メール誤送信の対処法と防止対策|リスクや誤送信のパターンも解説

メール誤送信が抱えるリスク

メールを誤送信してしまった場合、さまざまなリスクが考えられます。

  • ・情報漏えい
  • ・プライバシーの侵害
  • ・会社の信用低下

上記3つの観点から、メールの誤送信が抱えるリスクについて解説します。

情報漏えい

メールの誤送信によって、機密情報や個人情報が外部に漏えいしてしまうリスクが考えられます。公開されていない社内情報や独自の研究データなどのほか、顧客との取引の情報などが漏えいしてしまった場合、トラブルに発展してしまいかねません。また、個人情報の漏えいが発生した場合、法的な責任問題に発展した事例もあります。

プライバシーの侵害

メールの誤送信によって個人情報が漏えいしてしまった場合、プライバシーの侵害に該当する恐れがあります。プライバシーの侵害は、刑法上では犯罪行為として扱われません。しかし、民法709条・710条の不法行為責任を負ってしまうため、プライバシーを侵害されたとして慰謝料を請求される場合も考えられるでしょう。

会社の信用低下

上記のように、機密情報や個人情報を漏えいさせてしまった場合、会社の社会的信用が著しく落ち込むことは避けられません。漏えいさせてしまった情報によっては、顧客からの信頼喪失による売上の減少や、関係者への報告およびお詫びの作業が発生してしまうほか、損害賠償を請求されることも十分に考えられます。

メールを誤送信してしまった場合、誤送信した社員に対して注意指導が行われるのが一般的です。しかし、情報漏えいは本人だけではなく会社全体の社会責任を問われてしまいます。場合によっては賠償金を払わなければならなかったり、会社をクビになったりするなどの処分が考えられます。

メールを誤送信してしまうパターン

メールの誤送信には、大きく分けて4つのパターンがあります。

送信先を誤った場合

同姓同名の別人物に送ってしまった場合や、送信するメールアドレスの入力ミス、オートコンプリート機能からの選択ミスなどによって、送信先を誤ってしまうパターンです。これらの初歩的なヒューマンエラーの他にも、一斉送信をする際にBCCの設定ミスや、メール配信システムによる宛先の抽出を行う設定にミスがあった場合も、メールの誤送信が発生します。

送信する件名や内容を誤った場合

件名を間違えて送信してしまう、作成途中のメールを誤って送信してしまうなどのヒューマンエラーも、メールの誤送信でよくあるパターンの1つです。また、会議や商談などの予定を確認するためのメールを送るつもりが、記載すべき予定の日時を間違えてメールで送ってしまったなど、内容を誤って送ってしまうパターンも珍しくありません。

添付するファイルを誤った場合

添付するべきファイルと違うものを添付してメールを送信してしまい、情報漏えいにつながってしまうパターンもあります。ファイルの添付ミスだけでなく、添付のし忘れについてもこちらのパターンに当てはまると言えるでしょう。

社内ルールに違反した場合

メールの誤送信は基本的にヒューマンエラーが原因であるため、誤送信を防ぐために社内でルールを設けている場合もあるでしょう。たとえば、オートコンプリート機能はオフにしておく、社外宛のメールにはCCに必ず上司を入れるなどです。しかし、それらのルールに違反した場合、当然ながらメールの誤送信が発生してしまう可能性が高くなってしまいます。

メールを誤送信してしまった際の対処法

もしもメールを誤送信してしまった場合、きちんと対処を行うことが大切です。以下では、メールを誤送信してしまった場合の対処法について紹介します。ただし、企業によってはワークフローが異なる場合もあるため、自社のフローについてしっかりと確認しておきましょう。

1.上長に報告し、指示を仰ぐ

メールの誤送信が判明した段階で上長に報告し、指示を仰ぎましょう。自分だけで対処しようとするのではなく、まずは上長に判断を委ねることが、リスク管理において重要であると言えます。

2.影響の範囲を確認する

メールの誤送信によって影響がおよぶ範囲を確認します。まずは、速やかに対処するために「いつ・誰に・どんな情報」を誤送信したのかについて確認することが重要です。また、誤送信が発生した原因や、発覚した理由などについてもきちんと整理し、報告しましょう。

3.誤送信先、関係者に謝罪する

誤送信先や関係者の方に速やかに謝罪をした後、状況を説明しましょう。誤送信先には受信した情報を即時処分してもらうよう、併せて削除依頼をします。

謝罪する際の内容には、お詫びの旨と誤送信の原因のほか、再発防止のための対策などについても言及しましょう。誤送信の内容によっては、関係者へ二次被害が及んでしまう可能性もあります。正確な情報を速やかに報告し、誠実な対応を心がけてください。

謝罪は可能な限り電話で行いましょう。すぐに電話をすることで、相手がメールを開封する前に、そのまま削除を依頼できる可能性があるためです。電話がつながらない場合は謝罪メールを送ります。

