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インタビュー

焦らないソフトウェアコンテスト優勝者インタビュー

人との触れ合いを大事にするシステムを提案したい
2020年1月29日
チーム「roro」
チーム「roro」
和歌山大学 システム工学部 メディアデザインメジャー 泉 瑠々子さん

昨年11月18日に開催したオージス総研主催のソフトウェアアイデアコンテスト第10回 OSCA(OGIS-RI Software Challenge Award) 「焦らないソフトウェアコンテスト」で優勝した「roro」チーム泉さんへのインタビューをお届けします。和歌山大学 システム工学部を訪問し、優勝者インタビューに加えて、泉さんが在籍されるデザイングループの松延先生からもお話を伺いました。

インタビュアー:水野 正隆
(編集:木村 めぐみ)

企画を勉強するために応募

-- 改めまして、優勝おめでとうございます。

泉- ありがとうございます。

-- 最初に泉さんの所属されている学部について教えていただけますか。

泉- 和歌山大学 システム工学部 メディアデザインメジャーの3回生です。

編集注:和歌山大学 システム工学部 メディアデザインメジャーについて詳しくは後半の松延先生のインタビューをご覧ください。

-- 泉さんは3回生なんですよね。これまで優勝された方は4回生や大学院生の方が多かったので、3回生で優勝は凄いと思っていました。
勉強や部活などお忙しい大学生活を送られている時期だと思いますが、そんな中でどういう動機で応募されたのかお聞かせいただけますか。

泉- はい。3回生の前期にデザイン情報総合演習という授業があったのですが、私は他の授業があったので取らなかったんです。他の授業というのは学芸員の資格を取るためのものなのですが、土曜や日曜に実習があったり、デザイン情報総合演習との両立は難しいかなと考えて。

私が取らなかったデザイン情報総合演習という授業では、自分でシステムを提案してグループを組んで実装までします。みんながその授業で企画の仕方から作るところまで勉強している中で、私はやっていないことになるので、夏休み中に何かしないと、と思っていました。そんな時にオージス総研のコンテストがあることを知って、企画の勉強になるな、と応募させていただくことにしました。

-- 凄い。自分で勉強するためだったんですね。先生のご指導はあったのですか。

泉- 一次審査の応募の段階では私だけで考えました。二次審査の段階で、企画書の構成や作り方など、前期の授業で習っていなかった部分を教えていただきました。

編集注:コンテストの審査は一次、二次と2回の書類審査がある。二次審査を通過した作品が本選でプレゼンによる発表を行い、プレゼンの評価に基づいて最終的な賞を決定する。

-- そのときから現在の研究室の松延先生からご指導いただいたのですか。

泉- そうです。3回生の後期から研究室に配属されるのですが、ちょうど一次審査の結果が出るくらいのタイミングで松延研究室に配属されました。オージス総研のコンテストに参加していることは、夏休みの研究室訪問の際にもお話していて、一次審査を通過した後からご指導いただきました。

泉さん

ユーザーの目線が大切だと学んでいる

-- 泉さんのアイデアはストーリーがよく構成されていて驚きました。本選で発表を聞かせていただきましたが、ストーリーの構成が良かったので、「どのような問題に対してどのようにアプローチしたいのか」が分かりやすかったです。アイデアの内容がよく伝わってきましたよ。先生の指導も受けながら相当準備されたのかな、と想像していたのですが、先ほどのお話だと二次審査の段階から先生にご指導いただいたんですね。

優勝したアイデアの詳細は以下の文書からご覧いただけます。
アイデアを説明する文書「【21】ココイル」 (PDF: 約 1.1MB)

泉- そうです。松延先生には、企画書の作り方以外に、アイデアについてもアドバイスいただきました。私が初めに企画したアイデアでは、引率者のことばかり考えてしまっていたのですが、先生に、このアイデアだと引率者だけのアプリで、参加者の行動が制限されている感じがする、とご指摘していただき、引率者と参加者の両方を考えないといけないと学んで、そこからいろいろ考えていきました。

他にも、企画書について、機能の説明になりがちなので気を付けてね、とご指導いただきました。松延先生の研究室が、人間中心設計やユーザー目線で考えてシステムを提案する研究室なので“ユーザーの目線も大切”と学んでいます。

