本記事はIEEE Software編集部から頂いた原稿をオージス総研の有志で翻訳したものです。

私たちの使命: 先導的なソフトウェアの実践者のコミュニティを作ること.
IEEE Software誌は迅速な技術の変化についていかなければならない思慮深い開発者やマネージャーに対して先進的なアイデアや専門家の分析,確かなアドバイス,思慮深い洞察を提供します. ソフトウェアの理論を実践へと翻訳するオーソリティです.
リリースエンジニアリング (Release Engineering)
謹んでIEEE Software のMarch/April 2015 (Vol. 32, No. 2) 号 の目次と要旨をお送りします. 各号では無償の記事(英語)やポッドキャスト(英語)がいくつか提供されており, それらは要旨の下のリンクから入手することができます. 残りの技術的な記事を入手するために, 英語のデジタル版 www.qMags.com/ISW/jp を購読できます. お問い合わせは, 編集長であるBrian Brannon (bbrannon@computer.org)宛てに電子メールでお願い致します.
目次
編集長から (From the Editor)
リリースエンジニアリングの戦略的重要性 (The Strategic Importance of Release Engineering)
Diomidis Spinellis , Athens University of Economics and Business
リリースエンジニアリングは, 我々が作るソフトェア, ソフトウェアの作り方, ソフトウェアからのお金の得方に影響する. リリースエンジニアリングは, 克服に時間がかかる多くの課題も提示する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020003.pdf (315KB)
洞察 (Insights)
あなたの洞察を探しています (Seeking Your Insights)
Cesare Pautasso , University of Lugano
Olaf Zimmermann , University of Applied Sciences of Eastern Switzerland in Rapperswil, Switzerland
本コラムの新編集者たちが読者の参加を呼び掛けるとともに, 新編集者たちが求めている記事の種類に対するガイダンスを提供する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020007.pdf (894KB)
信頼できるコード (Reliable Code)
コードのインフレ (Code Inflation)
Gerard J. Holzmann , NASA/JPL
ソフトウェアアプリの規模の増加の大半は不要である. 小さなUnix /bin/true コマンドの歴史がこのような成長を見せてくれる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020010.pdf (635KB)
要求 (Requirements)
優先順位の判断に価値思考を注入する (Injecting Value-Thinking into Prioritization Decisions
Jane Cleland-Huang , DePaul University
提案されたアプローチは, ストーリーマッピングを用いてフィーチャーの優先順位付けに価値思考を注入する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020014-abs.html
コンピューティングについて (On Computing)
慈愛に満ちた優雅な機械にすべて見守られて (All Watched Over by Machines of Loving Grace)
Grady Booch , IBM
かつて機械が仲間として, 助っ人として, 召使いとして対応してくれるのではないかと夢見ただけの時があった. 今や我々はそれらを作っている. 我々自身が作った機械にゆっくりと, 免れることができず, 後戻りもできずに負けていくにつれて, 我々は多くの実践的で倫理的な難問を理解しなければならなくなる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020019.pdf (2127KB)
証拠の声 (Voice of Evidence)
技術的負債を管理する:最近のエンピリカルな証拠からの洞察 (Managing Technical Debt: Insights from Recent Empirical Evidence)
Narayan Ramasubbu , University of Pittsburgh
Chris F. Kemerer , University of Pittsburgh
C. Jason Woodard , Singapore Management University
技術的負債は, ソフトウェアチームが自らの行動の結果として蓄積する保守に関する義務に言及するものである. エンピリカルな研究により, ソフトウェア開発チームが自らの技術的負債の尺度を位置づけるべき次の3つの次元を研究者が示唆するようになってきた: 顧客満足度のニーズ, 信頼性のニーズ, 技術の崩壊の可能性である.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020022-abs.html
現実的なアーキテクト (The Pragmatic Architect)
