事例

システム監視ツールのコスト削減の事例・システム構築例(株式会社デンソーITソリューションズ様(現 株式会社デンソー様))

大手商用監視ツールを導入していたが、ライセンス費用の増大によりオープンソース化を検討。選択したのは「Zabbix2.0」

デンソーITソリューションズ様はデンソーグループのIT子会社としてシステム保守・運用を担っておられます。増え続けるライセンス費用の削減と同時に、既存のツールと同等の機能や使用感を実現されるため、オープンソースiを徹底的に使いこなすことでシステム監視体制を再編されています。

業種:製造

https://www.denso.com/jp/ja/(外部サイト)

導入背景

オープンソース化によるライセンスコストの削減が大きな課題

デンソーITソリューションズ様では約1,000台の物理・仮想サーバを大手商用監視ツールを使い監視されていました。監視対象となるシステムが増加するにつれ、ツールのライセンス費用が増大し、そのコスト削減が大きな課題となっておられました。しかし、運用管理者に馴染んだツールの変更は思わぬリスクを誘発する可能性もあり対応に苦慮しておられました。

そんな中で一つの対応策として浮上したのが、従来からの運用手順の変更を最小化するため柔軟なカスタマイズが可能なオープンソースを採用し、同時にライセンスコストの大幅な削減を目指すという選択でした。

導入ポイント

連携機能を持つZabbix2.0を利用し総合的な監視システムを考案

候補となるオープンソースには監視分野で幅広い導入実績を持つ「Zabbix」を選択され、具体的な検証に入られました。「Zabbix1.8」の検証を進められましたがZabbix単体での使用は専門知識が必要であり、現在の運用と大きく異なるため、オペレータ運用の煩雑性を考慮し一旦は断念されました。

そんな中、「Zabbix2.0」はZabbix API(連携機能)が追加されるとの情報を受け、同社はこの連携機能を利用した独自インターフェースを開発することにより総合的な監視システムが構築できる可能性があると判断されました。そこで、「Zabbix2.0」で先駆的な大規模環境での実績・ノウハウをもつ当社に構築の支援を依頼いただきました。

オージス総研は、顧客のニーズに合わせた独自開発システムとの連携の仕方や将来の増加に対応できるマネージャ機の設計、監視パラメータ設計や、Zabbix監視運用のポリシー決めに至るまでデンソーITソリューションズ様を支援させていただき、同社のZabbix2.0の導入に大きく貢献させていただきました。

導入効果

既存ツールと同等の機能や操作性を実現し、オペレータの負担軽減

Zabbix2.0を採用した総合的な監視システムを構築することで、新規で導入するサーバに対してライセンス費用が不要となり、ライセンス購入費用の削減が実現できました。また、デンソーITソリューションズ様がインターフェースを独自に開発されたことにより、より良い操作性を考えたオペレータの改善要望を取り入れることができ、一部の機能で従来の監視ツールと比べ操作性が向上し、オペレータの負担を軽減する仕組みを実現されました。

今後について

小規模構成で得たノウハウをベースに大規模展開にむけて着々と推進中

デンソーITソリューションズ様が運用を担うサーバは、物理、仮想あわせて約1,000台におよびます。監視メニューについてはpingだけを監視しているものから、リソース・プロセス・ログ監視として70~400項目/台程度監視しているものまであります。

最終的な目標は既存の商用監視ツールを完全にZabbixに置き換えることで、それに向けて着実に推進されています。監視対象のOSに関してはWindows・AIX・Linuxなどで実施されていますが、今後はHP-UX・Solarisなどにも広げていかれる予定です。将来は2,000台~3,000台を想定した大規模環境での運用に対応できる監視システムの構築をすすめられるご予定です。

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