オージス総研「OGIS Group Forum 2024」開催レポート 前編
2024年11月13日から15日の3日間にわたり、「急速な社会変革への対応と新たな価値創出に向けた挑戦」をテーマに「OGIS Group Forum 2024」がオンラインで開催されました。 オージス総研グループがご支援する、攻めの姿勢でビジネスを加速するお客様の先端事例が広く紹介され、さまざまなビジネス、ITに関する課題をお持ちのお客様に向けて、変革へのヒントを提供する場となりました。その模様を前編、後編に分けてレポートします。 ※「OGIS Group Forum 2024」の各講演の講演者、講演内容など詳しい情報は以下サイトをご覧ください。
OGIS Group Forum 2024(外部サイト)

基調講演「池上 彰のニュースから世界を読む」
ジャーナリスト 名城大学教授 東京科学大学特命教授 池上 彰
オープニングの基調講演として登壇したのは、テレビでもおなじみのジャーナリスト、池上 彰氏です。「池上 彰のニュースから世界を読む」をテーマに、豊富な国際経験でのエピソードを交えた国際情勢やデジタル化の重要性についての解説でした。 池上氏は、最近のアメリカ滞在での体験談として、マンハッタンでの食事、ホテルの宿泊費を例に挙げ、アメリカの物価の高さと円安を痛感したと語りました。また、キャッシュレス化が進んでおり、現金をほとんど使用しなかったこと、アメリカの入国管理システムでは、以前は指紋採取や詳細な質問があったが、最近では顔認識ソフトを使用した迅速な入国手続きにより入国審査にかかる時間が大幅に短縮されたとのことでした。 一方で、日本のデジタル化の遅れと課題について指摘しました。デジタルデバイドの問題が深刻化していること、ユーザーにとって使いやすいデジタル化を進めることの重要性を述べました。 さらに、池上氏は中東情勢の混迷とその影響、アメリカの政治や宗教についても解説しました。日本は中東から90%以上の石油を輸入していることから、中東情勢の緊迫化が日本経済に大きな影響を与える可能性があること、またイスラエルの例を挙げて、軍事技術や情報戦略が国の存続にも関わること、そのためにデジタル化が欠かせないことを強調しました。同時に、ユーザー視点に立ってニーズを把握し、国際情勢の動向を踏まえて新たなビジネスチャンスを見出していくことが重要だと締めくくりました。

お客様事例セッションおよびオージス総研グループの技術紹介セッション
セッションは、複数のテーマ(● DX推進・システム構築 ● アジャイル ● 新価値創造 ● システム運用自動化 ● 生成AI ● 組み込み ● 業務系 ● データ分析・活用基盤 ● 製造業)にカテゴリ分けされ、申込者が自由に選んで視聴できるスタイルでした。期間限定でアーカイブ配信にも対応していました。以下、オージス総研とグループ各社のセッション内容を中心にご紹介します。
DX推進・システム構築
講演されたお客様紹介

「変化に対応するシステム開発のための武器 DX SIテンプレートのご紹介」
ソリューション開発本部 エンタープライズソリューション第一部 マネジャー 小國 敬彦
アジャイル開発(システム・ソフトウェア開発の手法の1つ)の考え方は、多くの企業で採用されており、IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」によると、企業のIT部門でのアジャイル開発導入は近年増加傾向にあります。本セッションでは、アジャイル開発の考え方を取り入れ、変化の激しいビジネス環境に対応するためのツール「DX SIテンプレート」について紹介されました。本テンプレートの3つの主な特徴は、サービスの柔軟な変更が可能なこと、設計段階からシームレスに開発できる仕組みにより省力化・脱属人化に寄与すること、そして高品質な開発が可能であることです。小國氏は、化学品卸売業における基幹システムの再構築プロジェクトにDX SIテンプレートが活用された事例を取り上げ、データドリブン経営の実現と内製化の推進につながった成果を紹介しました。
「DX推進を加速するオージス総研のDX実践フレームワーク」
ソリューション開発本部 コンサルティング・サービス部 業務可視化・IT戦略チーム マネジャー
畑 理介
オージス総研が提唱する「DX実践フレームワーク」とは、経済産業省「DXレポート」をもとに、より具体的で使いやすいものに改良されたフレームワークです。 本セッションでは、DX実践フレームワークの概要、オージス総研のDX推進支援における3つの強みが紹介されました。1つ目は「人・組織」で、人の深層にあるニーズや課題を明らかにする能力、2つ目は「業務」で、業務フローやデータの可視化、改善、システム化構想への展開、そして3つ目は「データ」で、ビジネス課題とデータを結びつけ、分析から業務適用までの一連のプロセスを支援する能力です。お客様の支援事例として、顧客ニーズの多様性と契約業務の複雑さという課題を抱えていた企業の営業企画部門において、問い合わせ対応の効率化、業務の自動化を実現した成果が示されました。
アジャイル
講演されたお客様紹介

「アジャイル成功のカギは自律性! チームを育てる『スクラムチーム成長ノート』」
ソリューション開発本部 コンサルティング・サービス部 新価値創造チーム リーダー 水野 正隆
「スクラム」とは、「アジャイル開発のミニマムセット」と呼ばれるコンパクトな開発フレームワークであり、アジャイル開発の中で最も使われている手法とされています。水野氏は、過去のスクラムチームの調査分析結果を示し、アジャイル開発成功のカギは「チームの自律性」にあると述べました。つまり、チームメンバーが仕事の進め方や進捗を自己管理でき、チームの成長を促す仕組みが重要であるということです。このような背景のもと、オージス総研が開発した「スクラムチーム成長ノート」の概要と活用事例が紹介されました。スクラムチーム成長ノートは、チームの実践状況や成長度合いを可視化し、改善点を検討するためのツールです。「プロセス」、「マインドセット」、「自己組織化」の3つの観点で構成されています。スクラムチーム成長ノートの使用方法として、現状の可視化、改善点の検討、実行、再評価のサイクルが紹介されました。このサイクルを通じて、チームが自己管理能力を向上させ、スクラムを「自分ゴト」として捉えるようになり、アジャイル開発の効果の最大化に貢献すると強調しました。