今回はもう少し踏み込んで、より具体的な進め方を見ていきたい。
・問題解決プロセス
そのような中で、業務改善プロジェクトを進めるにあたって最低限理解しておかなくてはならないことは何かと尋ねられれば、問題解決プロセスである、と答えるようにしている。問題解決プロセスとは、「問題を解決するための手順」のことで、(1)問題認識、(2)課題設定、(3)解決策検討、(4)実施、(5)評価といったステップを踏む。他にも、4ステップや6ステップで表現されること(流派?)もあり、必ずしも5ステップに拘る必要はない。古典としてはG.ポリアの名著があるし、いろいろ調べてみると面白いだろう。
こういった問題解決プロセスは、仕事に限らず普段の日常生活で誰しもが(意識する、しないに関わらず)問題解決や意思決定などに用いているはずで、皆が納得できるものだと思う。実は、このことはとても重要で、プロジェクトが迷走しないようにするためにも、誰もが理解できるフレームをベースにプロジェクトを組み立て、現在位置を確認しながら進めていくことが肝要だ。
・業務改善プロジェクトの実際
図1. 業務改善プロジェクトの進め方
- 1-1.現状把握
- 現状がどのようになっているかを把握し、問題を認識する。詳細ではなく俯瞰での把握とする(仮説設定)。業務改善企画室が中心となり経営層や部門に対しヒアリングを実施する。
- 1-2 テーマ設定
- 抽出した問題から改善テーマとして取り組んでいくものを選定し、目指す姿を設定、関係者間で合意形成する。改善テーマは経営戦略と紐づけることによって、投資を合理的に説明することが求められる。
- 1-3 方向性設定
- 実行優先順の高いテーマに対して、目指す姿を実現するための解決の方向性を決定する。プロジェクトの企画立案に相当。
- 1-4 モニタリグ&コントロール
- 業務改善プロジェクトの状況をタイムリーに把握し、状況に即した対応を実行する。
- 2-1 業務改善プロジェクトの推進
- 実行主体を編成し、業務改善プロジェクトを推進する。
・まとめ
*本Webマガジンの内容は執筆者個人の見解に基づいており、株式会社オージス総研およびさくら情報システム株式会社、株式会社宇部情報システムのいずれの見解を示すものでもありません。
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