AI(Artificial Intelligence)

人工知能(Artificial Intelligence)の高度化に適応し、新しいアプリケーション・モノ・サービスの技術開発を行います。

人工知能とディープラーニング、そして生成AIへ

「人工知能」(AI)という言葉の初出は、1950年代と言われています。第1次AIブームと呼ばれたその時代において、AIとは、チェスや数学の定理の証明を行うことができるコンピュータを指す言葉でした。

第2次AIブームと呼ばれた1980年代においては、記述された知識表現(ルール)を基礎とする「エキスパートシステム」(推論エンジン)など、AIは、より現実的な判断を行うシステムを指すようになります。当時、日本では「第5世代コンピュータ」プロジェクトが推進され、AIに関連する意欲的な研究が多数行われました。オージス総研にて、AIについての最初の取り組みを開始したのも、この時期になります。

その後2010年代には、1980年代初出の「ニューラルネットワーク」と呼ばれる脳神経回路を模したアルゴリズムの活用が現実的に可能となったことを契機に、第3次AIブームが訪れました。ニューラルネットワークを基礎とする深層学習(ディープラーニング)により、分類・予測・認知などのタスクに適した特徴抽出法をデータから学習することができるようになり、AIは、従来よりも高精度な推論を行えるようになりました。

そして、2020年代に入り、大規模言語モデルをベースとした生成AIを中心に第4次AIブームが訪れています。かつてない大規模な学習により、我々が使う自然言語でさまざまなタスクをこなすことができるようになりました。生産性の向上だけでなく、ホワイトカラーを中心とした多くの職務を変革しうるものと考えられています。利用に際して課題や懸念は残っていますが、日本国内での期待は高く、生成AIを利用したサービス開発や大規模言語モデルそのものの開発が盛んに行われています。

オージス総研のAI関連技術への取り組み

オージス総研では、2017年からAI関連技術への取り組みを強化してまいりました。ルールエンジンや従来型の機械学習・深層学習モデルを用いた特定課題への技術支援だけでなく、生成AIについても技術開発や検証を行っております。

これまでの取り組み

2023年度の取り組み

識別系AIベースのチャットボットの構築(Rasa,Transformers)
深層学習ベースの自然言語処理における最新手法の検証(RLHF,Prefix Tuning,QLoRA,AWQ)
生成AIベースのチャットボットの構築(RAG,Langchain,Azure OpenAI,Azure AI Search)
画像解釈が可能な大規模言語モデル(LLM)サービスの評価・検証
深度推定をベースとした3D画像認識技術の開発
音声認識と話者分離を応用した議事録自動化に関する検証
Visual Positioning Systemに関する調査
Hubs Cloudを用いた社内メタバース構築に関する調査
国産量子コンピュータ3号機を用いた検証
ブレインテックに関する技術調査、実デバイスを用いた検証
衛星データ活用技術の評価、検証

2022年度の取り組み

画像処理モデルの実適用向け検証(DETR,Vit,Swin Transformer 等)
自然言語処理モデルや手法の検証(Fusion-In-Decoder,BRIO,SNGP 等)
Transformer系モデルの推論高速化の検証
テキスト生成によるフリートークモデル(対話型AI)の応用検証(継続)
対話型AIとアバターを用いたNPC(Non Player Character)の実証検証
音声関連技術の検証(Whisperによる認識、Empathによる感情推定 等)
Machine Learning Ops基盤に関する応用検証(継続)
量子コンピュータによるリザバーコンピューティングの実装、評価
衛星データ活用検証(災害や土地開発状況の分析、可視化 等)
メタバースプラットフォームの調査と対外イベントでの実証検証

2021年度の取り組み

最新の自然言語処理OSSの検証(Hugging Face Transformers,spaCy 3.0 等)
Transformerにおけるパラメータ数拡大と計算量抑制を両立する手法の検証
テキスト生成によるフリートークモデルの応用検証(継続)
人物追跡と骨格抽出を用いた時系列行動分析
Unity Perceptionを用いた合成データセット開発
Machine Learning Ops基盤に関する応用検証
D-wave(Advantage)を用いた組み合わせ最適化の応用検証(最適な献立提案)

2020年度の取り組み

テキスト生成によるフリートークモデルの応用検証
BERTの各種改良モデルを用いた精度検証(類似検索、固有表現抽出)
QuartzNetを用いた音声認識の検証
映像データを用いた工場内での不安全行動の検出
Machine Learning Ops基盤に関する評価・検証
D-wave(Advantage)を用いた組み合わせ最適化に関する技術評価(巡回セールスマン他)
People Analyticsの取り組み(業務データを用いたKnow Who可視化)

2019年度の取り組み

深度推定モデルの応用検証
人体部位セグメンテーションによる安全管理への応用検証
GAN/画像生成モデルの応用検証
自然言語処理における転移学習の検証(BERT)
spaCy/GiNZAによる日本語処理の検証
OSSを用いたテキストマイニング手法の検証
Transformerを用いたテキスト生成の検証(T5)

2018年度の取り組み

画像による姿勢推定の応用検証
CNNによる流体力学モデルの検証
分散表現その他による類似文書検索の検証
抽出型手法による文章要約の検証
RPA+AI-OCR+ルールエンジンを用いた帳票処理業務効率化検証
自然言語処理+強化学習を用いたコールセンターChatBotの応用検証

2017年度の取り組み

屋外設備の画像診断
葉物野菜に付着した害虫の検知
センサーデータに対する深層学習を用いた取り組み

2016年度までの取り組み

国内外の事例調査
設備検査における実現可能性評価
ツール/フレームワーク調査・比較評価
配備環境構築・プラットフォーム選定(※1)
AI活用システム開発プロセスの管理
教師データ作成ツールの開発・提供

今後に向けた取り組み

オージス総研では、ルールエンジンや従来型の機械学習・深層学習モデルを用いた課題解決に資する技術開発に加え、急速に発展している生成AIに関する技術開発を強化していきます。また、弊社の実績・知見をベースとしたコンサルティングサービスを通じて、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進をご支援してまいります。

※1 AI活用環境の構築容易性と、必要な学習モデルの柔軟性を踏まえてプラットフォームを選定し、開発を進めることがコスト最適化の観点で必要になります。

AI活用環境の構築容易性と柔軟性の関係

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「スマートグリッド社会成熟度モデルと人工知能」
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