データセンター用語集

新たにシステム運用・管理の部署に配属されたご担当者向けの用語集ページです。
日常での業務遂行のお役に立てれば幸いです。

データセンターを知ろう

Qデータセンターとはどういうところ?

主にサーバーやネットワーク機器などのIT機器を設置、運用する施設・建物のこと。データセンターでは、サーバーやネットワーク機器を設置する場所(ラック)や電源、接続回線および運用のためのサービスなどが提供されます。
入館を含むセキュリティは重要情報を含むサーバーを守るため、非常に厳しく管理され、建物の構造も地震災害などに備えて非常に堅牢な作りとなっています。

Qどこにあるのだろう?

多くのデータセンターは正確な場所を公表していません。データセンターには非常に重要なサーバーおよびデータが管理されてており、公にすることで犯罪などのターゲットにさらされるリスクを避けるためです。基本的には関係者やデータセンターを検討されているお客様のみに場所を伝えることが一般的です。
またデータセンターは大きく分けて都心型と郊外型があります。都市型は交通の便がよく、障害時や増設時などに担当者が行くのに便利です。
一方、郊外型はコストが安く、セキュリティー面での堅牢性を実現しやすい環境といえます。

Q利用するメリットとは?

自社でサーバーを管理する場合に比べ、データセンターであればサーバー運用の効率化やセキュリティ向上、機器の稼働環境の安定化が図れます。地震など万が一の災害時の事業継続計画はもちろん、会社規模の拡大により取扱いデータ量が増え、日常のシステム運用や監視負担が増えたり、社内に多くの人がが出入りする環境などセキュリティに不安がある場合、また物理的にサーバーを設置するスペースが確保できなくなってしまった時にはデータセンター活用を検討してみましょう。

Qどういうサービスがあるの?

データセンターには、大きく分けてサーバーの容量を借りるための「ホスティングサービス」、サーバーを置くための「ハウジングサービス」、があります。
また監視・運用・保守支援サービスとして定期運用代行や障害時の対応、誤って削除してしまったファイルの復元、セキュリティパッチ適用、ウィルスチェックなど幅広いサービスメニューがあります。
また運用をSEが支援したり、アウトバンドコール代行、FAQサイト運営、ヘルプデスクなど高度な運用保守メニューを用意している所もあります。
データセンターを検討する際は、自社の要望するサービスメニューを揃えている会社を選ぶようにしましょう。

Q選定方法

データセンター選定の際には様々な検討項目があります。中でも基本となるのは「場所」です。契約後も運用担当者がデータセンターに行く機会は意外と多いため、会社からデータセンターの距離、災害時のアクセス、地理的な災害リスクの有無は検証しておきましょう。また、施設のレベルを確認することも大切です。非常用発電、各設備の構成、セキュリティ、サーバールームの状況など現地に行って見学するようにしましょう。
見学前の目安としては、日本データセンター協会が作成しているTIER(ティア)基準も参考にするとよいでしょう。

Qデータセンター規格とは?

TIER基準とは、もともとは海外でデータセンターのクオリティを判断するために設けられた基準で1~4の全4段階で評価されます。「4」が一番高いレベルとなっており、各評価項目すべて「4」のデータセンターをTIER4相当のセンターと呼びます。日本では、海外とインフラの安全性や地理的条件など異なることも多いため、日本データセンター協会が日本国内向けの基準を定めています。評価項目はデータセンターが持つ設備等によって変わってきますが、地震や火災などの災害に対して安全性が確保されているか、建物およびサーバールームへのアクセス管理が実施されているか、冗長性が確保されているかなどがあります。日本のTIER基準の特徴として地震が多い地理特性のため災害を想定した基準となっています。

データセンターでよく聞く言葉

Q冗長性について教えて

冗長性(じょうちょうせい)とは必要最低限のものに加えて、余分や重複がある状態のことをいい、英語ではRedundancy(リダンダンシー)、Resiliency(レジリエンシー)といいます。データセンターでの冗長性は電源や空調、回線などで同じものを必要以上分用意することを表します。そしてこれらを並列に使用したり、障害時に備えてすぐ使える状態で待機させておくようにします。
普段は使わなくてもいざというとき、大切なサーバーや情報を守り、機器を止めない設備を備えることが重要です。
またデータセンターの設備面では、電源が複数のルートから供給されていたり、通常の電源以外に、UPSや発電機などが備えてあったり、スペア空調機が設置されていたりと様々な冗長化をみることができます。

Q高密度化って何?

