事例

eCubenetデータフロー導入事例 大阪ガス株式会社様

事業拡大において取引先との大量データのやり取りに『eCubenetデータフロー』を活用し、スマートなデータ連携を実現

2016年4月電力小売が自由化され、大阪ガスは小売電気事業に参入、段階的に電力事業を強化してきました。その一環として、アライアンス先とのガス・電気の取引でデータのAPI連携を行い、数十万件を超すデータのやり取りを行っています。
データ連携には「eCubenetデータフロー」を使用し、アライアンス先の運用・データフォーマットの違いを吸収しており、今後も取引先を増やしながら、それぞれの取引先に合わせたデータ連携を行っていきたいと考えています。

導入背景

数十万件のデータのやり取り・データ変更が頻繁に発生

2020年に新規のアライアンス先との電気・ガスの顧客情報・契約データ等の連携を開始するにあたって、数十万件のデータのやり取りが発生することになりました。従来の方式では数十万件のデータ処理ができませんでした。加えて、本プロジェクトではデータの変更が頻繁に発生するため、API連携の仕組みが必要となりました。
2020年4月にこのシステム構築をオージス総研に依頼し、10月にシステムをリリースすることになりました。「オージス総研は、ガス・電気料金の業務システムの専門部隊を抱えており、データ連携も長年のノウハウが蓄積されているので、委託先として最適な選択ができました。」と、システム構築を担当した大阪ガスの平山氏(写真左)は言います。

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左:平山氏  右:弊社担当SE 永壽

導入ポイント

数社・部門の取りまとめと運用の違いを吸収する柔軟な対応

システム構築の定例会は、アライアンス先・大阪ガス・オージス総研のそれぞれの企業の複数部門にわたるメンバーが参加し、Web会議で開催されました。参加者が数十人にのぼることもあり、そのやり取りを取りまとめたのがオージス総研でした。「各社・各部門それぞれのシステムだけでなく、業務を理解したうえでデータを繋げるにはどうしたらよいかを提案してくれました。取り仕切りがオージス総研ではなく他社だとしたら、これほどスムーズにはいかなかったのではないかと思います。イレギュラーな業務ケースへの対応も一緒に検討できたのはとても助かりました。」と平山氏は語ります。また、各社とも拠点が東京・大阪にあったが、コロナ禍のためWeb会議で進められたこともあり、移動時間をシステム開発に充て短期間でリリースすることができました。

アライアンス先から連携される契約データは、エリアや電気・ガス等の違いによって分かれており、データのフォーマットと項目数が異なるうえ、データ処理の起点日も異なる状況でした。また、アライアンス先から送られてくるデータ項目が大阪ガスの希望するものと異なる中、運用を考慮しながらのデータ連携が必要でした。「具体的な違いはプロジェクトが始まってから分かってきましたが、eCubenetデータフローで対応できる範囲が広いため、問題なくプロジェクトを進めることができました。」また、「私がシステムエンジニアではないため、アライアンス先のシステムエンジニアとのやり取りもオージス総研にサポートしてもらいました。各社・各部門のスケジュール・タスク管理もオージス総研に対応してもらいました。定例会では進捗状況の確認に加え、各担当の課題の共有を行いますが、そこで課題が発生すると、全体を俯瞰しているオージス総研から課題解決に向けたアイデアを出してもらうこともありました。もし、オージス総研にシステム構築をしてもらうだけだったら、各企業が横断的に抱える課題解決に時間を要していたと思います。本プロジェクトでは、システム構築以外にも私が検討・調整していくべき範囲が多岐にわたっていたため、私の専門分野ではないシステム面をオージス総研が主導してくれたのはとても助かりました。」と平山氏はにこやかに語ります。

導入効果

異常データも検知
頻繁に起こるデータ変更もシステムが吸収

アライアンス先からは、契約内容の変更が発生するたびにデータが送られてきますが、その変更はeCubenetデータフローで吸収し、最新のデータだけを大阪ガスは受け取っています。変更のたびにデータを受け取っていたら、さばき切れないデータ量です。

また実際の業務運用にあたっては想定外の事項も発生します。eCubenetデータフローは、データを連携させるだけでなく、異常データがあった場合はメールで知らせる等、想定外の事項も運用しながら業務を理解して微修正し、柔軟に対応しています。「データを送受信する両方のシステムのことを理解していないとデータ連携システムの要件を描くことはできません。その点では、オージス総研だからこそ大阪ガス内部のシステムも把握してくれ、システム担当者間でやり取りしてもらえたのでうまくいったと思います。もし他社に依頼していたら、これほどスムーズにいかなかったのではないか。」と平山氏は言います。

「データ連携においても、今後ますます業務への貢献が求められてきます。データの送信前と送信後の業務を把握して対応することが重要と考えており、実際に貢献できたと実感しています。」とシステム構築を担当したオージス総研の永壽は答えました。「直接システムに関係しない運用に関する相談も自分事として考え提案してくれました。結果的に、データ連携後の処理が煩雑になるという事態にならず、業務を円滑に回すことができています。運用開始から1年経ちますがシステム停止もなく、業務・システム共に安定しています。」と平山氏は続けて言います。

今後について

取引先拡大後も、フォーマットの違いを吸収し、スムーズなデータ連携を期待

「今回、eCubenetデータフローによるデータ連携基盤を得たことで、ビジネス拡大に注力できる仕組みが整いました。いまでは、新規のアライアンス先とデータ連携することになっても、本当にうまく繋がるだろうかという不安がありません。引き続き、ビジネス展開に貢献してほしい。」と平山氏は今後の展望を語りました。

※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は取材当時のものです(2021年10月)。また、予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。

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