事例
BRMSソリューション導入事例 大阪ガス株式会社様
お客様に最適なプランを、より速く正確に。ガス料金シミュレーションシステムにBRMSを適用

大阪ガス様では、家庭向けにお客様一人ひとりに合ったベストなガス料金メニューのご提案のため、契約情報やガス使用量を元に、正確かつスピーディに料金を試算するシステムの開発が急務となっていました。
オージス総研は、BRMSを導入し開発期間を大幅に短縮、仕様変更に対しても柔軟性の高いシミュレーションエンジンが完成しました。新システムは営業最前線で活用され、契約獲得に大きく寄与しています。
導入背景
ガス小売り自由化での競争激化に備え、BRMS適用による料金試算システム開発を決断

エネルギー業界をとりまく環境は大きく変化しています。
大阪ガス様は、グループ長期経営ビジョン・中期経営計画「Going Forward Beyond Borders」を策定し、時代を超えて選ばれ続ける革新的なエネルギー&サービスカンパニーを目指しています。
リビング事業部マーケティング推進部情報化推進チームのマネジャー大島氏は、「日本初のIoT対応の省エネ給湯器を発売するなど、安心で快適な暮らしの実現に向けた技術開発に積極的に取り組んでいます」と説明します。

ガス料金シミュレーションシステムの開発に至った経緯について、リビング事業部マーケティング推進部料金管理チームのマネジャー伊津野氏は、次のように語ります。
「ガス小売全面自由化で顧客獲得競争の激化が予想され、お得な新料金メニューを早期にリリースしてお客様に大阪ガスの優位性を定量的に示したいと考えました。そのためには、さまざまな料金メニューをシミュレーションできるシステムが必要不可欠でした。 今後の料金改定サイクルの短期化に備え、業務やシステム対応にかかる時間を短縮することを重視し、BRMS(Business Rule Management System)導入が最適と判断しました。既に別システムでのBRMS導入の経験があったので、メリットは実感していました」
そこで大阪ガス様は、多数のBRMS導入実績と業務知見を持つオージス総研を開発パートナーに選択しました。「長年にわたり当社の料金システムの開発と保守を依頼しており、当社の業務に精通しています。他社でのBRMS導入実績も豊富で安心して任せられると考えました」(伊津野氏)
導入のポイント
BRMS、クラウド、テスト自動化を駆使して短納期と高品質を両立し、厳しい要求水準に応える
プロジェクトは、BRMSを適用する試算エンジンに加え、タブレットからシミュレーションを参照するフロント開発も並行し、大阪ガス様の指揮のもと、オージス総研ほかベンダー各社が協力するマルチベンダー体制で進められました。新料金メニューの発表に間に合わせるために与えられた期間は約3ヶ月。開発には、スピードと同時に100%の精度が要求されました。

リビング事業部マーケティング推進部情報化推進チーム山本氏は、オージス総研がエンジン開発を主導したと評価します。
「BRMS適用エンジンについては知見の豊富なオージス総研に開発を一任しました。製品選択では、オージス総研から、短納期・精度・柔軟性を重視して提案があったRed Hat JBoss BRMSを採用、インフラ環境もスケールアップの柔軟性からAWSを選択しました。セキュリティ面でクラウド利用の懸念はありましたが、オージス総研が設計を工夫し適切な対策を講じてくれました。当社は試算のベースとなる数値や計算式などの仕様を漏れなく正確に伝えることを徹底しました」
オージス総研では、継続的インテグレーションでテストを実施、ソースコードを変更すれば全コードにテストが実行される仕組みを構築、毎回数千ケースにのぼる大量テストと、本体の料金システムとの金額の完全一致を加えたテストの実施により、100%の精度を早期に担保しました。
その後は、大量の計算処理をいかに高速化するかに工夫を加えていきました。

緊迫した当時の状況を振り返るのは、リビング事業部計画部料金チームの棚倉氏。
「当社の新料金メニューの発表と同時に個々のお客様に新料金メニューのメリット額をご案内すべく、DMを一斉送付する計画を立てていましたが、料金水準を確定させるまでに時間を要し突貫作業でした。DMを送る際には、新料金メニューを適用した場合、当社の約700万件あるお客様の内どのお客様にメリットがでるか、具体的に年間いくらお得になるかを1円単位で正確に把握する必要がありましたが、料金水準の確定後ただちにこれらを把握することができました。その結果、メリットがでるお客様にDMをタイムリーに送付でき、新料金メニューのメリットを早期にご案内することができました」
「お客様にお届けする大切な情報ですので、1円たりとも計算結果に間違いがあってはなりません。オージス総研はテストを入念に繰り返し、フロント開発を担当したベンダーと密に連携し、料金間違いも発生することなく100%の精度を実現してくれました」(山本氏)
Figure 1:システム概要図
導入効果
「選ばれる大阪ガス」を目指し、価格競争力とサービス品質を高めたい
料金メニューに基づきガス料金を短期間で正確に試算できる仕組みは、お客様への強力な説得材料となりました。
「当社の代理店ではタブレット端末を配備していますが、この仕組みを利用し、お客様の面前で試算結果や従来料金からのメリット額を速やかにご提示できるようになりました。DMにも当初の予想を超える反響があり、多くのお客様に大阪ガスをお選びいただいています。

これらのシミュレーションシステムは今後の料金戦略の立案にも大いに役立っています」(棚倉氏)
BRMS導入により開発期間の圧縮や変更に強いシステムが実現しました。「従来の開発手法の場合、2倍の期間がかかったと思います。大量のデータを瞬時に処理でき、仕様の改定やスケールの変更に柔軟に対応できるので、今後の運用の手間やコスト削減が見込まれます」(山本氏) 「価格だけでなくサービスでもお客様に選ばれる大阪ガスであり続けるのが当社の目指す姿です。BRMS活用もその実現の一歩であり、他の業務への展開も検討していきたいと考えます。オージス総研には、これからも当社のビジネス課題を解決する提案や支援を期待しています」(大島氏)
担当者の声
システムリリース後もビジネス変化に柔軟に対応し、お客様のやりたいことに迅速に応えるシステムを実現するために、アーキテクチャを徹底的に工夫しました。
多拠点での開発体制でしたが、BRMSやクラウドサービスの利用により円滑に開発を進め、保守性、拡張性、機能性を高めました。これからも、大阪ガス様の事業発展に貢献できるよう積極的にご提案してまいります。
大阪ガス様のBRMS導入事例をダウンロード
大阪ガス様の導入事例など、下記のようなPDFがダウンロードできます。
- 大阪ガス様などBRMSの導入事例やBRMSソリューション概要資料
- BRMSの開発・運用プラットフォーム「yonobi」の概要資料
- BRMSによるシステム構築を成功に導く5つのポイント
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お客様プロフィール
大阪ガス株式会社 様
関西エリアを地盤として、創業以来110年余にわたり都市ガスを安定的に供給。「総合エネルギー事業者」への進化を加速し、成長が期待される電力、海外エネルギー、ソリューションの領域で事業拡大を進めています。

関連サービス
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Red Hat Decision Manager
(旧 JBoss BRMS)Red Hatのビジネスパートナーであるオージス総研は、
Red Hat Decision Managerの販売・サポートを行っています。