DataRobotとは?製品概要・機能一覧・解決できる課題・活用目的や使い方例を徹底解説
データ活用を成功させるためのポイントやプロセスを事例を交えて解説したコラム「データ活用の成功プロセス|ポイントや事例も徹底解説」を公開しました。ぜひそちらもご覧ください。
AI・機械学習ソフトウェア「DataRobot」とは?
DataRobotとは、「優れた予測を素早く誰でも」という理念のもと開発された機械学習を自動化するAIプラットフォームです。
世界中のデータサイエンティストが集結し分析力を競い合っている「Kaggle」において高成績を収めたデータサイエンティストのデータ分析ノウハウが組み込まれたシステムです。
DataRobotは、データプレパレーション、モデリング、モデルデプロイ、予測実行までのデータサイエンスプロセスをトータルで自動化します。
業務課題から適切なデータ分析テーマを導出し、誰もが機械学習やAIを自由に使うことで、組織の生産性を大きく向上させることができます。
DataRobot社について
・2012年
DataRobot社設立
Kaggleのトップデータサイエンティストを集め、ボストンに設立。
・2017年
日本オフィス立ち上げ
・2018年
国内100社導入達成
2020年時点Global2000に含まれるTop10社の日本企業のうち9社が採用。
・2020年
世界中に拡大中
世界中で1000名を超える社員のうち500名以上がデータサイエンティストとエンジニア。
DataRobotのご利用形態
トライアルでは、AutoML、MLOps、Data Prep(旧 Paxata)をご使用いただけます。
「DataRobot」の5つの製品ラインアップ
1.Automated Machine Learning (Auto ML)
DataRobot Auto MLは、「連続値」または「分類」の高度な予測を行うモデルを機械学習で自動的に複数作成し、より精度の高いモデルを推奨してくれます。
また、アップデートにより以下の機能が追加されています。
VisualAI | Visual AIは画像を用いたモデルの作成、解釈、利用を圧倒的に自動化することで、ディープラーニングに必要なスキルやリソースを持たない状態でも画像を用いたモデリングを迅速に行うことを可能にします。 |
---|---|
Auto DL | 非時系列・時系列モデリングにおいて、ディープラーニング機能を大幅に強化しました。 実ビジネスにおいても信頼性が高く、本番環境にデプロイ可能なディープラーニングモデルを容易に構築できます。 |
AIアプリケーション | 機械学習モデルを利用したアプリケーション作成を自動化することで、最終的に意思決定をおこなうユーザーに対して使いやすいAI利用インターフェースを提供します。 What-If分析や、逆問題ソルバーによる予測値の最適化などを実行できます。 |
2.Automated Time Series (Auto TS)
DataRobot Auto TSは、時系列モデリングを自動化します。
時系列モデリングの目標は、時間に依存するデータの過去の動きから未来のパフォーマンスを予測することです。たとえば、休暇シーズンの売上や翌週に必要なスタッフの人数を予測したり、過剰在庫を抑えて製造需要に適した在庫を維持できるようにします。
3.DataRobot Data Prep
DataRobotプラットフォームに組み込まれた DataRobot Data Prep(旧Paxata)は、経験の浅いユーザーでもエキスパートユーザーでも、多様なデータを迅速かつインタラクティブに探索、プロファイリング、クリーンアップ、情報付加、整形して、機械学習モデルの開発とデプロイに必要なデータ資産を作り出すことができます。
4.DataRobot MLOps (Machine Learning Operations)
DataRobot MLOpsは、本番環境のAI向けであり、高度なAutomated Machine Learning(AutoML)ヘルスモニタリングを使用して、モデルの全体的な品質を改善し、モデル比較を継続的かつ自動的に行い日々変化する状況に対応します。
5.DataRobot Enterprise Light
DataRobot Enterprise LightはAIプロジェクトの成功に向けて、DataRobotをクイックに始めていただくためのプランです。
DataRobot Starterは、DataRobot Data Prep, DataRobot Auto ML,DataRobot Auto TS, DataRobot MLOps が SaaS 環境で用意されています。
