オブジェクトの広場はオージス総研グループのエンジニアによる技術発表サイトです

オブジェクト指向

Object-Oriented Conference 2024 を楽しもう

オブジェクトの広場編集員のおすすめ記事ご紹介
オージス総研
オブジェクトの広場編集員
2024年2月21日

Object-Oriented Conference 2024 (オブジェクト指向カンファレンス)が2024年3月24日(日)に開催されます。オブジェクト指向技術を発信する場から始まった「オブジェクトの広場」も、イベントを楽しみに待ちたいという気持ちを乗せて、歴代編集員がオブジェクト指向に関するおすすめ記事を紹介します。皆さんの興味に合う記事はあるでしょうか。

はじめに

Object-Oriented Conference は、オブジェクト指向をテーマにした国内唯一のITカンファレンスです。アーキテクチャや分析設計をはじめ、現場で活かすためのプラクティスなど様々なテーマが扱われます。

そんな Object-Oriented Conference を楽しむ準備をしたいというのが本記事の趣旨。

「オブジェクトの広場」をさかのぼると、オブジェクト指向に関する記事が多く存在します。本記事では、歴代のオブジェクトの広場編集員に聞いた、今現場にいる方々に読んでいただきたいオブジェクト指向に関する記事をご紹介します。

掲載当時を知る方も、そうでない方も、気になる記事があればぜひご覧ください。
※ 記事によってはレイアウトが古いものがございます。ご了承ください m(__)m

感想やコメントは、ぜひ公式Facebookページのコメント欄までお気軽にお寄せください。

歴代編集員がおすすめするのはこんな記事

単一責任の原則(Single responsibility principle)について、もう一度考える

オブジェクト指向には、いくつかの原理原則があります。その中でも、単一責任の原則 ( Single Responsibility Principle ) は、基本的かつ重要な原則です。しかし、単一責任の原則は、一般には1~2行で簡単に説明されていて、それをさらっと読んで理解しているつもりになっているのではないでしょうか。

この菅野さんの記事は、その重要性の理解のため、じっくり考えるきっかけを与えてくれる点でとても良いと思います。
(竹政 昭利)

オブジェクト指向設計帖

20年以上の前の記事ですが、今でも変わらず大事なことがまとまっているため、ときどき読み返したり、一緒に仕事をする人に読んでもらったりしています。設計とは何ぞや~設計で図解することのメリットがコンパクトにまとめられています。設計初心者の方におすすめ!
(SR)

実践ロバストネス分析

2000年代前半に書かれた記事です(いや私が書いたんですけどね…)。

当時の背景を振り返ると、90年代から2000年代初頭、オブジェクト指向がエンタプライズシステムの開発に浸透していく過程の頃、プログラミング言語におけるクラスよりも大きな粒度で再利用性や保守性が高いモジュールを設計するようにしようということで(だいぶ雑ですが)、コンポーネント指向という考え方がありました。

そして、再利用性や保守性が高い粒度・境界をどうやって見つけようか、その道しるべをソフトウェアエンジニアが必要としていた頃に、ちょうど世に広まったのがロバストネス分析でした。

ユースケースシナリオでソフトウェアの構造・責務を分析設計するときに、データの単位であるエンティティだけでなく、処理の単位であるコントロールに着目し、処理内容の類似性からコントロールの粒度・境界を見極める使い方です。

この記事は2回で終わっていますが、幻の3回を予定していましたが、案件で多忙で断筆してしまいました。当時、次号を待っていた皆さん申し訳ございません(懺悔)。ちなみに、開発対象システムのアーキテクチャ・フレームワークの特性を踏まえた、ソリューションドメイン独自のロバストネス分析のモデルを作るといいですよ、というものだったんです。
(山内 亨和)

アナリシスパターンを読もう

いまでもたまに読み返すページです。

DDDが話題になることが多いですが、名前に反して設計・実装がメインになってしまうことが多く、肝心のモデリングの中身については意外に話題になりません。実はモデリング自体はロストテクノロジー気味になっている昨今です。

この記事で紹介しているアナリシスパターン本はそんなモデリングのうちもっとも抽象的な概念モデルのパターン集です。この本の中心的なコンセプトとなる「概念モデルの型を複数のレベルにレイヤ化することによってシステムを変化に適応させる」はコンピュータシステムの本質でもありどのドメインでも使えるものです。

ただし、この本のモデルをそのまんま実装にもってくのはおすすめしません!
(yojik)

オブジェクト指向は本当に「オブジェクト」指向か?

よくオブジェクト指向の説明で「現実世界をそのまま表現できる」といった説明を見聞きすることがあるのですが「そんな訳ないやん」という思いが拭えないタイプの人間です。同じようなタイプの方には勿論のこと、なにかとクラスの抽出が難しいと感じている方に是非とも一読してもらいたい記事です。

随分と昔の記事ですが今でも「その通りだな」と思っています。
(くま)

CRCカードでチームが協働して設計する

みなさんはどうやってオブジェクト設計(納得感のあるオブジェクトを導出)していますか?

CRCカードは、責務(レスポンシビリティ)に注目してみんなでロールプレイングすることで、みんなの共通理解が得られるオブジェクト設計ができる、楽しいワークショップです。チームでワイワイやってみると楽しいですよ♪
(ひで)

非機能要求と ISO9126 ~非機能要求抽出のための Tips とパターン~

オブジェクト指向(それ以外でも)で考える上で品質の話は避けて通れません。ユーザと対話を通じて現状や課題(まさにドメイン!)をモデリングする時、観点として抜け漏れがないか、要求とは?非機能要求とは?また、それらをどのようにプロセスとして定義するか、私が読み返す原点です。
(原田 巌)

OO厨厨トレイン ~2007年 オブジェクト倶楽部クリスマスイベント 講演資料~

時代は廻る。

当時「先人達の議論や知見がうまく継承されていない状況」を動機として、過去を振り返り自分達の立ち位置を確かめたこの企画。既に15年以上前の記事ですが、オブジェクト指向をダイジェストで追いかけたこの記事の価値は失われていないと感じます。

マルチパラダイムの言語、クラウド、メニーCPUやメニーコアCPUが当たり前の今、当時の近未来予測はなかなかのものではないでしょうか。

ちなみに当時は電王の時代でした。
(田中 恒)

OOエンジニアの輪!

さまざまな技術者とのインタビュー記事です。インタビューを受けた技術者が次の方を紹介するという企画がおもしろいと、当時、楽しみに読んでいたことを思い出します。

インタビューでは技術の話はもちろんのこと、オブジェクト指向との出会いやプログラミングを始めたきっかけなど人生をさかのぼって話していただく深い内容もあってとても興味深いです。インタビュー後半で話していただく若い技術者へのメッセージは20年近く経った今の時代にも通じるものだなと思いました。
(き)

Booch特集 <1998.12.7>

この当時に思い浮かべた遥か遠い未来には辿り着いてないものの、一部は現実になったなぁ…などと感慨深いものがあります。
(当時の新入社員)

お知らせ

オブジェクトの広場編集員でもあるオージス総研エンジニアが Object-Oriented Conference 2024 に登壇します。

オージス総研のエンジニア3名がおすすめする現場で役立った本と活用した内容・勝手にビブリオバトル」というタイトルで熱く語り合う予定です。どうぞお楽しみに!