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モデリング

モデリングカフェ 第17回:国語辞典をモデリングする(読者解答モデル)

モデリングカフェ「Square」~UMLでモデリングを愉しもう~
オージス総研 組み込みソリューション部
田中恒
2008年7月4日

読者の皆様から、たくさんの解答モデルを頂きました。ありがとうございました。こちらのページでは、残念ながら本文で紹介することができなかった解答モデルを記載します。オブジェクトの広場 メーリングリスト等で意見交換していただければ幸いです。

目次

読者解答1:松田政博 様

  • コンセプト
    • 国語辞典は複数の語を持っている。
    • 語は見出し語を持ち、その書き表し方である表記を持つ。
    • 語は意味を持つ。その意味に対して用法が記載される。
    • ある語 A の意味が別の語 B に記載されている場合は、別の語 B を参照する。その際は、ある語 A に意味は記載されない。
    • ある語の意味に反対語があれば、反対語を参照する。
    • 品詞についてはモデルに表現していない。
  • モデル
    • クラス図
      図 1-1 松田政博 様の解答モデル - クラス図
      図 1-1 松田政博 様の解答モデル - クラス図

    • オブジェクト図
      図 1-2 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 1-2 松田政博 様の解答モデル - オブジェクト図

  • 感想
    • 難しかったところ

      辞書の構成と捉えるところ。

    • モデルについて自己評価

      手元のいくつかの辞書については共通的なところを抽出できたと思う。

読者解答2:喜多久保英美 様

  • コンセプト
    1. 国語辞典では言葉が 50 音順でソートされ、インデックスから引けるようになっている。
    2. 国語辞典には言葉毎に、表記法・意味・語源・用法が記述されている。
    3. 言葉には、同義語・類義語・反対語などがある。
    4. 書籍の国語辞典を対象とする。
  • モデル
    • クラス図
      図 2-1 喜多久保英美 様の解答モデル - クラス図
      図 2-1 喜多久保英美 様の解答モデル - クラス図

    • オブジェクト図
      図 2-2 喜多久保英美 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 2-2 喜多久保英美 様の解答モデル - オブジェクト図

  • 感想
    • 難しかったところ

      英和辞典などの他の辞典がある中で、国語辞典であることを表すのに悩みました。

    • モデルについて自己評価

      ちょっとシンプルすぎなので自信がないです。

読者解答3:Zak 様

  • コンセプト
    1. 国語辞典は用語の調査に用いられる。
    2. 用語の調査方法は、調査したい用語と一致するものを辞書に登録された用語から検索することである。
    3. 国語辞典は日本語(ひらがな、かたかな、漢字)で表記される。
    4. 五十音順で用語が記載されている。
    5. 用語には「読み方」と「意味」がある。
    6. 読み方はひらがなで記載される。
  • モデル
    • クラス図
      図 3-1 Zak 様の解答モデル - クラス図
      図 3-1 Zak 様の解答モデル - クラス図

    • オブジェクト図
      図 3-2 Zak 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 3-2 Zak 様の解答モデル - オブジェクト図

  • 感想
    • 難しかったところ

      用語の検索について、うまくモデル上で表現できませんでした。

    • モデルについて自己評価

      50 点。

読者解答4:HIRO 様

  • コンセプト

    国語辞典と、その使い方(存在意義)に着目したモデルを作成しました。

    制約として、辞典は国語辞典一種類のみとする。

    • 国語辞典には多数の用語が登録されている
    • 国語辞典は既に存在している
    • 国語辞典は調査用語に対して言葉の意味を教えるツールである
    • 言葉は、例えばあいうえお順に登録されているというルール、目次・索引・巻末等の構成ルールが存在する

      ※したがって、あいうえお順以外のルールで言葉が登録されている可能性もありうる(例:ローマ字変換後のアルファベット順)

    • 登録ルールに従い、調査する用語を辞書からマッチングして参照する
  • モデル
    • クラス図
      図 4-1 HIRO 様の解答モデル - クラス図
      図 4-1 HIRO 様の解答モデル - クラス図

    • オブジェクト図
      図 4-2 HIRO 様の解答モデル - オブジェクト図
      図 4-2 HIRO 様の解答モデル - オブジェクト図

  • 感想
    • 難しかったところ

      あいうえお順の表記を、「登録用語」クラスの自己関連?であらわすべきか、登録ルールとしてあらわせるか迷いました。 あいうえお順も「登録ルール」という概念で表現した方が、その他のルールにも適用できるので、捨てるのはもったいないと思い、一旦クラスとして表現しました。

      また、課内での勉強会で「登録用語」クラス内の属性をクラスとすべきか、属性のままにしておくべきか議論があり、どうした方が良いのか分からなくなりました。

    • モデルについて自己評価

      10 点満点中 3 点といったところでしょうか。 観点として国語辞典のみの構造に着目しなかったのはユニークかもしれませんが、これはこれであり、と思っています。 ただ、今回のモデルでは構造よりも処理に特化したクラスになった感があります。


改定履歴:見た目のレイアウトを更新しました。(2021.7)