ご利用いただくサービスの最小構成は、DataRobot Auto ML, DataRobot Auto TS,DataRobot MLOpsのセットを推奨しています。
DataRobot Enterprise Lightのご利用に際しては、DataRobotを効果的に活用いただくために、DataRobot UniversityトレーニングのAutoML Ⅰ(旧エッセンシャルトレーニング)の受講を推奨しています。詳細は以下のサイトをご確認ください。
DataRobotトレーニングのカリキュラムが新しくなりました(外部サイト)
DataRobot University(外部サイト)
「DataRobot」の4つの機能一覧・概要
1.Automated Machine Learning (Auto ML)
DataRobot Auto MLは、「連続値」または「分類」の高度な予測を行うモデルを機械学習で自動的に作成します。
1-1.データのインポート
DataRobotはさまざまなデータのインポートを備えています。
ドラッグ&ドロップでローカルのデータをインポートすることで、すぐに始めることができます。
【ローカルファイル】から、ローカルファイルをアップロード
【AIカタログ】からデータを取りだし、直接プロジェクトを作成
【URL】から、Amazon
S3バケットなどのURLを指定してインポート
【データソース】から、データベースコネクションを介してインポート
【HDFS】から、Hadoopに接続してインポート
1-2.探索的データ解析
データをインポートすると、DataRobotは探索的データ解析(EDA)を行います。
その結果、データセット内の各特徴量の平均値や中央値、ユニークな値の数、欠損の数などが表示されます。
特徴量名をクリックするとヒストグラムが表示され、分布を詳細に見ることができます。
1-3.ターゲット(目的変数)の設定
トレーニングデータの内容を十分に確認した後に、ターゲットを設定してDataRobotに何を予測するかを教えます。
ターゲットは変数のうちの1つを設定します。
画面の一番上までスクロールして、テキストフィールドにターゲットとなる列の名前を入力してください。
DataRobotは分類問題か回帰問題かを自動で判別し、ターゲットの分布のグラフを表示します。1-4.モデリングのオプション
ターゲットを設定したら、あとは開始ボタンを押すだけでオートパイロットを実行することができますが、モデルを構築する前に幾つかの設定をカスタマイズすることもできます。
たとえば、[高度なオプション] > [その他]で、パーティションを変更することができます。
たとえば、[高度なオプション] > [その他]で、最適化指標を変更することができます。
開始ボタンを押すと、パーティションを作成し、特徴量の分析を行い、DataRobotはモデルを30~40個作成します。
まず、ブループリント(下図)を作ります。
ブループリントは、トレーニングデータの内容や分布に最適と考えられる前処理とアルゴリズムの組み合わせです。
ブループリントは、DataRobotが作成するすべてのモデルに用意されています。
1-5.モデルの評価
DataRobotが作成したモデルは、リーダーボードで、評価指標の良い順番にランキングされます。リーダーボードは、[モデル] タブの中にあります。
さらに高い精度が必要な場合は、[精度を高める]ボタンを押下することで、別のブループリントが参照され、モデルが追加されます。
データ・サイエンスでよく使用される評価メトリックは、[評価] > [ROC曲線] で見つけることができます。ここには、混同行列、ROC曲線、予測分布などがあります。
1-6.モデルの解釈
モデルの精度を評価した後に、モデルに使用した特徴量がそれぞれ予測にどのように影響を与えているかを[解釈]タブの中に用意されているツールで確認できます。
[特徴量のインパクト]では、そのモデルにとってどの特徴量が最も重要かを見ることができます。
また、[特徴量のインパクト]はアルゴリズムに依存しない手法で計算されますので、DataRobotが作成するすべてのモデルで特徴量のインパクトを見ることができます。
同じく[解釈]タブの中にある[特徴量ごとの作用]を使えば、それぞれの特徴量が個別に予測にどのように影響を与えているかを見ることができます。
右図の例では、「年収入」が貸し倒れをどのように低下させるかが分かります。
これも、部分依存と呼ばれるモデルに依存しない手法で計算されています。
特徴量のインパクトと特徴量ごとの作用は、各特徴量の予測全体に対する 影響を示します。
各特徴量が予測一つ一つにどのように影響を与えるかは、
[解釈] > [予測の説明]