高密度化とは小型で高性能なサーバー等のIT機器を限られたスペース内に効率よく設置することをいいます。高密度化により同じデータ量を管理するにしても必要なラック数を少なくし、ラックコストを減らすことが可能になります。
ただし小型化して高性能なサーバーにすることで電力消費量や発熱量、またサーバー自体の重量が変わらずに集約することで重量がこれまでより増えてしまうことがあります。高密度化でデータセンターを検討する際は、対応の可否や1ラックあたりの使用可能電力量や床耐荷重、電力料や空調などを考慮するようにしましょう。

QSLAって何?

SLAとはService Level Agreementの頭文字をとったもので、サービスを提供する事業者が、利用者であるクライアントにサービスの品質を保証する制度のことを指します。通常時のサービスレベルの維持はもちろん、緊急時や災害時の対応についても取り決めをして、お互いが同意できて初めて契約が成り立ちます。
例えば、利用者からのリクエストが入ってから何時間以内にその作業を完了させる、緊急時・災害時の駆付け対応については連絡を受けてから何時間以内にセンターに到着し、何時間以内に作業を完了させるなどの項目があります。

QEMS/BMSって何だろう?

EMSとはEnvironmental Monitoring Systemの頭文字をとったもので、データセンターやサーバールームなど重要機器が設置されている部屋で事前に異常な温度変化、発煙、漏水などの危険を探知し、管理者へ通知するシステムのことをいいます。
BMSとはBuilding Management Systemの頭文字をとったもので、EMSの監視機能に加えて、空調の温度調整や照明などを最適な状態に自動で制御するシステムのことをいいます。
EMSはデータセンターやサーバールームの環境を監視するためのシステムで、BMSは希望する環境条件を機械に指示し、維持するためのシステムで集積したデータを加工・分析してエネルギー使用量の管理・把握して利用することも可能です。

QNOCって何だろう?

NOCとはNetwork Operating Centerの頭文字をとったもので、主にデータセンターなど大規模なネットワークに接続された大量のサーバー機器を設置した施設で、それを管理運営する上で拠点となる場所を意味します。センターで働く人員はここで、ネットワークの監視をしたり、関連各所との連絡・報告を行ったりします。また作業を行う際の交換用パーツなどもここに収容されていたりします。
NOCルームを利用するには、ラックを借りる費用とは別に部屋を借りる費用が追加で必要になります。

QN+1、2N?

データセンターの詳細設備項目で見られる「N+1」、「2N」の「N」は供給ルートのことを表しています。
データセンターの電気や空調など止めることができないため、別々の2ルートから供給されているのが一般的です。例えば「N+1」は、Aルート(A機)とBルート(B機)に加えて1本バックアップとしてのルート(機器)が常にスタンバイしている状態のことを表します。また「2N」であれば、Aルート(A機)に対しバックアップルート(スタンバイ機)を1つ、Bルート(B機)に対しても別のバックアップルート(スタンバイ機)を1つ兼ね備えていることを表しています。

Qクラウドって何だろう?

「クラウド」とは「クラウドコンピューティング」という言葉の略語です。PC上で取り扱うデータをインターネット上に保存する使い方やそういったサービスのこと全般を指します。

Q専用回線って何に使うの?

「回線」とは電信や電話をつなぐ通信回線や、電気回路のことを指します。公衆回線の場合は、不特定多数の企業や人が同じ回線を使用することになるので通信の安定性は保証されず、外部からの侵入リスクの可能性もあります。一方、専用回線は通信の安定性、セキュリティ上の安全確保の意味でも重要な役割を持ちますが、公衆回線に比べコストが高くなります。

データセンターを支える設備・環境

Q免震構造・耐震構造って何?

