事例

「ekul」のIoT基盤構築事例 大阪ガス株式会社様

ガスや電気の使用量をリアルタイムに計測・見える化。柔軟性のあるクラウドとセキュアな通信でお客様に安心なサービスを実現

簡易データ計測サービス「ekul(イークル)」のIoT基盤としてAmazon Web Services(以下AWS)とSORACOM AirのSIMカードを採用。状況に応じてスケールが可能な柔軟性のあるクラウドとセキュアな通信を組み合わせ、お客様に安心なサービスを実現するIoT基盤環境を構築しました。

ekul(イークル)とは

全国の法人のお客様向けに、ガスや電気の使用量などをリアルタイムに計測・見える化し、気づき情報を即時に発信するサービスで、非常に安価でご利用いただけます。

本サービスは、以下4つの特長があります。
1.スマホ・PC等でどこからでもデータを確認
2.計測値から使い過ぎ等をお知らせ
3.安価でお手軽に利用可能
4.エネルギーに拘らないさまざまな計測も可能

お客様の課題

大阪ガスグループでは、最適なエネルギー・高効率機器のご提案と共に、ソフト面でも省エネに役立つ取り組みを推進しています。法人のお客様向けにも、お客様の省エネ活動をご支援すべく、「エネフレックス」や「もっとsave」など、情報通信技術(ICT)を活用して省エネ制御やエネルギーの見える化等を行うサービスを展開しています。

しかし、エネルギー消費量が少ない法人のお客様にとって省エネによって得られる効果が限られており、より安価でメリットが見込めるサービスを求められていました。

そこで、多くのお客様により安価で便利にご利用いただけるサービスを目指すとともに、導入時や運営時の利便性、セキュリティ面にも配慮して、ekulを検討しました。

これらのビジネス課題を満たすIoT基盤を構築するためには、以下の課題を解決する必要がありました。
・月額利用料をより安価にするため通信費や基盤費などを抑えること
・離れた場所や電源がない場所でも通信できる無線計測器を活用すること
・お客様の計測データを扱うことからセキュアな環境を実現すること

構築ポイント

IoT基盤構築にあたり重要なポイントは、3つありました。

1つ目は「クラウド」です。世間の動向を元に社内検討し、AWSを採用しました。素早くサーバ環境を用意できる構築スピード、プロトタイプからスモールスタートし、システム規模に応じて対応できる柔軟性とコスト最適化等、IoT基盤に活用する上での優位性が採用の決め手となりました。

2つ目に「ネットワーク」です。どのお客様でも確実にデータ収集できるようにSORACOM AirのSIMカードを採用しました。設置場所を選ばずに携帯電話網でつながることはもちろん、サービス期間に応じた回線の開閉管理やデータ通信量に応じてコストを最低限に抑えることができることに加え、デバイス側が直接インターネットに通信することなくSORACOMのプライベートネットワークを通じてサーバにアクセスするセキュアな通信も評価できました。

そして、3つ目は「デバイス」です。遠距離にあるメーターやセンサーのデータを収集するために無線を使った計測器を採用しました。工場等ではメーターやセンサーとデータを収集するゲートウェイの間が、長距離になることや周りに電源がないことも多いため、通信距離が長く、低消費電力の920MHz帯無線を使い、ゲートウェイとセンサーをつなぐ構成としました。

導入効果

IoT基盤としてAWSとSORACOMを活用することで、サービス準備、モニター、サービスの開始を迅速かつ低コストで進めていくことができました。スピードが求められる今日のビジネス環境には、最適な基盤構成なのではないかと考えます。また、SORACOMの利用により、セキュアな通信を実現できたためセキュリティリスクを大幅に軽減できました。お客様に安価に安心してご利用いただけるサービス基盤を、早期に立ち上げることができ、多くのお客様にもご満足いただいています。

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