で見ることができます。
この画面では、例として、予測の貸し倒れ率が高い申込者3名と低い申込者3名を選び、それぞれどうしてそのように予測したのか、その理由を示しています。
これはデータサイエンティスト以外の人にどういうモデルなのか説明するのに非常に便利です。業務知識を持っている人がこの具体例を見れば、どういうモデルなのか理解することができ、そのモデルを業務に組み込むことができるかを判断できるはずです。
この画面では一部しか示していませんが、予測の説明は全ての予測に対して取得することができます。
1-7.モデルのデプロイ
[予測]タブの中に、DataRobotで予測する方法が2種類用意されています。
1つ目の方法は、[予測を作成]でGUIを使用して予測データをアップロードする方法です。予測を計算したあと、「予測をダウンロード」ボタンを押すだけで予測結果をダウンロードすることができます。
通常、アドホックな分析やあまり頻繁に予測を行う必要がない場合に使用します。
[デプロイ]で、人手を介さずにアプリケーションから直接予測するためのREST APIエンドポイントを作成できます。
独立した予測サーバーを使用することで、低レイテンシー、高スループットの予測をすることができます。また、定期的に予測を実行することもできます。
2.Automated Time Series (Auto TS)
DataRobot Auto TSは、時系列モデリングを自動化します。
2-1.ターゲット(目的変数)の設定
ドラッグアンドドロップが完了したらターゲットに「売上」を設定し、何を予測するかを教えます。
次に「時系列認識モデルを設定」を押して、主時間を表す特徴量として「日付」を選択します。
DataRobotは、自動で時間の特徴量を提案してくれます。
2-2.時系列モデリングに必要な設定
次に、時系列モデリングに必要な設定を行います。
右図のように、「派生特徴量を作成する期間」と「予測したい期間」の設定を行います。
ここではデフォルトのまま、過去35日間の期間を使って特徴量を派生し、1~7日先の予測を行います。
次に、事前に既知の特徴量を設定します。
今回のデータでは青色の列である「クリスマス期間」、「ブラックフライデー期間」、「祝日」、「イベント」が事前にわかっている情報であるため、特徴量一覧からこれらを選択しチェックします。
そして、「メニュー」から「4個の特徴量を事前に既知として切り替える」を選びます。
上部の「開始」ボタンを押下します。
2-3.時系列の特徴量エンジニアリングの自動化
特徴量の派生が完了した後、「データ」から特徴量の一覧を見ると、特徴量の数が200弱まで増えていることが確認できます。
DataRobotではこのように、インプットデータの時系列の特徴量エンジニアリングを自動で行います。
2-4.精度の視覚的な確認
モデルの「評価」から「時系列の精度」を選択することで、実測値とモデルの予測値の時間軸での当てはまりを視覚的に確認することができます。
3.DataRobot Data Prep
DataRobotプラットフォームに組み込まれた DataRobot Data Prep(旧Paxata)は、経験の浅いユーザーでもエキスパートユーザーでも、多様なデータを迅速かつインタラクティブに探索、プロファイリング、クリーンアップ、情報付加、整形して、機械学習モデルの開発とデプロイに必要なデータ資産を作り出すことができます。
3-1.データの確認
[その他のアクション]−[プロファイル]をクリックすると、各カラムの各種集計情報が得られます。
プロジェクトを立ち上げなくても、プレビューでデータの先頭行を確認できます。
3-2.ツールの機能
ステップ | プロジェクト内のステップ(データ操作)を表示、編集、追加、削除する。 |
---|---|
バージョン | バージョン履歴を表示し、コメントを加えることができる。 |
ハイライト | メインパネルの表示にさまざまな可視化を加える。 |
結合 | 外部テーブルの結合を行う。 |
カラム | カラムのリネーム、削除、順序の変更などの整理作業を行う。 |
計算 | さまざまな関数が用意されており、計算結果を新たなカラムに格納する。 |
ウィンドウ | Group Byによる集約、ローリング、ラグ、ランクなどを追加する。 |
削除 | 選択した行を削除する。 |
サンプリング | 行のランダムサンプリングを行う。 |
シェイプ | 重複行の削除、Group By、転置、ピボット、デピボットを行い、新たなテーブルを作る。 |
シェイプ | 重複行の削除、Group By、転置、ピボット、デピボットを行い、新たなテーブルを作る。 |
自動採番 | 一意のインデックスカラムを追加する。 |
