野- 「みんなの機嫌が悪いからちょっとお客さんのお金で飲みに行こう」っていうのって、ある意味当たり前だと思うんですよね。お客さんからしたら、最終的にいい仕事、いい成果物を出してもらうためにお金払ってるので。それが「ストレスに耐えて頑張るしか無い」みたいになると、非人間的になり過ぎた労働環境になる。アメリカはある意味そう反省をしたわけですよ。MBAとか突き詰めてやるだけだと、エンロンみたいなこととか不具合も起こるし、もっと人間的なバランスを取ろうって。日本ももっと人間的になったほうがいいですね。組織制度という面でも。震災があったから変わるかなって思ったんですけど、あんまり組織は変わってない印象です。表面的なキャッチフレーズは「絆」だとかを掲げている企業もあると思いますけど。組織自体が人間中心にならないといけませんね。
藤井- そうなるためには、デザイン思考は役に立ちますか?
柏野- 僕は可能性を感じています。今日の冒頭でコミュニケーション量が増える話をしたんですけど、社会心理学で単純接触効果というのがあって。例えば写真、例えば竹政さんと全然知らない関係だったとして、竹政さんの写真を毎日見ると、なぜかこの写真の人に親近感を抱く。同じように「おはようございますって毎日言ってる関係」と、そういうことも言わない「席二つ挟んで声もかけない隣の隣の隣の人」だと、1年後の関係性は全然違う。コミュニケーションをする機会があれば、基本的には仲が良くなる。仲が良くなると信頼感が生まれる土台になる。「この人だったら話してもいいかな」「この人だったら言っても否定されないかな」というのが、だんだん見えてくるので、情報交換も盛んになる。すると夢や志を言えるような関係に近づいていく。
藤井- アジャイル開発でも似たようなことがあって。コーチングの本を読むと、最初にメンバー一人一人に自分の夢を語らせる。それで、その夢をプロジェクトで実現するためにどうしたらいいかって考える。チームビルディングのテクニックです。
柏野- デザイン思考の本質はコミュニケーション量の増大です。最初はお客さんとのコミュニケーション量を増やす。次に、自分と対話する。その後で、チームメンバーと対話し、プロトタイプをつくってまたお客さんと対話する。顧客、自己、メンバー。3者に対するコミュニケーション量をバランスよく増やせるのがデザイン思考の特徴。その意味では、企業にデザイン思考が埋め込まれることによって、会話量が単純に増えていきます。それによって、人を資源として見るんじゃなくて、生き生きとした夢もあるし悩みもあるし、面白いこともたまに言うけど、ちょっと嫌なときもある。もっと人間臭さが見えてくるはずです。すると、そこから夢を語るような人が生まれる土壌が出てくるんじゃないかな。
アイディアのヒントは旅行で得ます
藤井- 引き出しを増やすための努力をされてるんですか?
柏野- 本とか論文をひたすら読みます。1日3冊ぐらい読みたいんですけど、読めないときは1日1冊ぐらいです。
藤井- 旅行とかは?
柏野- 海外旅行は2カ月に1回ぐらいは行っています。今月はルクセンブルク、来月はイギリスで。全部勉強のためなんですけど。やっぱり異国の地でのヒントから取ってくるほうがいいアイデア出ますよね。移動距離に比例してアイデアの価値が高まりますね。
藤井- 旅行の計画っていうのは緻密に計画立てるタイプですか、それとも行き当たりばったり?

柏野- 完全に行き当たりばったりですよ。それこそ飛行機に乗る当日に、空港に向かう途中のコンビニで必要なものを買うぐらい無計画ですね。ホテルは予約することもあれば、予約をしてないこともあります。仕事の場合は当然予約するんですけど、遊びのときだと現地でフラフラして空いている宿に入りますね。日本人向けに整理された国内で手に入る情報って、得るものが少ないと思っていて。現地に行って「あそこ面白いよ」ってそこにいる人から聞くほうが、得るものがあると思っています。
柏野- イノベーションと似たようなもんかもしれませんが、今自分が持ってる評価基準から一旦外れないと、新しいことや面白いことって生まれないと思う。そういう意味では、読書もそうですね。知らないジャンルでも面白そうだったら、とりあえず買って読んでみます。
藤井- 旅行中に友だちができたりするんですか。
柏野- そうですね。小まめに連絡しないので続かないことが多いんですけど。スペインでは、相部屋だった現地の人と話が盛り上がって、そのまま飲みに行ったことがあります。そういう経験の中から、たまにヒントがありますかね。
21世紀型の大学を作りたい
藤井- 今後の課題とか方向性とかを教えてください。
柏野- 方向性としては、未来の大学、21世紀型の大学を作りたい。大学を作ろうと思ったら、300億ぐらいで作れるんです。①大学と②図書館と③学生寮、この三つがあれば学びが加速すると思っていて。①大学は、優れた先生が集まっていて、やる気のある学習者が集まる、刺激的な場所です。②図書館は、人類の叡智に気軽に触れられる場所。③学生寮は、専攻や夢はそれぞれ違っても、同じ場所に集まった切磋琢磨できる同志が集う場所。
柏野- 例えば弊社のサイトでデザイン思考の資料を無料でダウンロードできますが、それは図書館をイメージしています。規模はものすごく小さいんですけど、誰でもアクセスできてフリーに使える。ワークショップや研修もやってますが、それは大学の参加型授業ですね。デザイン思考という狭い範囲ですが、そこに関しては専門領域なのでいくらでも教えます。コンサルティングは成果の出るゼミのような感じですね。
柏野- 今ないのは学生寮なんです。参加者同士がワイワイガヤガヤと「あの先生の話は面白かった」「この本はおすすめだ」とか、そういう話ができる場所があると、学びのサイクルがうまく回ると思っていって。単に飲み会したりバーベキューをするのもいいと思います。そういうコミュニティー作りもしたいですね。課題は、今の弊社の規模では日本でデザイン思考を普及させるには力不足ということですね。これをカバーするために、社内でファシリテーションできる人を育てる養成講座、資格認定制度も始める予定です。
柏野- これからは社内でリーダーとなるような人をたくさん育てたい。弊社の事業を通じて最初は参加者だった人が、社内でリーダーという立場になる。仕組みとしては、大学生が修士、博士と進んで教授になる流れと一緒ですね。先生が教える知見、みんなが学んだ知見、学生寮でワイワイ言いながら議論したものが、図書館に全部集まって誰でも無料で見れる。そうなれば、社会の学習環境がよくなる。学習というのは新しいことを学んで実行するための準備なので、学習環境がよくなればイノベーションの数も増えると思います。だから社会のスタンダードを僕は上げていきたい。自分自身が、学んで新しい発見をして、それを実行して成果を出すのが好きだから、誰もがそういうことをできる環境を、色々な人と一緒に作っていきたい。
藤井、竹政- 本日は、貴重なお話をありがとうございました。