事例

金融分野におけるチャレンジ

金融機関における業務の効率化や金融システム・サービスの高度化を目指した、オージス総研の取り組みをご紹介します。

Case File 01 金融関連企業様 基幹システム再構築プロジェクトへのアジャイル適用

Case File 0102

アジャイル開発により、コストと納期の厳しい制約下でもビジネス効果の高いシステムを実現。

要件定義フェーズでスコープが肥大化した状況下において、限られた期間とコストで最大のパフォーマンスを出すためアジャイル開発を導入。短いサイクルのリリースを通して、お客様は早い段階で動くシステムを見ながら仕様確認ができ、有効な機能へと改善を重ねられたシステムの納期内のリリースを実現しました。

背景
要件定義でスコープが肥大化、限られた予算で最大の価値を提供すべく、アジャイルへの開発プロセスの切り替えを提案

某金融機関様の基幹システムの刷新計画において、基本構想フェーズから参画。当初、ウォーターフォール型開発を計画し要件定義を開始しましたが、その時点で既にスコープが肥大化している状況にあり、このままではコストが超過しスケジュールも遅延する恐れがありました。そこで、限られた予算で最大の価値を提供できるようにアジャイルへの開発プロセスの切り替えをご提案し、開発をスタートさせました。

【プロジェクト概要】2週間の反復で重要な機能から小刻みに開発し、終盤は検証に集中し品質を確保

アジャイル開発手法であるスクラムを適用し、開発期間を15回のスプリント(設計・実装・テストの反復)に分割し、2週間毎にリリースを繰り返していきました。序盤のスプリントに重要度の高い機能を割り当て着手。スプリントの後は、システムデモを中心にした顧客レビューを実施、変更要望などのフィードバックをもらい次のスプリントへ反映させながら進めました。最後の3回のスプリントでは、開発は行わず、テストによる品質検証、お客様向けのデモ実施と改善、リリース準備にあて、品質確保に務めました。

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【導入効果】真に有効なアイデアの取り込みが可能になり、問題の早期発見・解決にもつながる

1.開発終盤でも新機能を追加することができ、それが複雑になりかけた業務フローを改善することにつながりました。本当に有効な機能上のアイデアは時間が経ったころに現れるもので、こうした新しいアイデアを活かせるのも、アジャイル開発が変更に強いからです。

2.2週間毎に動くシステムをリリースすることで、お客様は検証作業を早期に着手することができます。それにより、仕様の抜け漏れやずれがないかなど問題を早く発見することができ、解決も早くなりました。その結果、納期内に全ての機能を盛り込むことができました。

【ポイント】コスト等の制約が強く、不確実性が高い要件でも、アジャイルは最大のROIを引き出す

予算と納期が限られているプロジェクトでは、アジャイルを適用することで、重要度の高い機能から小刻みに開発するため、予算と納期の枠内で無駄の少ない成果を生み出すことができます。また、再構築プロジェクトにおいて、既存のシステムを熟知している人が少ない場合に、動くシステムを通して顧客からフィードバックを得ながら徐々に改善することができ、大きな手戻りが発生しないプロジェクト運営が可能になります。

【PM担当】入江茂喜

ソリューション開発本部
エンタープライズソリューション第三部

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金融機関様の業務システム開発に長年従事し、主にPMとして活躍。アジャイル開発においては、認定スクラムマスターを取得し、複数の実プロジェクトへ適用した実績をもつ。

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