事例

API公開支援ソリューション導入事例 株式会社NTTデータ・スマートソーシング様

高付加価値BPOサービス構築のために「API公開支援ソリューション」を採用
交通系ICカードと経費精算SaaSの自動連携を実現

IT(ソリューション型BPO)と人(マネジメント型BPO)を融合させた"スマートソーシング"を提供する株式会社NTTデータ・スマートソーシング。

「提案力」「改善力」「技術力」で顧客企業の事業プロセスの最適化と事業価値の最大化に貢献することをミッションとしています。

同社では、新たな顧客企業の獲得や既存の顧客の満足度を高めるために、クラウド型経費精算システムのConcur Expense(コンカーエクスペンス)に、交通系ICカードを読み取るサービスの追加を計画しました。

そして、タブレット端末を活用したNFC読み込みアプリと、Concur ExpenseとのAPI連携システムの開発パートナーとして、オージス総研を選択しました。

業種:情報サービス

http://www.nttdata-smart.co.jp/(外部サイト)

導入前の課題

経費精算システムの使い勝手を向上させるために、交通系ICカードのNFC読み取りとConcur ExpenseとのAPI連携が必須だった

株式会社NTTデータ・スマートソーシングのITO事業本部デジタル営業推進部ビジネスインテリジェンス担当の岩沢昌担当部長は、クラウド型経費精算システムのConcur Expense(コンカーエクスペンス)に、交通系ICカードを読み取るサービスを追加しようと計画した背景について、次のように話します。「当社は、2015年4月に日本初のコンカーのBPOパートナーになりました。そのソリューションを我々のお客様に提案するにあたって、交通系ICカードの読み取りとクラウドへのデータ転送を自動化できれば、経理部門の負担を大幅に削減できるだけではなく、月末に交通費を精算する現場の方々も、業務の軽減につながると考えたのです」

同社の主力事業は、あらゆる業界に対応した事務処理などのアウトソーシングサービス。ITと人を融合したスマートソーシングが特長で、最先端のテクノロジーを活用し、サービス品質の向上や作業の効率化を実現している。コンカーBPOパートナーとしても、日本の顧客企業に求められるサービスをITで実現するために、交通系ICカード対応を推進してきました。しかし「2015年の夏頃から検討を開始したのですが、その時点で開発の実現性を相談していたシステム開発会社には、Concur APIを正しく理解していない、という懸念がありました」と岩沢氏は、振り返ります。

選定の経緯と理由

コンカー社の推奨を受けてオージス総研の開発力と価格競争力を評価

開発経験もある岩沢氏は、協力会社のエンジニアがクラウド間でのデータ連携に関する知見に乏しく、そのままの開発体制で交通系ICカード対応を推進していくことに憂慮していました。そこで「クラウドやWeb APIの知見があり、Concur Expenseのアーキテクチャも理解しているシステム開発会社がないか、コンカー社に相談したところ、オージス総研を紹介してもらいました」と選択のきっかけに触れます。「はじめての取引だったので、まずはオージス総研の技術力を我々で評価する必要がありました。当初は、クラウド連携の部分だけを開発してもらう予定だったので、先ずはこちらで考えているWeb APIの利用方法について相談したところ、想定以上の解決策を提案していただきました。また、開発費用の面でもコストパフォーマンスに優れていたので、正式に依頼しました」と岩沢氏は、話します。

岩沢氏がオージス総研の技術力を評価した部分は、主にセキュリティ対策にありました。タブレットで読み取った交通系ICカード情報を連携させるためのConcur APIの認証方式はいくつかあるのですが、オージス総研のエンジニアは、岩沢氏も知らなかったより安全な認証方式での連携を提案しました。

また、実際の開発にあたっては、セキュリティ面の強化としてAWS(アマゾンウェブサービス)上に構築したAPI連携基盤を活用して安全な仕組みを構築しました。さらに「クラウド連携の開発を検討していく過程で、オージス総研ではAndroidタブレット用のアプリも開発できると知り、当初の計画を変更して、全て任せることにしました」と岩沢氏。

導入後の効果

交通系ICカード読み取り・経費精算S a aS自動連携サービス(D.touch)の提供を実現

2016年の11月から開発に着手したオージス総研では、約4ヶ月の短期間でConcur Expenseへの交通系ICカード読み取り自動連携サービス(D.touch)の提供を実現しました。このサービスの実現により、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードをタブレット端末にかざすだけで、蓄積された利用実績データをConcur Expenseに自動的にインポートできるようになりました。

開発されたシステムは、図のようにAPI連携基盤となる中間サーバーを構築し、必要なWeb APIを作成しました。エンドユーザーが、タブレット端末のアプリに交通系ICを読み取らせると、そのデータがAPI連携基盤に送信されます。API連携基盤では、Concur APIを利用し、ICカードの利用履歴をConcur Expenseへ送信します。

また、サービスを運用しているオペレーターは、管理画面でユーザーの管理等を行うことができます。API連携基盤は、環境の構築を自動化するためにAWS CloudFormationを利用しており、短期間での環境構築と容易なデプロイ、そして柔軟なスケーリングを実現しています。

岩沢氏は、「このソリューションにより、スピーディーな経費精算と、経費入力の間違いや改ざんを排除できます。また、Concur Expenseに自動連携する交通系ICカード読み取りサービス(D.touch)に注目してもらうことで、当社の付加価値をお客様にアピールしやすくなります。さらに、将来的には企業の出張や経費精算に関する全ての業務を当社にフルアウトソーシングしていただくことで、経費チェックなどの事務処理に必要となる人的な稼働を大幅に削減していただけるようになります」と説明します。

構築されたシステムにより、タブレット端末に交通系ICカードをタッチするだけで、利用区間と運賃、日付の情報がConcur Expenseに自動的に取り込まれるので、ビジネスマンにとって付加価値を全く生まない経費精算という作業の無駄な時間を削減できるようになりました。

今後の展望

オージス総研の技術力を信頼し、iOS対応のD.touchアプリ開発にも取り組む

「今後は、iOS対応に取り組んでいきたいと考えています。交通系IC カード利用の期待感は大きいため、iOS対応を実現し、より多くのお客様に、当社の提供するConcur+BPO『クラウド型 出張・経費管理BPO サービス』をご利用いただきたいと考えております。また、Concur API やクラウド技術の進化は早く、その変化へ素早く対応し、お客様へサービス提供をしていくために、オージス総研の継続的な運用・開発支援に期待しています」と岩沢氏は、今後に向けた展望を語ります。

株式会社NTTデータ・スマートソーシング
ITO事業本部 デジタル営業推進部
岩沢昌 氏

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*記載されている情報は、2017年8月取材時のものです。
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