免震構造とは「地震の力を受けないよう設計された構造」のことです。
建物に「アイソレータ」と呼ばれる土台が設けられており、地面に直接固定されていないため、地震が来た際に建物が「滑る」ことで揺れを軽減させる構造を備えています。また、「アイソレータ」の他にも「ダンパー」のような緩衝構造と併せることで、より揺れ難い設計になっているものもあります。
一方、耐震構造とは「地震力を受けた際に壊れないよう設計された構造」ことを指します。
免震構造のような特別な装置はなく、建物自体が強固で堅牢な構造で作られ、地震の際の損壊や倒壊を防ぐための設計になっています。
免震構造では逃がしきれる揺れには限度があり、揺れに耐えられる強度がなければ倒壊してしまう。逆に、耐震ではどんなに強固な建物でも、内部の人や設備はダメージを受けてしまう。免震構造により内部への損害を防ぎ、耐震構造により建物そのものを強固にする。
データセンターでは免震・耐震構造が導入されていれば、震災時に建物が倒壊するリスクや揺れによる建物、設備、人への損害を減らせ、大切なデータを損失するリスクを軽減することができます。

Q非常用発電機って何?

通常、電気は電力会社によって発電され、各施設に供給されています。しかし、災害や事故などによって停電する可能性があり、急な電気の遮断はIT機器やソフトウェアに重大な障害を与え、機器の故障や重要なデータ損失などの恐れがあります。非常用発電機は、そのような緊急時にも滞りなく施設内設備に電力を供給するために、建物の内部に設置されている自家用の発電機のことです。ほとんどのデータセンターでは、燃料の備蓄増大や発電機の摩耗を防ぐためにも非常用として発電機を採用しています。

Q無停電電源装置って何?

無停電電源装置は、停電などの緊急時に発電機が起動するまで電源の供給をカバーする設備でUPS(Uninterruptible Power Suppl)と呼ばれます。瞬停や過電流などから機器を守る目的で使用されることもあります。
イメージとしては、バッテリーをいくつも連ねたもの、と考えるとよい。

Q監視装置

監視装置とはデータセンターが常に正常な状態で稼働するために各設備の状態をチェックする装置のことです。
主に異常監視と状態監視をしており、異常監視では電気設備の漏電や電圧異常、空調設備では機器や装置の故障・温湿度異常をチェックしており、状態監視では電流・電圧、室内の温度や湿度、漏水、煙や火災といった環境監視を行っています。
万が一、異常があった場合でもデータセンターは基本的に24時間体制となっているため対応が可能で、人がいないような場合でも異常を他の中央監視センターで検知をしたり、自動でメール送信し対処できるようになっています。

Qデータセンターのセキュリティー

近年、情報漏えい被害が増えており、データの不正なアクセスや持ち出しなどがあった場合、企業は信用力、費用面の両方で甚大な被害を被ることになります。
そのため、企業の重要なサーバーや顧客情報などデータを管理しているデータセンターは、非常に厳重なセキュリティになっています。
建物の入り口からIT機器に到達するまでの間には何重ものセキュリティ設備が設置されており、生体認証が必要がところも増えています。
企業の成長とともに社内にはいろいろな人が出入りするようになるため、セキュリティを考えて企業規模に合わせて早めにデータセンターを検討するのもおすすめです。

Qデータセンター内での消火設備

一般的な建物では火災を検知するとスプリンクラーが作動しますが、サーバーなどの電子機器が多いデータセンターではハロンや窒素、二酸化炭素など引火や化学反応を起こさないガスを使って消化します。
またデータセンターでは一般の煙感知や熱感知システムとは別に超高感度煙検知機などと合わせて火災に備えています。そのため、ほんの微量の煙でも検知でき、火がつく前に警報を出すことが可能です。

Q空調システムについて

データセンターのマシンルームでは常に熱を放出するサーバーが暑さでダウンしないように温度・湿度の管理が徹底されています。
マシンルームの床下などに空間を作って空調機の風が循環するようにしており、効率よく空間を冷やすための仕組みが整えられています。
このような空調をCRAC(Computer Room Air Conditioning)といい、床下や天井などの熱だまりを防止し、サーバーなど精密機器にかかる熱負荷を解消する役割をもっています。

Qホットアイル・コールドアイルって何?