-- アイデアを説明する文書に機能の説明がありますが、「移動中、はぐれそうになったら本人や引率者に教えてくれる」など、システムの振る舞いをユーザー目線で書いていますね。技術者は「はぐれ通知」のような作り手が考えた機能名を書いてしまいがちです。しかも、あれもこれも書かずに機能は3つに絞って分かりやすく構成している。先生にご指導があったとしても、徹底されていて感心しました。

インタビュー風景

アイデアは自分の体験から

-- 今回のアイデアについて教えてください。動機はご自身の悩み事からですか。

泉- はい、そうです。私は集団行動すると、すぐどこかに行ったりはぐれたりすることがあったんです。中学ぐらいまでは少人数のグループ行動なのでお互い把握できたのですが、高校になって一人が複数人を引率するようになったら把握するのが難しくなって。

この夏も、部活の合宿で、私が合宿担当だったのですが、京都駅でキャリーケースを持っている子を気遣いながら歩いていたはずが、いつの間にか人混みの中、みんなとはぐれてしまって。結局は合流できたからよかったのですが、危うく私だけ置いて行かれるところでした。

そういったこともあって、集団行動のとき、はぐれることや時間を気にせず、のびのびと行動できたらいいな、と思ってこのアイデアを提案しました。

-- ご自身のニーズからきているアイデアは、やっぱり訴えかけるものがありますね。すごく響くんですよね。

本選準備で直面したターゲットのブレ

-- アイデアの発端は良くても、考えていくうちにあれもこれも機能を詰め込んでニーズがぼやけてしまうということがありがちです。でもこのアイデアは、「ターゲットはツアーの引率者」とかなり絞っていました。どうやってここまで絞れたんでしょう。

泉- 実は、二次審査のアイデアを説明する文書の段階で私もだいぶ、ぶれてしまっていたんです。最終選考の本選に向けてパワーポイントの発表資料を作っている最中にそのことに直面して、発表資料を作るのに一番苦戦しました。最終の発表資料の形にたどり着いたのが本選1週間前で、そこまでずっとぼけていました。

-- 確かに、アイデアを説明する文書は本選と比べるとターゲットがちょっとぼやけてますね。本選発表ではシャープに絞り込んでいたので、アイデアが明確でした。だからこそ、聞いている審査員がどんどんそのアイデアを元に想像を膨らますことができた。本選では、発展を考えた審査員からの質問も多かったですよね。そこまでターゲットユーザーを絞り込むまでに、どんな苦労があったのでしょうか。

泉- ぼやけてきていることに直面してから、友達に発表を聞いてもらって、発表を聞いてどんな引率者のイメージが浮かんだか教えてもらいました。

私が初めに作った発表資料では、聞いてもらった友達から、機能の説明の一つ目くらいで、「もう分からない混乱する」という感想をもらったんです。その時初めて、私のアイデアを聞く人が経験した旅行の種類が修学旅行だったりツアー旅行だったりと違うから、発表を聞いてイメージする引率者が違うことが分かりました。

そういうこともあって、ぶれたらだめだなと思いました。先生からも二次審査の段階から「絞った方がいい」とご指導いただいていたのですがあまり自覚がなくて、発表資料を作っている段階でそのことを実感してきました。

最終の発表資料にたどり着いた本選1週間前にも、友達に発表を聞いてもらって分かりにくいところを指摘してもらい、発表資料を直していきました。パワーポイントを作るのが得意な友達からは、「ツアーの引率者であることが分かるように帽子をかぶせて絵で誘導してみたら」とコメントをもらって、それを反映したりもしました。

プレゼン風景
本選での発表の様子。スライドには帽子をかぶったツアーの引率者の絵が。

-- 結果は素晴らしかったです。

一人チームだけど周りの人に助けられた

-- 優勝の受賞後にコメントをいただいたとき、「いろいろ困難があったけれど、友達、先生、両親に助けてもらって頑張れた」とおっしゃっていましたね。周りの方の助けもあったとは思いますが、一人でここまで作り上げるのは相当大変だったと思います。くじけそうになったりはしませんでしたか。

