事例

国内最大規模のIoT基盤構築事例 大阪ガス株式会社様

数万~数十万台規模の接続を想定した国内最大規模のIoT基盤構築事例(エネファーム)

大阪ガス株式会社様(以下大阪ガス様)の家庭用燃料電池「エネファーム」および「エネファームTypeS」(以下エネファーム)のIoT基盤をアマゾン ウェブ サービス(以下AWS)を活用して開発しました。
本開発は、将来的に数万~数十万台規模の接続を想定したIoT基盤としては国内最大規模の構築事例です。

課題・お困りごと

大阪ガス様では、2016年4月から家庭用燃料電池「エネファーム」に、お客様の生活に直結した機器から直接サーバに情報を送信しデータを活用するIoT技術を導入し、以下の3つのサービスを提供しています。

●発電状態を常時見守り、万が一の際は駆けつける「発電見守りサービス」
●発電量や1ヶ月の電気代予測等を確認できる「省エネナビゲーション」
●外出先からお風呂のお湯はりや床暖房の操作ができる「ガス機器遠隔操作」

エネファームは、都市ガス等から取り出した水素を、空気中の酸素と化学反応させることで発電し、家庭内で利用するとともに、同時に発生する熱も給湯等に有効に利用できる環境にやさしいエネルギーシステムです。このエネファームは、国の「エネルギー基本計画」において、2020年に140万台、2030年に530万台の普及を目指すとの目標が掲げられており、今後更なる普及拡大が期待されている商品です。

ご提案内容

本システム構築にあたって重視したポイントは、コストとスケーラビリティでした。オンプレミスも事前に検討しましたが、サーバ等の初期投資コストに加え、調達までのリードタイム、約5年で迎えるリプレースが必要であることがボトルネックでした。これらの課題から本システムは、オンプレミスよりクラウドの方が適していると考え、AWSを選択しました。

更に、ログイン認証においてはデータセンターにある共用認証基盤を利用し、また取り扱うデータについては機密レベルに従ってパブリッククラウドとデータセンターへ最適に配置するハイブリッド方式を採用することでセキュリティを確保する構成を採用しました。

導入効果

AWSの活用により、常に適正な台数、スペックのサーバを必要な時に必要なだけ利用することが可能となり、オンプレミスと比較し、初期コストだけでなく運用コスト等を含めてコスト削減できるシステムを実現できました。加えて、機器を自社で所有する際に課題であった保守期間の終了に伴うリプレースも実質不要となりました。

これにより数年ごとに発生するリプレースに伴う機器のサイジングや移行の手間も省略できます。その上、機器の仕様変更のため検証環境の構築が必要になった際、AWS CloudFormationを使って短期間で検証環境を準備でき、スケジュールに影響を与えませんでした。更にAWS Direct Connect(閉域網)での接続により、社内セキュリティポリシーを確保したセキュアな基盤環境を、短期間で簡単に構築することができました。

お客様の声

システム検討以前から、コストは安いが信頼性もあり、シェアも急速に伸びているAWSに興味を持っていました。本システムは、将来的に、数万~数十万台規模の接続を想定したIoT基盤を構築することからも、AWSが最適と考えました。

構築に際しては、使用するかどうか分からないネットワーク機器等をあらかじめ購入する必要がなく、スモールスタートすることができました。運用開始後、接続される機器が増えても、リソースの逼迫具合に合わせて、迅速に増強できることもメリットであると思います。

また、認証基盤等の社内既存システムとAWS Direct Connect(閉域網)で接続することで、社内のセキュリティポリシーを確保したセキュアな環境が簡単に実現でき、コスト削減や納期短縮につながったと考えています。特に、機器の仕様変更に伴う検証環境の準備においては本当に助かりました。短期間で準備できただけでなく価格的にも即決できるものであり、AWSを採用したからこそスピーディに開発・評価を進めることができ、予定通り4月のリリースを実現できたと思います。

今後、各システムを連携し、機能拡張していく上で、AWSにはサービスが多数揃っていること、更に増え続けていることが、心強いと感じています。そこに、オージス総研のサポートもあり、安心して活用を広げていけるという期待感もあります。このように選択肢が多いことから、今後のサービス展開について、色々なことが考えられるため希望が膨らんでいます。

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