活用事例

IoT対応浄水器システム

浄水器にスマートフォンをタッチして、使用状況からカートリッジ交換時期を通知

お客様の課題

利用者に、浄水器のカートリッジを適切に交換してもらいたいというのが目的でした。「お客様に、使っている浄水器の状態を正確にお知らせして、きれいな水を飲んでいただきたい。カートリッジの性能を維持し、製品の能力が適切な状態で使っていただきたい。そのために、お客様の感覚任せになっていたカートリッジ交換時期を明確に分かるようにしたいというのが、IoT化の一番の目的でした。」と、サービス開発を担当した戸越氏は、笑顔で話しました。

選定理由

サービス開発が始まり、戸越氏が展示会に行った当時は、まだIoTが世の中に出始めた頃でしたが、オージス総研のブースでは、IoTの事例を説明していました。この導入事例があるということが、選定理由として大きかったといいます。「サービスを開始している会社はいくつかありましたが、サービスでこんなこと、あんなことできますというだけでなく、具体的にこうやりましたと説明してもらったのがオージス総研だけでした。実績があるということで、まず候補として挙げさせてもらいました。」また、「初期費用9万円というのも価格的なインパクトがあり、できるかも!と思えました。」と戸越氏は、一番初めの印象を話します。「その後、いくつかの会社から提案、見積をもらいましたが、その中から、長くお付き合いのできる企業という観点でも、オージス総研を選びました。事例が大阪ガスという自社の系列で、最初に採用されているということも信頼感がありました。」といいます。見積金額は、スマートフォンアプリの追加開発費用を加えると、他にも安い候補はありましたが、実績と信頼感より選んだといいます。「私たちの製品はライフサイクルがたいへん長い。大阪ガスの事例でBtoC向けにシステム開発され提供されているので、製品と共に会社として長くお付き合いができるという信頼感を重視しました。コストだけ見たら、他社を選んでいたと思うのですが、信頼性と長くお付き合いできる会社でないとだめだというのが我々の中に選定基準としてあり、そこは大きい理由の一つでした。」と戸越氏は、強く語りました。

ご提案内容

浄水器の機種は今後も変わっていくため、それを考慮した拡張性を持った設計をご提案しました。「IoT家電は、世の中の人は知ってはいるけれど、まだまだ浸透はしていないので、これから先を見据えて、私たちも商品・サービスを変えながら、長く製品開発を行っていかなければいけません。その間、ここまでしかできないという設計では、その後が苦労してしまう。しかし、どこまで製品開発の拡張性を持たせればよいかも分からない。そのボリューム感は、これぐらいだったら大丈夫じゃないかというところをうまく探りながら、設計してもらったと思っている。」また、「サーバーのインフラ環境がパッケージ化されていて、そこにスマートフォンの連携機能を足していくことでイメージがしやすいため、社内でも説明、説得しやすかった。」と戸越氏は付け加えました。それに対して、「IoTかんたんパックは、まさにスモールスタートを切るには、ベストマッチングするソリューションです。」と、構築を担当したオージス総研SEの田中が自信を持って応えます。

構築中の苦労話としては、「データを取り込む仕組みを考えるのがたいへんでした。データを送る側と受け取る側が共通の認識を持たないとできないところなので、データをどのように持たせるか、どういう計算をしていくか等の設計もたくさんしていただきました。そして、数十台のスマートフォンを使用しての検証も、みんなで協力して行いました。」と戸越氏は、開発時期を振り返ります。

導入効果

現在、IoT対応浄水器の購入者の6~7割の方が、アプリを使用しています。その中で、日常的にアプリを使っている利用者は、2~3割だといいます。「日々どのように水が使われているのかというのは、人が張り付いて観察しないと分からない情報だけれども、IoT対応浄水器でデータを送っていただいている方の使用状況が分かります。その情報から、よりよく浄水器を使っていただくための新たな課題や、アプリケーション、IoT機器として、改善しないといけないポイントが見えてきます。」アプリでは、ペットボトル何本分の量の水を使用していると表示され、節約やエコの観点でも、利用者にとってプラスとなる情報が提供されています。「日本国内では、浄水器でこんなにスマートフォンを活用している企業はまだないので、大切なシステムの一つだと思います。これから、どんどん発展させなきゃいけないと思っています。」と戸越氏は、明るく話します。

今後の展望

浄水器の利用者に、カートリッジを適切な時期に交換してもらうということを今回の最終的なビジネス目標としていたので、それをスマートフォンで通知するということで、達成できたといいます。そして、今後、現在は行っていない個人データを取得し、ビックデータとして活用するという段階で、もう一段階ステップアップが必要だろうと考えているといいます。「データを保持することによって、こういう人があまり水を使っていない、この時間帯によく使われているということが分かり、朝、水を飲む習慣を伝える、二日酔いを軽減する水を開発する等、商品開発のヒントがどんどん見えてきます。」また、インターネットに接続して、自動的にカートリッジを注文するということも考えているといいます。「浄水をさらによく使っていただく情報や、その人に合った浄水、というようなお客様一人一人に対応した提案をしていけるようにしたい。そのベースが、今回のサービスで可能になり、データが蓄積されていると思っている。水でできること、やらないといけないことって、まだたくさんあるんですよ。」と、構想は広がっていると戸越氏は語ります。

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