サーバーは熱負荷を避け、本体を冷やすために前方から空気を取り込み、後ろへ熱い空気を排出します。そのため、サーバーの前方に冷やされた空気を用意しておく必要があり、後方には暑い空気が滞留することになります。
サーバーが排出した熱い空気を他のサーバーが取り込んでしまうと機器の故障の原因となるため、データセンターでは冷たい空気が用意されているところと排出される熱い空気が滞留するところをそれぞれ区画で分け、サーバー同士が背中合わせになるように効率的にレイアウトします。
このうち背中合わせになって熱い空気がたまる空間をホットアイル、逆にサーバーが取り込む冷えた空気の区画をコールドアイルと呼びます。

Qフリーアクセスフロアって?

サーバールームに並んだラックのケーブルは、床下に空間を作って配線を流しています。
また、後から配線を変更できるように床はタイル状に取り外しができるようになっており、どこからでも配線をいじったり取り出したり、または床下に戻しておくことが出来るようになっています。このような仕組みをフリーアクセスフロア、またはOA床、二重床などと呼びます。

Qつり天井

つり天井とは、まさに天井が吊られていることを指します。天井面はそのさらに上の天井からつられており、天井裏のようなスペースを作ります。
フリーアクセスフロアでは、床を開けた時に物を落としたりして配線を傷つけてしまうリスクも考えられます。それを避けるために、配線を天井から吊るすという方法があります。
また天井の裏には配線以外にも、様々な設備が配置されており、煙感知器、監視カメラなどのセキュリティ設備、他にも空調機や換気などの多くの設備を天井面に取り付けています。

QMDF室

MDF室は各場所から来る主な配線を一旦集約し、目的地ごとに再分配する場所です。MDFとはMain Distribution Frameの頭文字からつけられています。
MDF室はマシンルームの中でのネットワークの配線を目的地ごとに切り替えるためにあり、これによって設置されたネットワーク機器がどの場所にあっても、ここを通してつなげることが可能になります。そのためMDFを経由させることで、効率よく機器の追加や移設などが行えるようになります。

Qラック

ラックとは、サーバーなどの機器を格納するもので正式にはサーバーラックといいます。
通路側の開閉ドアの部分は網目、横側は密閉形状で流れ込んでくる空気を分散させないための設計がされています。またセキュリティ対策として鍵や符号がないと開けられないようになっています。
扉を開けると、分電盤(PDP)が配置されており、ラックに取り付けられる機器はここから電源を取ることができます。ラックの両端には目盛が刻んであり、ラック内に機器を入れられるスペースを規格値で区切ったものになります。1目盛を1ユニット(1U)と呼びます。サイズ表記を簡略化することで、ラック内にどのサイズの機器がどれだけ入っているかを記録しやすくし、また空きスペースも容易に把握することが可能になります。

Qネットワーク配線はどうやるの?

データセンターでは様々な機器の入れ替えや移動などが必要になることも多いもの。その際にケーブルが複雑に配線されていると作業し難くなってしまうので、配線周りをしっかりとし、保守性を向上させることが重要になります。MDF室やラック内のパッチパネル、ケーブルマネージャを使い規則性やルールをもって配線することで新たにケーブルを挿す時や撤去する際の時間のロスを減らすことが可能です。
配線方法は、センターによって異なるから最初に確認しておくとよいでしょう。

クラウド関連用語

Qクラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングとはネットワーク上で提供されているシステムやアプリケーションを利用する形態を指します。
PC、ブラウザ、インターネット回線など、最低限の接続環境さえあれば利用可能で、従来のコンピュータ利用と比べ、ネットワーク機器やアプリケーションの購入・管理にかかる負担が少なくてすむことが特徴です。
従来より、ネットワークのイメージ図として雲(cloud)の絵が使われることが多かったことが名前の由来といわれています。