予測 | DataRobotに予測を依頼する。 |
レンズ | スナップショットを切り出す。 |
3-3.フィルター グラフ
取り込んだデータの概観を確認するために、フィルター グラフを使うのが便利です。
ユニーク値でのフィルタリング以外にも、valid/invalid、空白などでもフィルタリングできます。
「有効」のチェックを外すと、カテゴリ値として無効な行と空白行だけを抽出することも可能です。データ補間の際は一括で置換できます。
4.DataRobot MLOps (Machine Learning Operations)
DataRobot MLOpsは、本番環境のAI向けであり、高度なAutomated Machine Learning(AutoML)ヘルスモニタリングを使用して、モデルの全体的な品質を改善し、モデル比較を継続的かつ自動的に行い日々変化する状況に対応します。
・ サービスの正常性監視
・ モデルの性能監視
・ モデルのガバナンス
・ モデルの一元的な管理
デプロイのダッシュボードにおいて、一覧の上部に、すべてのアクティブなデプロイの使用状況とステータスの要約が色分けされた状態の指標とともに表示されます。
サマリーの下には、各配置の個別レポートが表示されます。
配置の名前の横には、3つの主なコアモニタリングの項目における各デプロイの相対的な状態が表示されます。サービスの正常性、データドリフト、精度です。
さらに、表示される列を切り替えて、ガバナンスの観点に関連する情報を持つ配置を表示したり、予測の正常性の情報を表示したりすることができます。
デプロイの概要ページは、デプロイを作成する際に提供した情報やモデルの置き換え作業など、配置を説明するモデル固有のサマリーを提供します。
[サマリー] | デプロイが追加されたときにユーザーが入力した名前と説明が表示されます。 |
---|---|
[コンテンツ] | 指定されたターゲットを含むデプロイ固有の詳細と、モデルの作成に使用されたデータセットがある場合はそのデータセット、カスタムモデルに関する情報など、デプロイの種類によって異なるモデル情報を提供します。 |
[ガバナンス] | モデル管理の承認プロセスを実装する方法を提供します。これには、モデルの作成日とデプロイ日、モデルが置き換えられたときのログが含まれます。 |
[サービス正常性]タブでは、予測要求に迅速かつ確実に対応するデプロイの能力に関するメトリクスを追跡することができます。
このメトリクスの追跡は、予測の速度と応答時間に影響を与えるボトルネックを特定するのに役立ちます。
また、スループットとキャパシティの評価にも役立ちます。
これらは、良好なパフォーマンスとレイテンシーレベルをサポートするために適切なリソース・プロビジョニングを行うために重要です。
[データドリフト]タブでは、トレーニングデータとデプロイに加えられる予測データを活用することで、データドリフトを評価することができ、予測のための入力データが、モデルの訓練に使用されたデータとどのように異なっていたかを計算します。
[精度]タブでは、モデルの予測がどれだけ正確かを確認することができます。
モデルが行う予測から、実際に発生した結果をキャプチャすることは、すぐに明らかになる場合もあれば、数日、数週間、または数ヶ月かかる場合もあります。
いずれにしても、実績を取得してアップロードすると、MLOpsは実績と予測と関連づけ、計算された精度をレビューと分析のために提示します。
「DataRobot」の2つ活用目的
1.企業のAI化を推進し、競争力を向上させる
優れたデータサイエンティストを見つけ、雇い入れることは容易ではありません。
AIで企業を革新するためには、自社の活動を組織化し、まずは活動推進チームに投資しましょう。
機械学習やデータ分析で陥りやすい失敗を未然に防止したり、必要なアラートを上げてくれる機能を持った機械学習の自動化により、データサイエンスを熟知したメンバーでなくても、ビジネス課題の解決に必要なモデルを安全に作成することができます。
高度な自動化の恩恵で、最適なモデルを入手するまでの時間がごくわずかになり、投入したデータセットの中でモデルの精度は高いレベルに引き上げられます。
また自社のデータサイエンティストは、より少ないリソースで、より多くのデータ分析テーマを処理できるようになります。
その結果データサイエンティストは、より戦略的なデータ分析テーマに時間を割くことができるようになります。
2.AIから利益を得る
ビジネスにAIを採用する企業は増えています。
しかし、AIへの投資から大きな利益を得られている企業はまだまだ少ないのが現状です。
AI利活用の成否の分かれ目はどこにあるのでしょうか?
