広場のたまり場
アーキテクチャ設計について他人と意見を交わしたり、説明をするときに、皆さんはどんな図を描いて伝えていますか。私は以前はUMLかポンチ絵を多用していましたが、最近はArchimateを使うようになりました。本稿では私のお気に入りのアーキテクチャモデリング言語、Archimateをご紹介します。ArchimateはUMLと同じように図表現のモデリング言語です。Archimateはビジネスアーキテクチャ、アプリケーションアーキテクチャ、テクノロジーアーキテクチャを表現できるように出来ています。
まずはモデル例をご覧ください
初めにビジネスアーキテクチャの例です。製造業をイメージして、社外のステークホルダーと社内のサプライチェーンを表現したものです。
次はアプリケーションアーキテクチャの例になります。いわゆるコンポーネント図のようなモデルですが、全社レベルでシステム間のデータフローを表現しています。
最後にテクノロジアーキテクチャの例を紹介しましょう。拠点、コンピューティングリソース、ネットワーク、ユーザーの関係を説明しています。
Archimateのどこが素敵かというと...
例からもうかがい知れると思いますが、Archimateはアーキテクチャ表現に適した次のような特徴を有しています。
- アーキテクチャ表現に使える要素が豊富
Archimateではアーキテクチに関わる要素が豊富に用意されています。
ビジネスアーキテクチャなら、ビジネスアクター、ビジネス機能、ビジネスオブジェクト、製品、契約など。
アプリケーションアーキテクチャならアプリケーションコンポーネント、アプリケーション機能、データオブジェクトなど。
テクノロジーアーキテクチャならデバイス、システムソフトウェア、ネットワーク、アーティファクト、ロケーションなど。 - アーキテクチャ表現に使える線が豊富
Archimateではアーキテクチャのモデルの中に描きたい線(矢印)が豊富に用意されています。
UMLの関連・集約・コンポジション・実現は当然として、データアクセスやデータフローを示す線などもあります。 - 様々なビューポイントが用意されている
Archimateではアーキテクチャ表現で良く使うビューポイントが予め定義されています。
今回取り上げた1つ目の例はビジネスファンクションビューポイント、2つ目の例はアプリケーション連携ビューポイント、3つ目の例はインフラストラクチャビューポイント。
他にもたくさんビューポイントがありますが、当然ながら必ずしも定義済みのビューポイントを使わなければいけない訳ではありません。 - EAとの親和性が高い
Archimateは標準化団体であるThe Open Groupが定義したものです。
The Open GroupといえばTOGAFです(いやUNIXでしょ!という方ごめんなさい)。TOGAFはEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)のフレームワークですね(その名もthe open group architecture frameworkですから)。
Archimateは、TOGAFのエンタープライズアーキテクチャプロセスをサポートしています。Archimateでは上記で紹介した3アーキテクチャのモデルの他に動機モデルや移行モデルが定義されていて、モデル間の関係も描けるようになっています。
Archimateを使ってみようと思った方には...
Archiをお勧めします。
ArchiはArchimate専用のモデリングツールです。フリー版もあります。
描ける要素数で制限されますが、アーキテクチャのモデリングなので困ることはほとんどないでしょう。
それでは本日はこの辺で...