新年あけましておめでとうございます。毎年、年末は流行語が話題になりますが、みなさんはどんな流行語が気になりましたか? 私は「ふなっしー」が気になりました。何とも言えない独特の芸風が気に入っています。
さて、今回のコラムではUXという言葉を流行の観点でみていきたいと思います。流行語の意味について、手元にある辞書(国語大辞典© 小学館 1988)には「ある一時期に、多くの人々の間で興味をもって盛んに使用される単語や句。はやりことば。」とあります。世間で流行する言葉はこの定義に該当すると思います。IT業界の場合はどうでしょうか?昨年はDevOpsやビッグデータなどが脚光を浴びました。IT業界の場合は、海外発祥のIT用語(以前から存在する言葉を含む)がビジネスニーズの高まりとともに脚光を浴びるケースが多いと思います。
UXという言葉も数年前に脚光を浴び、メディアでよく登場しましたが、最近はその頻度も減りました。表面的には流行が去ったという見方になってしまうかもしれません。しかし、製品やサービスの価値基準が「機能の豊富さや価格など」から「ユーザー体験」にシフトしており、その意識は着実に浸透しつつあります。こういった本質的な変化に着目すると、UXという言葉は世間に浸透して、定着期に入ったという表現が適切ではないかと思います。
では、ビジネスの現場ではどうでしょうか?私の周りではUXを重視するプロジェクトは徐々に増えています。例えば、メーカー様案件や、Smartphoneやタブレットを端末として使用する案件などはUXを重要視していることを実感しました。コンシューマ向けの製品やサービスでは、以前からUXの重要性は浸透していたと思いますが、企業向けの製品やサービスでUXが重視されはじめたのは大きな変化ではないでしょうか。
最近では、UXに代わり、CXという言葉が脚光を浴びています。CXと聞いてテレビ局を思いつく人は業界人っぽいですが、ここで言うCXは「Customer Experience」で「顧客経験価値」と訳されます。CXについては別の機会に記述したいと思いますが、重要なのは「顧客の立場に立ち、顧客の主観的満足度を価値の基準としている」という点です。UXもCXも「ユーザー体験」を重要視している点が、最も重要なポイントだと思います。
流行語は、脚光を浴びて消えていき、新たな言葉が次々と登場していきますが、それらの言葉の底流にある本質的なものを見極めることが重要なのではないかと私自身は考えています。これからもUXについて、気ままにコラムを記述していきたいと思いますので、今年もよろしくお願いいたします。さて、「ふなっしー」はこれからどうなっていくのでしょうか。今年もしばらく勢いは続きそうで楽しみです。