分かれ目のひとつは、解決しなければならないビジネス課題をしっかり洗い出し、そこを起点にデータ分析テーマが導出できていることです。
次に、最初のAIプロジェクトで大きな利益が上がらなくても、AI化の活動を続けることです。
仮に数十のテーマが導出できていたとしても、大きな成功となるテーマはそもそも少ないということです。
多くのトライをこなすためには、自動化による活動のスピードアップが必要不可欠です。
AIの利活用がうまくいっている企業は、AIがうまく働くためには人間の助けが必要であることを理解し、人間が上でもAIが上でもない、それぞれのユースケースに応じた協働作業の運用を含む、活動の初期で学んだ結果を、自社の経営手法に活かしています。
「DataRobot」の4つの活用領域と活用メリット
1.顧客分析で使う
新規顧客と既存顧客のどちらについても効率的な営業が求められています。
また今の厳しい状況下において、訪問とリモート(Web会議、電話、チラシなど)の選択をはじめとする適切なリソース配分も大きなポイントになっています。
従来、類似した顧客をマーケティング用にグループ化する「クラスタ分析」がベストプラクティスであるとされてきました。
クラスタリングではターゲティングの効率が下がるため、きめ細やかなマーケティングが難しくなり、売上の減少やコストの拡大を招きがちです。
最新の機械学習技術では、人間の複雑な行動を個人レベルで正確に予測したり、顧客のROIと生涯価値(LTV)を分析することで、顧客のグループ分けを行い、グループごとの特徴と傾向を把握することで、実際の営業アクションにつなげていくことができます。
別のユースケースでは、過去の実績データをインプットに、機械学習で作成をしたモデルを使って、自社の製品やサービスから離脱する可能性が高いと推定される顧客を検知し、業務担当者にアラートを上げ、具体的な対策の検討をうながすことができます。
2.需要予測で使う
製造業においては、将来の製品の売上の予測を、より正確に行うモデルを機械学習で作成することで、より適切な生産計画や在庫管理に役立てることができます。
小売業や飲食業においては、店舗への来店の予測を、より正確に行うモデルを機械学習で作成することで、前日の準備や仕込み、仕入れ、シフト作成、四半期・半期・通期の売上見込といったさまざまなことに役立てることができます。
店舗ごとに異なる商圏、立地、客層、取り扱い商品により、単一のモデルで予測するのは難しい課題である場合でも、各グループや各店舗ごとにモデリングを行うことで予測の精度を向上させることができます。
また、作成したモデルが重要視しているデータ項目とその内容や分布をチェックすることで、これまでに知りえなかったインサイト(洞察)を得ることが期待できます。
3.状態監視保全で使う
製造業において、設備や装置の状態を表すデータを継続的に収集し、そのさまざまなデータを学習することで、機械学習で作成されたモデルは、複数のデータ項目間の関係性も含めてモニタリングし、設備や装置の異常予兆を検知します。
モデルは対応のためのリードタイムを考慮したタイミングで、検知した内容を通知します。
業務担当者は、通知内容をチェックし、適切なメンテナンスを行うことで、時間計画保全の単独運用よりも、より効率的な業務を目指すことができます。
4.要因分析で使う
繰り返し現れる、ある好ましくない事象や不具合を正確に予測するモデルを作成すると、その事象や不具合の原因の掘り下げを進めることができます。
それは、DataRobotがそのモデルごとに予測に使用している特徴量の寄与度を細かく示してくれるからです。
振動などの物理現象をテーマにする場合は、ラグ特徴量を事前に作成することで、その物理現象の伝播のトレースに取り組むことができます。
マーケティングにおいては、失注や離脱をテーマにする場合は、顧客のマスタデータとさまざまな行動データで予測モデルを作成することで、それらを予測するだけでなく、原因にせまることが可能になります。
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DataRobotでAIモデルが完成するまでの4つのステップを解説します
「DataRobot」の特長・他製品との優位性
多くの企業で機械学習やAIの活用が始まっており、多種多様な成功事例が生まれています。
一方で、これまでは機械学習をビジネスに役立てるには、データサイエンスの深い知識と経験をもった専門性の高いデータサイエンティストが必要不可欠でした。
しかし、DataRobotは機械学習の多くのプロセスを自動化することで、専門性が高いスキルを持たない方でも、業務課題の解決を支援するモデルを素早く簡単に作ることができます。
DataRobotはモデル作成、分析結果の評価、ビジネス施策への適用・実行のプロセスをサポートすることに特に優れています。
DataRobotは多様なデータを取り扱うことができ、そのAIプラットフォームでは、Data Prep(データの管理・データの準備)、Auto ML / TS(特徴量エンジニアリング・モデルの作成・モデルのインサイト)、ML Ops(アプリ作成・モデルの管理と監視)といった大きく3つの機能を備えます。これらの卓越した機能を通じて、お客様のビジネス課題を解決し、お客様のビジネス価値向上に貢献します。