QICTリソース

ICTリソースとは、クラウドサービスにおいて頻出する語句でInformation and Communication Technology Resourceの略です。
システム構築の際に必要となるサーバー、ストレージ、ネットワーク、OS、ソフトウェアなどを指します。
サーバーなどの物理的ICTリソースのことをICT機器と呼ぶ場合もあります。

Qアウトソーシング

外部のICTリソースを利用して、コンピュータシステムの開発、保守費用を抑える手法です。
クラウドコンピューティングもアウトソーシングのひとつの形態といえるでしょう。広義には、外部委託を指します。

Qオンラインストレージ

ファイルなどのデータを保管するディスクスペースを、オンライン上で貸与するサービスです。
エンドユーザー向けのサービスのほとんどはクラウドストレージといえるでしょう。複数人でデータを共有できるなどのメリットがありますが、無料のものではセキュリティ面で気をつける必要があります。

Qオンプレミス

事業者が自社所有のICT機器を自社設備内に導入・管理・運営することを指します。自社運用とも呼ばれており、社内でクラウドを構築する場合、従来のイントラのように全物理リソースを用意する必要がなく、仮想環境で稼働させることができます。

Qオンデマンド

クラウドサービスのようにユーザーが必要な時に、必要なだけのICTリソースをタイムリーに利用できる形態を指します。

Qマルチテナント(マルチテナンシー)

マルチテナントとはICT機器やソフトウェア、データベースなどを複数の顧客(テナント)へ提供する形態を指します。
提供されるサービスは仮想化され、顧客ごとに1からシステムを構築するよりも安価にサービスを提供することが出来ます。
クラウドサービスでは広く使われている技術です。

Q仮想化/仮想化サーバー

仮想化とは、サーバーやストレージといった物理的なICTリソースの機能をシステム上に構築することをいい、クラウドサービスの根幹を成す技術といえます。
仮想化を行うことで、異なる場所や端末からでも同一の環境を利用することができます。
また仮想化サーバーとは、サーバー内で仮想的に構築されたサーバーを指します。
サーバーを仮想化することにより一つの物理サーバー上で複数の異なるOSやアプリケーションを稼働させることができます。

Qデスクトップ仮想化

デスクトップの環境を仮想化することを指します。
ユーザーはクライアント端末からネットワークを通じて仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作します。
クライアント端末側でアプリケーションやデータを用意する必要がなく、接続環境さえあればどこからでもアクセスして利用できる点やクライアント端末と異なるOSでも動かせる点などがメリットです。クラウドとしてサービスを提供する際に必須の技術といえます。

Q仮想オーバーレイネットワーク

あるネットワークを基盤にして、その上に構築された仮想的なネットワークを指します。
VPNやP2Pネットワークなどは仮想オーバーレイネットワークで、ユーザーは下位層の構造を意識せずに利用することができます。
クラウドで提供されているサービスの中にもこの技術が使われているものがあります。

Qプロビジョニング

ICTリソースの需要を予想し、計画的に調達、ユーザーの必要に応じてサービスを提供できるように備えることやその手順を指します。
クラウドサービス事業者などが需要を正確に予想することは難しいため、仮想的に設定を変更してリソースを増やせるよう
にするプロビジョニングの自動化も進んできています。
このような仮想リソースの自動プロビジョニングを、クラウドオーケストレーションと呼ぶことがあります。

Qクラウドオーケストレーション

クラウド環境においてリソースの設計・構築を自動化することを指します。
仮想リソースを動的に割り当てる自動プロビジョニングのみを意味したり、クラウド上のシステムの運用管理自動化(各リソースの設定やバックアップなど)までを指すこともあります。クラウドオーケストレーションのメリットとして管理業務が簡素化できるという点があります。

Qインタークラウド

複数のクラウドでネットワークなどのリソースを共有し、連携するよう構築されたサービスを指します。
異なるクラウドサービスを使用することによる互換性やリソースを共有することによるセキュリティの脆弱性などが今後の課題といわれています。