泉- くじけそうになっていました。特に、本選前の発表資料を作っているときは、本当に何をやってもうまくいかず、自分でもよく分からなくなってしまったり、自分の提案のはずなのに自分がぼけてしまって定まっていないところが分かってきて、くじけそうになっていました。

同じ研究室に、本選で準優勝をもらった「TeamT」チームがいるのですが、彼らが隣でグループで議論しながら作業しているのを見ながらさびしい気持ちで取り組んでいたこともありました。

-- そんなとき、どうやって持ちこたえたんでしょう。

泉- 両親にはげましてもらって頑張ろうって、ひたすらそんな感じで頑張りました。本選も、今までやったことを出し切る気持ちでとりあえず頑張ろう、と思って臨みました。

-- 発表の練習もされたんですか。

泉- はい。最終の発表資料が完成したのが本選の2日前とぎりぎりだったので、本選前の土日には、両親も巻き込んで発表を聞いてもらいました。

編集注:本選は11月18日の月曜日に開催しました。

-- いい話ですね。

泉- 両親はこの分野の専門ではないので、分からないとなったら「分からない」と率直に言ってもらい、それで直したところもあります。

-- 改めて振り返って、コンテストに出て一番良かったと思う事はどんなことでしょうか。

泉- いい周りの人たちを持ったなと思います。友達に相談に乗ってもらったり、先生には発表資料を見ていただいたり。

-- 貴重な体験でしたね。周りの方のお力もあると思いますが、泉さんが周囲の方々に働きかけた結果なのかな、と聞いていて思いました。その力は、とても大事だと思います。

将来は人との触れ合いも大事にできるシステムを提案したい

泉さん

-- 将来の話を聞いてもいいでしょうか。どんなことをしたいと考えていらっしゃいますか。

泉- 今の研究室が、ユーザーの目線で考える、人間中心設計の研究をしているのですが、2回生の時からそういうことに興味がありました。人間工学の授業は、受けていても楽しくて興味を持ちました。

今、私のアルバイト先では人が足りていなくて、新しい人が入っても指導する余裕がなかったりするのですが、例えば、働く人とお客さんを支援できるシステムの提案ができないかな、と気になっています。

-- 人に興味を持っていらっしゃるのですね。

泉- はい。さっきのお店の例でも、人が足りないところを自動化する、ということもできますが、自動化よりも、お店の楽しみとして人との触れ合いがあると思うので、そういうことを大事にできるような、それでいて働く人の負担を減らせるようなシステムの提案ができたらいいなと思っています。

-- 今回のアイデア「ココイル」も人同士の関係を大事にしていますね。人にフォーカスするけど人が全部頑張るのではなく、システムが人を支えてあげるような関係性。それがすごくいいなと思っていたんですが、やはり泉さんは将来そういう提案をしたいと思っていたのですね。

ありがとうございました。インタビューは以上です。これからのますますのご活躍をお祈りしています。

デザイングループ松延先生訪問編

インタビュー後、泉さんが在籍するデザイングループの松延先生に大学やコンテストに関してお話を伺いました。

人のことを中心に考えてデザイン設計できる人材を育成

松延助教
和歌山大学 システム工学部 システム工学科 メディアデザインメジャー 松延 拓生助教

-- 松延先生はシステム工学部システム工学科メディアデザインメジャーに所属されていますが、どういうことをされているところか、という事からお話を聞かせていただけますか。

松延- システム工学部 は1学科制を取っています。前は5学科あったのですが、今はシステム工学科の1学科で一括で入試をしています。入学後、1年生のうちに10の メジャー (専門領域)の説明を聞いて、どのメジャーに行こうかと考えていきます。

1年生向けにメディアデザインメジャーを紹介するときには、メディアとは媒体で、結局、人と人をつないで、感性や体験をつないで、それを共有するための道具や環境をデザインする領域ですよ、と言っています。

他のメジャーとの違いは何かと聞かれたときにいつも言うのは、人のことを中心に考えるところが大きく違う、ということです。AIという処理技術を考える分野、ネットワークでの通信方法を考える分野などいろいろな分野がありますが、メディアデザインは、それをどう人にとって役に立つ形にデザイン設計をするか、という、そこが軸であることが他のメジャーと違うところです。

