事例

組み込みソフトウェア開発事例
パナソニック インダストリー株式会社様

レーザーマーカー製品の開発を10年以上にわたり支援。次期商品向けの共通プラットフォームを構築するとともに、ソフトウェア開発のプロセスを整備。

パナソニック インダストリー株式会社様は、産業、情報通信、車載をはじめ、幅広い用途に向けた電子デバイス・産業用デバイス事業を展開されています。
オージス総研は産業用デバイスのうち、レーザーマーカー製品の組み込みソフト開発・ツールソフト開発を長期にわたり支援してまいりました。

UMLによる可視化とリファクタリング

お問い合わせをいただいた2010年当時、従来機種のソフトウェアは開発当初のメンバーの離任などによって内部の設計が不明瞭になっているという課題がありました。
この課題を解決するため、オージス総研にUMLモデルによる可視化とリファクタリングをご依頼いただきました。このとき作成したUMLモデルは機能追加時の検討や、不具合発生時の速やかな原因特定に役立ちました。

次期商品向けプラットフォームの開発

製品ドメインと設計思想を深く理解し、多忙なお客様に代わって開発を自律的に推進

従来機種のプラットフォームは採用から年月が経過しており、部品の生産終了などプラットフォームとしての寿命が近づいている状況にありました。また、機種ごとの機能やソースコードの差分が大きくなりすぎたため、管理が困難になっているという課題がありました。
そこで次期商品向けプラットフォームの開発を企画され、組み込みソフトの機能開発と、PC上で機器の設定を行うツールソフト「Laser Marker NAVI smart」の開発全体をご依頼いただきました。
組み込みソフトの開発では、当社のメンバーが設計思想を十分に理解した上で開発を自律的に進めることができたため、お客様が多忙な状況にあっても開発のスケールアップが実現しました。
ツールソフトの開発ではC# (.NET Framework)とWPFを採用し、MVVMアーキテクチャに沿った保守性の高いソフトウェアを実現しました。これにより、バージョンアップに伴うUIの全面リニューアルも成功させることができました。

レーザーマーカーLP-ZVシリーズ

Laser Marker NAVI smartの画面

開発プロセスを整備し、よりよくするための継続的な改善を実施

次期商品向けプラットフォームの開発にあたり、当時未整備であったソフトウェア開発プロセスをお客様と協働して整備しました。開発プロセスの改善を継続的に行い、その成果としてお客様社内でも高い水準の品質に到達することができました。

また、ハードウェアを含めた製品全体のアーキテクチャ設計記述についても、SysMLなどを活用して支援を行いました。

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導入効果

オージス総研が選ばれ続けた理由

お客様からのコメント

パナソニック インダストリー株式会社
産業デバイス事業部 FAデバイスビジネスユニット
プロセッシング商品部 奥村 利道 様

弊社開発部門の積年の課題として、技術の属人化や過去の技術継承が大きな課題となっておりました。その中で課題解決に向けて、御社よりソフトウェアモデリングによる内部構造の可視化と、保守性向上のためのリファクタリング活動をご提案いただきました。

この取り組みの中で、内部構造の可視化、設計文書の整備、保守性の高い設計・実装へと改善を実施いただき、その後の派生製品の開発に大きく寄与するものとなりました。また成果物の直接的な授受だけにとどまらず、勉強会の実施もご協力いただき社内人材のスキルアップにも貢献いただきました。これらが一定の成果を得られたことから、レーザーマーカーの次期商品にも開発ベンダとしてご協力いただく流れとなり、上流工程から下流工程のサポートなど幅広い範囲を担当いただきました。

日々の開発業務の中では、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたって支援いただき、その過程で弊社チーム内の開発プロセスも体系化され、管理面のレベルアップや開発規模の増大に追従できる体制構築を実現でき、加えて評価工程やその他社内業務効率化のご支援もいただけました。

近年、製品セキュリティ対応の要求も高度化され、それに比例するように開発プロセスの社内要求も厳格化されるようになりましたが、このような外部環境の変化に対しても柔軟にいただけました。

御社の強みとして一般的な設計・実装工程にとどまらず、弊社製品・業務・業界の幅広いドメイン知識を積極的に吸収いただき、スピード感をもって成果をいただけたことから、限られた社内リソースの中でのソフトウェア開発に大きく貢献いただき大変感謝しております。

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