事例

API公開支援ソリューション導入事例 株式会社インテリジェンス様(現 パーソルキャリア株式会社様)

アルバイト求人情報サービス「an」の法人顧客向けサービス向上のために
「API公開支援ソリューション」を採用

パーソルグループの一員として、「人と組織の成長創造インフラへ」というグループビジョンを掲げる株式会社インテリジェンス。同社は、求人メディアの運営や人材紹介、人事コンサルティングなどのサービスを展開しています。

数あるサービスの中でも、アルバイト求人情報サービス「an」は、1967年にアルバイトニュース速報として創刊(2017年に50周年)され、現在も若年層を中心に高い認知を誇るアルバイト求人情報ブランド。

同社は、この「an」を利用する法人顧客の利便性を向上させるために、オージス総研のAPI公開支援ソリューションを採用し、求人広告メディアサイト(応募者管理サービス(WEBBOX))とコミュニケーションアプリ側のATS(採用管理システム)の連携を可能にしました。

業種:総合人材サービス

https://www.persol-career.co.jp/(外部サイト)

導入前の課題

法人顧客満足度を向上させるためにWebサービス間のデータ連携が必須

株式会社インテリジェンスが運営するアルバイト求人情報サービス「an」は、50年以上の実績を持つ圧倒的なブランド力と信頼感で、アルバイト・パートを探す幅広いユーザーに利用されています。「an」の求人情報は、スマートフォン、PCなどの各種メディアへ同時に掲載され、スマートフォン時代の仕事探しニーズにも対応しています。

中でも、株式会社インテリジェンスとLINE株式会社が共同リリースしたアルバイト求人情報サービス「LINEバイト」(ラインバイト)は、「an」に公開した最新の求人情報が自動配信され、求人募集を依頼する法人顧客には、高い利便性を提供しています。 anとLINEバイトにより、多くのアルバイト・パート応募者にアプローチできるようになり、同社の事業は堅調に伸びてきました。

その一方で、求人募集を依頼する法人顧客に向けては、さらなるサービスの向上を実現するために、解決しなければならない課題がありました。その取り組みについて、同社のWorksディビジョン 業務IT企画統括部 WorksBITA部 基幹BITAグループの山下秀治マネジャーは、次のように話します。

「anとLINEバイトは、それぞれ個別にサービスの拡充を図ってきました。しかし、同時に法人顧客の使い勝手をさらに向上させるための改善も求められていました。例えば、an、LINEバイトどちらの応募者管理サービス操作画面からも、法人顧客がアルバイトなどの応募状況を一括して確認し操作できるようにするなどです。PCやスマートフォンなどメディアごとに異なる確認方法を提供していると、複数のATS(採用管理システム)が混在してきた時に、法人顧客の利便性を損なう心配があったのです」

一般的に、異なるWebサービスやスマートフォンのアプリによるサービスでは、システムごとに独立した運営サーバーが用意され、同一の応募者データが分かれて保管されます。そのため、求人の応募状況に限らず、複数のWebサービスを利用する顧客は、それぞれのアプリを操作する必要があります。「こうした問題を解決するためには、どのようなアーキテクチャがあるのか、2015年の年初から検討を開始しました。セミナーやイベントなどに参加して、具体的に解決している事例などを探したのです」と山下氏は、振り返ります。

選定の経緯と理由

将来性や発展性を考慮してAPI公開によるデータ連携を採用

複数のWebサービス間でのデータ連携を実現する方法を模索していた山下氏は、GartnerやAWS(アマゾンウェブサービス)関連のイベントで、API公開による解決の可能性を実感します。「具体的な検討を開始するよりも以前から、構想としては anがより多くのAPIを提供していくことで、データそのものをがちがちにつなぎこまなくても、他のシステムとゆるやかに連携できるのではないかと考えていました。公開のAPIを提供することで、将来的には一般のエンジニアにもよりよいサービスを独自に作ってもらえると思ったのです。しかし、実現するためにはAPIの開発だけではなく、それを公開する方法も社内では課題となっていました」とAPI公開に向けた検討と問題点を山下氏は、整理します。

anのAPI公開が、LINEバイトとのデータ連携にとって理想的な解決方法だと認識しはじめた頃に、山下氏はオージス総研の営業担当者と会話をする機会を得ました。その時に、オージス総研の『API公開支援ソリューション』を知りました。