システム工学科には10のメジャーがありますが、私たちがデザインするときというのは、情報系に関わらずいろいろな分野との組み合わせが可能だと思っています。ですので、メディアデザインは他のどのメジャーとも組み合わせられるはずで、実際に建築系や機械系のメジャーと合わせて取ろうという人もいます。もちろん、もともと同じ学科だった社会情報学は今までの経緯もあり相性はいいので、一番組み合わせる人が多いのですが、そこは自由ですよ、と。

-- 学生がどういう組み合わせをされるのか、聞いていてワクワクしてきました。

松延- 会社に入って、いろいろなシステムの提案をするときに、一つの専門の中から提案できることもありますが、いろいろな技術分野の強みがあって、それらをまとめて何か提案するということもあります。そのときに、特定の分野の中にだけいると難しいことってあるんですね。そのときに、君たちメディアデザインの人は、いろんな技術を知って、どう、人のために役に立つシステムを提案するか考えられる人材ですよ、とよく言っています。

メディアデザインの中には、サウンド系や、CGなど画像系の先生がいたり、デザインに関して言うとプロダクトデザインの先生や、私は人間工学、ヒューマンインタフェースが専門ですし、インテリアなど建築寄りの先生もいます。

-- 卒業後、皆さんどういうご活躍をされているのでしょう。

松延- 情報系の就職をされる方が多いですが、上流工程やユーザエクスペリエンス、ユーザインタフェース関係で強みを発揮されている方が多いです。デザイナもいます。

演習を通じて学ぶ

-- 先ほど泉さんにインタビューをさせていただきましたが、泉さんは人と人が関わるところに興味があって、それに対してシステムとして何か提案できないか考えていきたいとおっしゃっていました。そういう人材を作っていくのがこちらのメジャーなんですね。泉さんの他にもコンテストに応募されている方は多いのでしょうか。

松延- はい。いろいろなコンテストに応募する人材が育っていますね。オージス総研さんのコンテストもよく応募していて、過去にもメディアデザインメジャーに関係する学生が入賞させていただきました。メジャーの紹介をするときも、コンテストの話を出して、ユーザーのことを考えるというのは評価されている、ということを伝えています。そういうのがきっかけで、自分も応募してみようかな、という人が非常に多いですね。

-- 応募いただき、本当にありがとうございます。私は書類審査から本選まで審査を担当しているのですが、審査するときは大学名を伏せられているので応募チームが在籍する大学は分かりません。今回、本選の審査後に「和歌山大学さんが3組」と聞かされて実はびっくりしていました。

松延- そうじゃないと今回みたいな結果にはならないだろうと思っていましたが、二次審査通過数を聞いた時には私もちょっと驚きました。

-- 私がどうしても聞きたかったことがあるのですが、出場された皆さんは伝える力が強いですね。プレゼンが上手だとか、パワーポイントのコンテンツが良いということもあるのですが、アイデアをストーリーに落とし込んで説明されているところが素晴らしいと思っています。そこは、授業などで訓練されているんでしょうか。

松延- オージス総研さんの他にも、本当にいろいろなコンテストに行っているのですが、同じところを評価していただいてます。授業について言うと、いろんなメジャーがある中で、メディアデザインは演習がとにかく大変だということはものすごく言われます。

メジャーに配属されるのが2年生の前期なのですが、最初にデザイン基礎概論という必修科目があります。前半は座学ですが、後半は実習課題で手を動かして、グループ作業でデザインリサーチをします。ある対象について、今世の中に既存の技術としてどんなものがあるのか、それから、将来どんなことが考えられるのか、というのを調べてきてみんなでカードを作って共有するんです。それを例えばポジショニングマップを作ってサービスがあるところ、ないところを把握したり、そのあとにアイデア発想をします。発想法もいろいろあるので、いくつか紹介して、最後はグループ討議を踏まえて一人一人がプレゼンで発表します。いきなりプレゼンなんですね。これが2年生の最初の授業です。