Qパブリッククラウド

法人・個人を問わず、不特定多数のユーザーを対象に一般回線を使用して提供されるクラウドサービスを指します。
利用者がシステム構築のための機器や設備(サーバー等)を所有する必要がないことから、初期費用における負担を
抑えられる点が最大のメリットです。一方、不特定多数のユーザーが同じサーバーや回線を利用するため、プライベートクラウドのサービスに比べて、セキュリティ面で不安が残ります。

Qハイブリッドクラウド

パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ、保管したい情報やシステムの特長に合った基盤構成を選択できるクラウドサービスを指します。

異なるサービス形態のクラウドを組み合わせて利用することで拡張やカスタマイズが容易に行える点や、保管する情報や
システムによってサービスを使い分けることでコスト面にも配慮したセキュアなシステムを構築できる点などがメリットである。

Qコミュニティクラウド

特定の目的をもつグループが形成するコミュニティによって運用されるクラウド形態です。
複数の同業者同士が共通して行う業務を同一システム上で画一化して効率化を図り、且つコストを分散させるといった使い方が可能です。一般的に、不特定多数のユーザーが利用するパブリッククラウドよりはセキュリティレベル

QSaaS

クラウドで提供されているサービス形態の1つでの略になります。サース/サーズと読む。
サービス提供者が用意したソフトウェアの機能をネットワーク経由で利用する形態を指します。

QPaaS

クラウドで提供されているサービス形態の1つでPlatform as a Serviceの略になります。
アプリケーションを開発・実行するために必要なハードウェア、OSなどの環境をネットワーク経由で利用する形態です 。

QIaaS

クラウドで提供されているサービス形態の1つでInfrastructure as a Serviceの略になります。
コンピュータシステムの構築・稼動に必要な回線やサーバーなどのインフラを仮想化し、ネットワーク経由で利用する形態です。

QDaaS

クラウドで提供されているサービス形態の1つでDesktop as a Serviceの略になります。
仮想化されたデスクトップ環境を、ネットワーク経由で利用する形態です。
使用するクライアント側の端末には、画面表示や操作・入力のためのハードウェアのみあればよく、従来からのリモートデスクトップなどとは異なり社内のサーバーを使わず外部のサーバーをインターネットなどを通じて利用することができます。

QHaaS

コンピュータ、ストレージなどのハードウェアを仮想化し、ネットワーク経由で利用するクラウドサービスの利用形態のひとつでHardware as a Serviceの略になります。
仮想化されたハードウェアのみが貸し出され、IaaSがOSを含めて提供される場合があるのに対し、HaaSはOSを含みません。サービスとして区分される場合もあります。

Qクラウドデバイス

クラウドに接続するデバイスを指します。インターネット端末のことでパソコンだけでなくスマートフォンやゲーム機、その他の情報端末などネットワーク接続が可能な機器はクラウドデバイスとなる可能性を持っています。

Qハウジングサービス

データセンター等が管理・提供するスペースを借りて、事業者が所有しているICT機器を導入・運用するサービス形態を指します。
オンプレミス以外のプライベートクラウドは、主にハウジングサービスの形態で構築されます。

Q従量制課金

サービスの利用時間に応じて課金する方式になります。

QPUE値

PUEはデータセンター等の施設全体の消費電力に対し、当該施設内に設置されているICT機器の消費電力がどの程度の割合かを示した値でPower Usage Effectivenessの略になります。1.0に近いほどIT機器の電力消費効率が良いことを表します。

QBCP

BCPとは、災害など有事の際にも絶えることなく事業を継続可能とする、あるいはダウンした際にも速やかに復旧させるためのシステム構築・運用計画を指します。日本語では事業継続計画と表記され、Business Continuity(Contingency) Planの略になります。

Qフェイルオーバー

稼働中のサーバーやシステムに障害が発生した場合、予備のシステムに直ちに切り替わり、処理が続行される冗長化機能のことを指します。クラウドサービスにとって必須の機能といえます。