「オージス総研の『API公開支援ソリューション』の提案が良かったのは、クラウドで実現できる点にありました。コストを最小限にできる仕組みになっていただけではなく、API公開で重要なセキュリティに関しても、しっかりと考えられていて、社内のポリシー基準をクリアするシステムを構築してもらえると評価しました」と山下氏は、選定の理由を話します。

導入の成果

新しい技術に取り組む社風と制度が連携し実質2ヶ月でAPI公開を実現

「2016年6月にオージス総研からの提案を受けて、採用が決定したのは10月でした。プロジェクトのスタートは11月で、APIを公開したのが2017年1月です。期間としては3ヶ月でしたが、実質的な作業工数は2ヶ月という短期間で、2本のAPI公開を実現しました」と山下氏は、導入の経緯を説明します。

短い期間でAPIを開発できたのは、オージス総研のノウハウを詰め込んだAPI開発スタックを利用した成果になります。API開発スタックは、REST API作成に必要なさまざまな機能を持っており、素早いAPI公開やスモールスタートを実現します。

今回のAPI公開は、社内的にも新しい取り組みであると評価され、認可されました。「オージス総研には、APIの開発から公開までをサポートしていただきました。おそらく、外部の製品を採用していたら、今回の5倍以上のコストがかかっていたでしょう。コスト面でも開発期間の面でも、とても満足する結果が得られました」と山下氏は、構築されたAPI公開を評価します。

公開された2本のAPIは、an内に今回構築したAPIサーバーからAWS Direct Connectを利用し、API Gatewayを介して外部のLINEバイトやATS(採用管理システム)とのデータ連携を実現します。API公開によって複数のATSとのデータ連携が可能になり、anの法人顧客はどの管理アプリからも、複数システムの情報を一元的に操作できるようになります。

今後の展望

API公開による新たなビジネス創造と先進的な技術の提案に期待

山下氏と一緒にシステムの構築に携わった同基幹BITA グループの溝口氏は、オージス総研に対して次のような期待を寄せます。「当社には法人顧客向けのサービスが複数あるので、そうしたサービスのユーザビリティ向上などのために、技術力を活かした新しい取り組みなどを積極的に提案してもらいたいと思っています」

また、日頃、システムの維持管理を担当しており、既存システムの有識者として本プロジェクトの開発メンバーとして参画していた、株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズの田崎氏も次のような期待を寄せています。「弊社もAWSの導入が進んでおり、新しい技術の導入にあたっては障壁にぶつかることが多々ありますが、開発時に課題が出た際も実現可能なソリューションをオージス総研と一緒に検討・さまざまなご提案をいただけたのでスムーズに導入できました。今後も協業してよりよい提案・サービスを作っていきたいと思います」

API公開による今後のビジネスの可能性について、山下氏は「API公開は、データ連携だけではなく、新たなサービスやビジネスを創造していく上でも、重要な鍵を握ると思います。今後もサービスの拡充に合わせて、必要になるAPI公開があれば、ご支援いただきたいと考えています。また、我々が考えているビジネスについても、どのような先進技術を導入すれば解決できるのか、そういう提案もどんどんいただきたいと期待しています」と語ります。

プロジェクトメンバー
株式会社インテリジェンス 溝口氏(中央)
株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズ 田崎氏(右)
株式会社オージス総研 斎藤(左)

*記載されている会社名、商品名は、各社の登録商標または商標です。
*記載されている情報は、2017年3月取材時のものです。
*本文中に記載されている事項は、予告なく変更することがあります。