アーキテクチャーリファクタリング:ソフトウェアの進化に対するタスク中心の視点 (Architectural Refactoring: A Task-Centric View on Software Evolution)
Olaf Zimmermann , Institute for Software at the University of Applied Sciences of Eastern Switzerland, Rapperswil
リファクタリングは, 他の品質を保ちながら, ある品質を向上させることを目指す. 例えば, コードリファクタリングにより外から見える振る舞いを変えることなく, より保守しやすいようにコードの構造を変える. コードリファクタリングの成功を前提に考えると, アーキテクチャーリファクタリング(AR)が未だに立ち上がらないのは不思議である. 本記事では, ARを新たな角度から検討する: つまりアーキテクチャー判断を再考し, 関係する設計, 実装, 文書化のタスクを識別する発展的なテクニックとして検討する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020026-abs.html
ソフトウェア技術 (Software Technology)
インフラストラクチャーアズアサービスとクラウド技術(Infrastructure as a Service and Cloud Technologies)
Nicolas Serrano , University of Navarra
Gorka Gallardo , University of Navarra
Josune Hernantes , University of Navarra
あなたの組織にとって最も適切なクラウドコンピューティングモデルを選ぶために, あなたは自らのITインフラ, 使い方, ニーズを分析しなければならない. この助けになるように, 本記事はクラウドコンピューティングの現状を説明する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020030.pdf (698KB)
インパクト (Impact)
ムーアの法則の背後のソフトウェア (The Software behind Moore’s Law)
ASMLにおける統合的リソグラフィー (Holistic Lithography at ASML)
Rogier Wester , ASML
John Koster , ASML
ムーアの法則は半導体業界における指数関数的な生産性の向上を説明する. この法則はハードウェアとソフトウェアの迅速な開発に依存する. 新製品で, 多くのハードウェアモジュールが置き換わるだろうが, システムソフトウェア全体は一貫性を保ち, 高い性能をもたらし続けねばならない. このことが独特の課題をもたらすが, 本記事はソフトウェア開発戦略を論じる.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020037-abs.html
ゲスト編集者の導入 (Guest Editors’ Introduction)
リリースエンジニアリングの実践と未来:3人のリリースエンジニアによる座談会(The Practice and Future of Release Engineering: A Roundtable with Three Release Engineers)
Bram Adams , Polytechnique Montréal
Stephany Bellomo , Software Engineering Institute
Christian Bird , Microsoft Research
Tamara Marshall-Keim , Software Engineering Institute
Foutse Khomh , Polytechnique Montréal
Kim Moir , Mozilla
リリースのための品質メトリクスおよび継続的デリバリーの利点と制約について, 3人のリリースエンジニアがそれぞれの見解を共有する. 彼らはまた, リリースエンジニアリングのジョブスキル, 必要とされるマインドセット, 教育の役割および文化的な変化についても議論し, 今後の研究領域を提案する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020042.pdf (1105KB)
リリースエンジニアリング (Release Engineering)
継続的なデリバリー:恩恵は大きいが, 変化も大きい(Continuous Delivery: Huge Benefits, but Challenges Too)
Lianping Chen , Paddy Power
本記事では, Paddy Powerが継続的デリバリー (CD)を採用した理由を説明し, さらに結果として得られたCDの能力を説明し, 大きな恩恵と内在する課題を報告する. この情報は, 実践者がCDの導入を計画する助けや, 研究者が自らの研究予定を作る助けになりうるだろう.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020050-abs.html
オープンソースプロジェクトが時間ベースのリリースをなぜ採用すべきであり, どのように取り入れるべきだろうか? (Why and How Should Open Source Projects Adopt Time-Based Releases?)