謝罪メールの例文

■宛先を間違っていた場合の例文

件名:【緊急】誤送信のお詫び

本文:
株式会社△△ 営業担当〇〇様

いつもお世話になっております。▲▲株式会社の●●と申します。
先ほどお送りいたしましたメールですが、宛先の入力ミスで▽▽様宛にお送りしておりました。
こちらの不手際により、誤ったメールを送信してしまい、誠に申し訳ございません。

--------------------------------
送信時:2020/04/01/14:24
差出人:▲▲株式会社 ●●
件 名:お問い合わせ製品のご案内
--------------------------------
大変恐縮ではございますが、上記のメールを開封せず削除していただくよう、お願い申し上げます。お忙しいところお手数をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。
今後このような事態が発生しないよう、送信前の上長承認のフローを義務化いたしました。
改めて、この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

■内容を間違っていた場合の例文

件名:先ほどのメールの内容が誤っていましたことのお詫び

本文:
株式会社△△ 営業担当〇〇様

いつもお世話になっております。▲▲株式会社の●●と申します。
先ほどお送りいたしましたメールですが、こちらの不手際により、誤った内容を送信してしまったものでございます。
誠に申し訳ございません。

--------------------------------
送信時:2020/04/01/14:24
差出人:▲▲株式会社 ●●
件 名:お問い合わせ製品のご案内
--------------------------------
大変恐縮ではございますが、上記のメールを開封せずに削除していただくよう、お願い申し上げます。お忙しいところご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。
今後このようなミスが発生しないよう、送信前のダブルチェック体制を強化いたしました。

改めて、本件についてお詫び申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

■添付ファイルを間違っていた場合の例文

件名:添付ファイル誤送信のお詫び

本文:
株式会社△△ 営業担当〇〇様

いつもお世話になっております。▲▲株式会社の●●と申します。
先ほどお送りいたしました「件名:○○」のメールの添付ファイル「ファイル名●●」ですが、誤ったファイルを送信しております。
大変申し訳ございませんでした。
正しい内容のファイルにつきましては、こちらのメールに改めて添付しております。
そのため、上記の添付ファイル「ファイル名●●」は削除していただくようお願い申し上げます。お忙しいところお手数をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。
今後このようなミスが発生しないよう、送信前の添付ファイルのチェックをさらに徹底して行って参ります。

改めて、この度はお手数を煩わせまして申し訳ありませんでした。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

4.再発防止策を考える

メールの誤送信が発生した場合、謝罪だけではなく再発防止策について考える必要があります。以下の項目では、メールの誤送信の防止対策について紹介いたしますので、再発防止のためにぜひ参考にしてください。

メール誤送信の防止対策

メールの誤送信を防止するためには以下の対策が挙げられます。

送信前に再度確認を行う

初歩的なことですが、メールを送信する前に間違いがないか再度確認を行いましょう。一度落ち着いて確認することで、ミスを未然に防げる可能性があります。

第三者に確認してもらう

送信前に、客観的立場の第三者の方にチェックしてもらう方法です。第三者によるダブルチェック体制を整えることで、メールを作成した本人が見落としていたミスを事前に見つけることができるでしょう。

メールの設定を見直す

メール送信に関する設定を見直すことも、誤送信を防止するための有効な対策です。特に見直しておきたいのが、オートコンプリート機能についてです。ブラウザやメーラーのオートコンプリート機能をオフにすることで、宛先を間違えてしまう可能性を低くできるでしょう。

また、Outlookを利用している場合は、送信保留機能の利用が可能です。この機能を利用することで、送信ボタンを押してもすぐには送信されずに、一度「送信トレイ」にメールが保存されます。一定時間内であれば送信を取り消すことができるため、すぐにミスに気付いた場合は誤送信によるリスクを防止することが可能です。他にも、Gmailでは送信取り消し機能を利用することで、送信後最大30秒までなら送信を取り消すことができます。
Gmailの設定方法の詳細については、Googleのサポートページ(外部サイト)をご覧ください。

メール誤送信防止のシステムを導入する

システムの導入は、メールの誤送信防止に効果的です。システムの導入によって、メール送信時に宛先を再度確認する機能やメール送信時に上司承認が必須になる機能、添付ファイルのダウンロードをリンク化する機能などが利用可能になります。ただし、システム導入の恩恵を最大限に活かすためには、自社の環境に適したものを選ぶ必要があるため、サービス内容などをしっかりと吟味しなければなりません。

まとめ

メールの誤送信が発生した場合、さまざまなリスクを抱えることになってしまいます。もし誤送信が発生した場合は、速やかに適切な対処をしなければなりません。大切なのは、社員個人に対策を任せるのではなく、社内全体で誤送信を未然に防ぐための対策を行っていることです。

有効な対策として、メールの誤送信を防止するシステムを導入する方法がありますが、ファイルを添付して頻繁にやり取りする場合は「オフィス宅ふぁいる便」がおすすめです。

「オフィス宅ふぁいる便」には、送信取り消し機能や宛先登録機能、承認機能などのさまざまな機能が備わっているため、ビジネスでも安心して利用できます。ファイル送信によるメールの誤送信を防ぐツールをお探しの方は、ぜひ「オフィス宅ふぁいる便」のサービスをご利用ください。

2021年5月14日

※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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