アプリケーションネットワークがデジタルトランスフォーメーションの課題に対する答えとなる
800名のITプロフェッショナルを対象としてMuleSoftが実施した最新の調査により、66パーセントが、技術プロジェクトを組織全体に提供するという「非常に強い」プレッシャーを感じていることが明らかになりました。さらに、ほぼ同数の回答者が、ビジネスのニーズを満たすには変化が必要であると回答しました。
このことが特に当てはまるのは、複雑なテクノロジーを従来の方法で使用および展開し、変化にすばやく対応できない大規模な組織です。
このような組織は、新しいアプローチが必要であることをはっきりと理解しています。新しいアプローチによって、既存のシステムの価値を最大限に引き出し、再利用可能なアセットを提供できるようになるからです。企業は、このアセットをいち早く構築して、競合他社よりも早く成果をあげることができます。
アプリケーションネットワークの役割
このようなテクノロジー戦略は、アプリケーション、データ、デバイスをAPIによって接続し、「プラガブル」で、再利用可能なサービスを作成するという、「アプリケーションネットワーク」のコンセプトに基づいています。ポイントツーポイントの接続を使用する代わりに、アプリケーションネットワークはアプリケーションを接続可能にすることによって情報交換のためのプラットフォームを提供します。
アプリケーションネットワークは、アプリケーションがデータを共有できる2つのノードと同じくらい単純に構成することができます。あるいは、全社規模に及び、社外にも接続するインフラストラクチャと同じくらい複雑にすることもできます。アプリケーションネットワークは、組織内外の人々からのデータおよびサービスへのアクセスを制御できるように設計されています。これにより、有用なアプリケーションの作成と統合、重要なデータの検索とアクセス、APIの構築と共有を容易に実現できるようになります。
アプリケーションネットワークのコンセプトの鍵となるのは、再利用の考え方です。ネットワーク内の各ノードは、他の場所にあるアプリケーションからネットワークへの接続を介して、再利用可能でなければなりません。これは、APIを使うことにより、アクセスを付与する対象、方法、場所を制御します。
アプリケーションネットワークの基準
アプリケーションネットワークでは、変化に対する柔軟性と応答性を向上させることが可能です。ただし、望ましい結果を得るには、アプリケーションネットワークを設計および展開するときに、重要な基準を考慮する必要があります。この基準には、以下のものがあります。
- 明確な定義:新しいインフラストラクチャについて作業を開始する前に、すべての関係者は、それが厳密にどのように形作られるのか明確にしておく必要があります。これには、情報の共有およびアクセスに使用されるAPIのタイプだけでなく、どのアプリケーション、データソース、デバイスがリンクされるのかを定義することも含まれます。
- 広範な展開:アプリケーションネットワークは、IT部門だけでなく組織全体に権限を付与する必要があります。また、レポート、分析、ビジネスプロセス、オートメーションの各機能を支援するアプリケーション、データソース、デバイスを組織全体が発見しアクセスするための機能をサポートする必要があります。
- モジュール式でシームレスな設計: 急速に変化しつつあるビジネスニーズをすばやく満たすために、アプリケーションネットワークは、モジュール化され、再構成可能でなければなりません。また、クラウドかオンプレミスかに関係なく、ほぼすべてのテクノロジーを標準化された方法で接続する、シームレスなネットワークであることも必要です。
- 弾力性とスケーラビリティ:アプリケーションネットワークは、弾力性に富み、ユーザーの変わりゆくニーズに応じて拡大(または縮小)できるものでなくてはなりません。また、スケーラブルで、組織が新しいアプリケーションおよびデータソースをより簡単に導入できることも必要です。
- エンドツーエンドの監視:アプリケーションネットワークを通るデータは、追跡、監視、分析できる必要があります。このため、ネットワーク内のあるノードからのリクエストの影響を、そのリクエストに関係する他のすべてのノードまで辿って調査することができます。ネットワークは、アプリケーション間の依存性を理解し、それらに加えられた変更に対して影響分析を実行する必要もあります。
重要な成果
アプリケーションネットワークが組織内に展開されると、企業はこれまでの情報のサイロ化を解消しながら、同時にスケーラブルなアプリケーションやプロセスを迅速に構築して展開できるようになります。
新しいアプリケーションは、プリンタに接続するのと同じくらい簡単にアプリケーションネットワークに接続できます。ネットワークは、統合されたビジョンと制御を実現しながら、異なるアプリケーション間の関係に関するインテリジェントなデータを提供することができます。 つまり、うまく設計され展開された「アプリケーションネットワーク」は、高まりつつあるデジタルディスラプションの課題に対応するために必要な、柔軟かつ強力なインフラストラクチャを提供することができるのです。
API-led Connectivityについてもっと詳しく知るには?
API-led Connectivityがビジネスにもたらすメリットや、それを実現するためのAnypoint Platformの詳細情報についてはオージス総研にお問い合わせください。
本記事はMuleSoftのblogをオージス総研が抄訳したものです
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
関連サービス
-
Anypoint Platform™導入支援ソリューション
オージス総研は、Anypoint Platform™使って、お客様のデジタルトランスフォーメーション対応能力を拡張します。
関連記事一覧
- 「今すぐAPIを公開したい」と言われたシステム担当者が取り組むべき3つのこと(第5章)
- 「今すぐAPIを公開したい」と言われたシステム担当者が取り組むべき3つのこと(第4章)
- 「今すぐAPIを公開したい」と言われたシステム担当者が取り組むべき3つのこと(第3章)
- 「今すぐAPIを公開したい」と言われたシステム担当者が取り組むべき3つのこと(第2章)
- 「今すぐAPIを公開したい」と言われたシステム担当者が取り組むべき3つのこと(第1章)
APIがテクノロジー企業だけのものではない理由(後編)
APIがテクノロジー企業だけのものではない理由(前編)
ビジネスのあり方を変える変化のスピード
API-led Connectivityとは何か?(後編)
API-led Connectivityとは何か?(前編)