Martin Michlmayr , Hewlett-Packard
Brian Fitzgerald , Lero–The Irish Software Engineering Research Centre
Klaas-Jan Stol , Lero–The Irish Software Engineering Research Centre
従来のリリース戦略にともなう問題の中には, 時間ベースのリリース管理により克服できるものがある. ボランティアによる貢献を基本とする, 7 つの著名オープンソースプロジェクトの主要メンバーにインタビューを行った結果, 時間ベースのリリース戦略を採用するいくつかの利点が明らかになった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020055-abs.html
継続的な配置への高速道路と田舎道 (The Highways and Country Roads to Continuous Deployment)
Marko Leppanen , Tampere University of Technology
Simo Makinen , University of Helsinki
Max Pagels , University of Helsinki
Veli-Pekka Eloranta , Tampere University of Technology
Juha Itkonen , Aalto University
Mika V. Mantyla , Aalto University
Tomi Mannisto , University of Helsinki
情報と通信技術の会社15社へのインタビューで, 継続的な配置の恩恵と障害が明らかになった. その恩恵を理解しているにも関わらず, 完全に自動化された配置パイプラインを採用した会社は無かった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020064-abs.html
クラウド環境において信頼できる高頻度リリースを達成する (Achieving Reliable High-Frequency Releases in Cloud Environments)
Liming Zhu , NICTA
Donna Xu , NICTA
An Binh Tran , NICTA
Xiwei Xu , NICTA
Len Bass , NICTA
Ingo Weber , NICTA
Srini Dwarakanathan , NICTA
クラウドアプリの頻度の高いリリースは, 自動化されたツールやクラウドインフラAPIに大きく依存していることが多く, それらの両方が信頼性の問題を生む. 実験から, 仮想イメージを重く焼くアプローチと軽く焼くアプローチとの間の選択にもトレードオフがあることが示された.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020073-abs.html
LinuxとChromeにおけるリリースの安定化 (Release Stabilization on Linux and Chrome)
Md Tajmilur Rahman , Concordia University
Peter C. Rigby , Concordia University
LinuxとChrome向けのリリース安定化のエンピリカルな研究で, 少数の変更が元に戻され, 小さなチームが安定化の努力を制御し, 多くの再作業を行ったことが分かり, さらに素早いリリースにも関わらず, 安定化の前に依然としていくつかの駆け込みの変更が行われたことが分かった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020081-abs.html
すばやいリリースとパッチ取消し:ソフトウェア分析アプローチ (Rapid Releases and Patch Backouts: A Software Analytics Approach)
Rodrigo Souza , Federal University of Bahia
Christina Chavez , Federal University of Bahia
Roberto A. Bittencourt , State University of Feira de Santana
Mozillaの素早いリリースの採用の結果を調べるために, 研究者達がFirefoxのコミットとバグレポートを分析し, Firefoxの開発者たちと話をした. 結果から壊れたパッチをより早期に取消すことで, リリースプロセスをより安定にしていることが分かった.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020089-abs.html
Vroom: Java向けのもっと速いビルドプロセス (Vroom: Faster Build Processes for Java)
Jonathan Bell , Columbia University
Eric Melski , Electric Cloud
Mohan Dattatreya , Electric Cloud
Gail E. Kaiser , Columbia University
テスティングをスピードアップするため, 研究者達が2つの相補的なアプローチを組み合わせた. 単体テスト仮想化は, テストケース間のインメモリーの依存性を隔離する. 仮想化された単体テストの仮想化は, 長時間に渡り並行で実行されるテストの間にファイルやネットワークポートのような外部依存性を隔離する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020097-abs.html
動的な再構成 (Dynamic Reconfiguration)
動的なソフトウェアプロダクトラインにより自己適応するモバイルシステムを作成する (Creating Self-Adapting Mobile Systems with Dynamic Software Product Lines)
Nadia Gamez , University of Malaga
Lidia Fuentes , University of Malaga
José M. Troya , University of Malaga
モバイルシステムは, 継続的な外界の変化に対処しなければならず, そのためにそれらのシステムは, 実行時のプロダクトを適合させることを可能にする動的なソフトウェアプロダクトライン (DSPL) と理想的にマッチする. このDSPLに基づくプロセスにおいて, デバイスは可変性モデル全体ではなく, 小さな再構成計画だけをアップロードし, それによりモバイルシステムはベースモデルを混乱させることなく多様性を管理する.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020105-abs.html
ソフトウェア工学 (Software Engineering)
最近のクラウドに基づくプラットホーム (The Modern Cloud-Based Platform)
Stefan Tilkov , innoQ
Software Engineering Radio (www.se-radio.net) からの今月の抜粋では, マイクロサービス関連の最近のポッドキャストシリーズの3番目をマイクロサービスに関するエピソード210のStefan Tilkovのインタビューとエピソード213のJames Lewis のインタビューの順番に取り上げる. Dockerは4番目のポッドキャストの話題であり, エピソード217でCharles Anderson が深い議論へとプロジェクトの開始者に迫った.
https://www.computer.org/csdl/mags/so/2015/02/mso2015020116.pdf (895KB)