事例

ID管理・シングルサインオン導入事例
大阪ガス株式会社様

ユーザー数約2万人、約400システムが連携する大規模向け商用認証基盤ソフトウェアからのリプレース。約50%のコストダウンを実現。

大阪ガスでは、2009年8月に、既存のシングルサインオンシステム(ユーザー数約2万人、約400のWebアプリケーションが接続)をオープンソース・ソフトウェア(OSS)を活用したThemiStruct-WAMに移行。
既存のシングルサインオンシステムが提供する機能を置き換えつつ、コスト、運用における課題を解消しました。

導入背景

年々積み重なるコストと運用の負担が課題

これまで、大阪ガスにおけるシングルサインオン(以降、SSO)環境は商用パッケージで構築されていましたが、利用が進む中でSSO対象のシステムが増えと、その都度ライセンスや保守の追加購入が必要となっていました。
特に、同社のお客様向けに提供している登録制の情報サイト「マイ大阪ガス」では、年々、利用者数が増加しており、ユーザー数に対して発生するライセンス負担が増大することが課題となっていました。

またパッケージの制約によりSSO連携が行えないアプリケーションが存在することも問題となっていました。
SSO連携が行えないシステムは個別に認証管理が必要になり、また逆に、SSO連携できているアプリケーションも、標準化されているアプリケーションサーバ環境のバージョンアップを行った途端にパッケージのサポート対象外になるなど、長期的な運用においてさまざまな影響が発生していました。
この問題を解決するために、SSO環境を構成するパッケージのバージョンアップを行おうとすると、認証管理に関わる周辺のコンポーネント(ID管理やLDAPなど)との依存関係から、周辺の環境まで同時にバージョンアップする必要があり、非常に膨大なコストと期間を要することが判明しました。

こうした商用パッケージのロックイン構造のスパイラルから抜け出すことが急務となっていました。

商用パッケージのロックイン構造のスパイラル

導入ポイント

コストダウンと長期的な利用への期待

ThemiStruct-WAMを採用した最大の要因は、オープンソース・ソフトウェア(以降、OSS)であるOpenAMをベースとしており、ユーザー数やシステム数に依存してライセンス・保守などの費用が発生しないため、大幅なコスト削減が期待できることにありました。
またOSSのサポート体制をオージス総研内に充実させたことで、同一バージョンの環境を長期間の利用が可能となりました。
更に、ソースが公開されている特性を活かし、これまで対応できなかったシステムも、独自開発することでSSO連携を実現させることができるため、これまでの問題を大幅に改善できることが期待できました。

導入効果

コストダウンと信頼性の向上

導入後の効果として、大きく2つのポイントを挙げられています。

・5年間で50%のコスト削減
OSSに移行することで、これまでユーザー数に応じて発生していたライセンス・保守に関わる費用が削減されたことで、ベース費用はもとより、年々ユーザー数が増加傾向にある「マイ大阪ガス」のようなシステムにおいても、利用者数を気にすることなく運用することができるようになりました。

・システム運用の大幅改善
これまで未対応だったシステムまでSSO連携を拡大できたことで、個別に管理が必要だったものも、統合的な管理が実現でき、運用負担が軽減されました。また、システムの運用時に発生する障害に関しても、これまでソフトウェアに起因する障害の60%が、パッケージの制約により原因究明できていなかったが、OSS活用によりソースレベルまで分析が可能なため、とことん原因を追究でき、長期利用に対する信頼性も向上させることができました。

ThemiStruct-WAM導入概要図

※記事は2010年3月時点のもの
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