<DataRobot 3つの特長>
1.データは、数値/カテゴリ、時系列、テキスト、画像、位置情報などを取り扱うことができます。数値データと画像データをバイモーダルで扱うことも可能です。
2.二値分類、多クラス分類、連続値回帰、時系列予測、異常値検知などを多様なアルゴリズムで行うことができます。
3.自動で作成したモデルは、顧客ターゲティング予測、離脱予測、需要予測、金額推定、不良品判別、要因推定などに役立てることができます。
DataRobotは、信頼できるエンタープライズAIプラットフォームであり企業のAI化に必要な機能をエンドツーエンドで提供します。
データプレパレーション、モデリング、モデルデプロイ、予測実行までのデータサイエンスプロセスをトータルで自動化します。
また、絶え間ない機能アップデートにより、データ品質アセスメント、自動特徴量探索、Visual AIをはじめとする革新的な機能がDataRobotから継続的に提供されます。
高度なデータサイエンスを使いつつも、適切なガードレールと、処理の内容や結果の詳しい説明がAIプラットフォームから提供されることで、ビジネスユーザーもAIの力をすぐに利用することができます。
また、AIプラットフォームの優れたUI、DataRobotが提供する豊富なトレーニング、当社を含むDataRobotパートナーのさまざまな活用支援により、お客様は計画的にAIサクセスに向けて、しっかりとした活動を進めることができます。
DataRobotの導入手順
DataRobot トライアル
まずは、以下のDataRobotコミュニティにユーザー登録を行い、DataRobotの価値や機能を詳しく確認します。
ラーニングセンターの「DataRobot 使い方ガイド」に掲載されている動画をご視聴ください。
DataRobot 使い方ガイド(外部サイト)
次に、以下のURLからDataRobot トライアルを申し込み、革新的なAIプラットフォームを実際に体験します。
トライアルにお申込みいただいたお客様には、トライアル開始前後、トライアル中、トライアル終了後の3回程度まで必要に応じてWebサポートさせていただきます。
DataRobot トライアルのお問い合わせ
トライアルでDataRobotの価値を確認した後は、以下のお問い合わせフォームで見積をご請求ください。
お問い合わせフォーム
ご契約後、利用開始日からすぐにDataRobotをご利用いただけます。
DataRobot エンタープライズ
DataRobot エンタープライズをご導入いただくまでの流れをご紹介します。
■ステップ1 DataRobotを知る
・ 当社の説明/ガイド資料を通じて、DataRobot製品および導入成果を得る方法を知る
■ステップ2 テーマを検討する
・ NDAを締結し、テーマ内容をサクセスワークブックにご記入していただき、お客様/当社/DataRobot社の3社でそのテーマを合意する
■ステップ3 有償PoCを実施する
・ 当社のサポートのもと、PoC評価基準を定め、PoCライセンスのご契約後、PoCを実施する
■ステップ4 導入の意思決定をする
・
ゴールおよび必要な支援アイテム(啓発、テーマ導出、トレーニング、テーマ推進など)を盛り込んだ年間のサクセスプランを作成し、お客様/当社/DataRobot社の3社で合意する
ご購入の検討のために以下のドキュメントをご用意しています。
・ NDA(当社用、DataRobot社用の2本)
・ DataRobot エンタープライズ導入ガイド
・ サクセスワークブック
AI・データ分析テーマ導出ワークショップ
AI・データ分析でビジネスを改革・改善していくときには、3つの壁を超えていく必要があります。
・ 分析テーマ導出の壁
数ある業務課題の中で、どの課題をAI・データ分析で解決を支援していけばよいか?投資対効果は?
選択した業務課題と関連データから、分析テーマにどう落とし込めばよいか?実現性は?
・ 分析実行の壁
どういうステップで分析を進めていったらよいか?
クイックに分析を完了させるにはどうすればよいか?
自分たちでは対応できない難易度の高い分析が必要な場合はどうすればよいか?
・ ビジネスへのAI組み込みの壁
作成したAI(分析モデルや分析結果)を現場に使ってもらうためにはどうすればよいか?
現場に余計な手間を取らせずにAIを使ってもらうためにはどうすればよいか?
DataRobotは、「分析実行の壁」と「ビジネスへのAI組み込みの壁」に対して非常に効果的な対策です。
いっぽうで、「分析テーマ導出の壁」は人間が乗り越える必要があります。
AIで成功をつかむためには、分析を始める前に、ビジネス課題から分析テーマを導出することがファーストステップです。
そのために当社は、「AI・データ分析テーマ導出ワークショップ」サービスをご用意しています。
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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IoTコンサルティング
IoTを使った生産現場の課題解決を総合的にサポート