他にもプレゼンに関わるところで言えば、授業の中で絵の描き方や見やすいプレゼンシートの作り方を指導しています。その他の多くの授業で、プレゼンテーションは付いて回ります。自分の提案を1枚でまとめるとか、こういう授業も結構、訓練になっているんじゃないかと思います。

-- やっぱり訓練ですね。泉さんのお話で、友人にプレゼンを見てもらってフィードバックをもらったとおっしゃっていたのですが、聞く側もリテラシーがないと答えられないだろうと思っていました。今の先生のお答えで様子が分かりました。皆さん、訓練されているからですね。

松延- ここが多分突っ込まれるとか、ここが分かりにくいというのは分かるでしょうね。

ターゲットのユーザーを明確にする

-- 泉さんの作品はターゲットを絞り込んでいることが評価されていました。そのような点も学習されているのでしょうか。

松延助教

松延- 前のデザイン情報学科時代からメインにしているデザイン情報総合演習という授業があるのですが、自分たちで何をやってもいいんです。グループを作って、テーマを決めて、システムを提案する。ゴーサインが出たら進めますが、ダメなものはいつまでも企画が通らないんです。企画が通らないと、製作期間がなくなるんですよね。そういう演習をやっています。

3年生の後期には、ユーザエクスペリエンスデザインという授業をしています。私は人間工学やヒューマンインタフェース、ユーザエクスペリエンスが専門ですが、「ユーザーの気持ちを大事にしないといけない」とずっと言っています。「どんなシーンで使うのか、そのシーンが重要な人というのはどんなセグメント、どんなターゲットのユーザーなのか、というのを絞りなさい」と。ユーザー全部です、とかみんな言うんですけど、絶対そんなことはない。

ユニバーサルデザインという言葉がありますが、ユニバーサルデザインだからみんなが対象、としてはだめなんです。「ユニバーサルデザインだけど、属性を明確にしないと設計できないんだから、そこを曖昧にしたら絶対にダメですよ」とずっと言っています。

さらにUX(ユーザエクスペリエンス)を考えるには、どういう人がこの状況に陥るのか、その人は今どうやって生活をしているのか、工夫している人はどんなものを利用しているのか、と状況を理解するのが大事ですよと。ゴールに向かってもっといい解決案が本当にないのか考えなさい、ということをやっているので、そのあたりは生きているんじゃないかなと思います。

-- 泉さんの作品にも生きていたんだと思います。泉さんは松延先生からたくさんご指導いただいた、とおっしゃっていました。本選には、どんなご指導をして送り出されましたか?

松延- 本選が確か月曜日でしたよね。私が最後に発表資料を見たのが金曜日だったのですが、「これだけやったんだから、あとは自信持ってやるだけだね」と言いました。金曜の時点でポイントは整理できていたので、そこで十分ですよと。

あとは20分というプレゼン時間は長いですから、前半のここがメイン、というところがあったのでそこだけメリハリを意識しとけばいいんじゃないか、と言いました。本当それぐらいですね。

-- 本選ではすごくしっかりお話されていたので、いい感じで送り出されたんだろうなと思ってました。それでは最後に、松延先生が学生さんに対してモットーとされていることをお聞きしてよいでしょうか。

松延- これからは、まずIT技術の活用が基本となります。情報技術は当たり前で、そこが苦手だという人は必ずいるんですが、避けるのはやめたほうがいいと。今、システム工学部ではどんなメジャーの人も情報系は必ず勉強するベースラインに入っています。情報技術を踏まえてデザイン提案をする力というのが必要なんですが、そのときに、ユーザーだけでなく関係する人間すべての視点で考えることが大事ですよ、ということを言っています。

-- 今後もさまざまな分野で活躍される人材が育成されることを楽しみにしています。本日はお忙しいところありがとうございました。

松延研究室にて
松延研究室にて、コンテストで準優勝した「TeamT」チームの鈴木 舜也さん、温井 絵理さんと一緒に。

専門分野はユーザエクスペリエンスデザイン、人間工学、ヒューマンインタフェースデザイン、ユーザビリティ。利用者である人間の特性を解析し設計を支援することを研究テーマとしています。