DX(デジタルトランスフォーメーション)とは|意味や成功ポイント、進め方、事例を解説


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オージス総研DX実践フレームワーク

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

 本コラムでは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?」、「取り組む必要があるのか?」、「どうやって進めればいいのか?」を解説していきます。

DXの本来の定義、意味

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は、英語では「Digital Transformation」と表記します。「Trans」には「X」という略語が用いられるため、「DX」と表記されています。

 DXは2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念です。あらゆる物事や対象がデジタル化されると、社会やビジネスを含むすべてが根源的に変化するという考え方であり、その背景にはデジタル技術が非常に大きな社会発展につながるという認識があります。

 DXは概念的には「根底からの変化」にフォーカスしているため、デジタル化でビジネスを効率化しスピードアップさせるということは通過点の1つではありますが、ゴールとはなりません。

 DXは、物事や対象がデジタル化した状態をイメージして、自分たちのコア・バリューを見極め、社会市場・競合の変化を想定してゴール(提供価値)を再定義し、ビジネスを再構築し、仕事のやり方を変える必要があります。このような取り組みを通じて、自分たちが社会に提供する価値が変わり、社会発展に貢献するということをDXは目指すものです。

DXを支えるデジタル技術

 DXを支えるデジタル技術として、機械学習を含むAI(Artificial Intelligence)、ビッグデータ、クラウド、IoT(Internet of Things)、5G(第5世代移動通信システム)、XR(VR、AR、MR、SR)が挙げられます。

AI(Artificial Intelligence)

 AIは「Artificial Intelligence」の略語で、「人工知能」と訳されます。一般的に、AIは「人間のような知能を持ったコンピューター」と言われることもありますが、明確な定義はありません。総務省では、次のように解説されています。

 「AI」とは、人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、あるいは人間が知的と感じる情報処理・技術といった広い概念で理解されている。「AI」、「機械学習」、「深層学習(ディープラーニング)」といった言葉がよく使われるようになっている。
引用元: 総務省 2019年(令和元年)『情報通信白書|AIに関する基本的な仕組み』

 近年、ビジネスや業務に活用されるようになったのは、深層学習を包含する機械学習です。機械学習は、データセットからその傾向や特徴を見つけ、見つけた情報をベースに特定のタスクを判断することができるAI予測モデルを作成することができます。

ビッグデータ

 ビッグデータとは、スマートフォンが登場する以前の典型的なデータベース・ソフトウェアが取り扱うことができるボリュームを超えたデータであり、ボリューム(Volume)だけではなく、構造化データおよび非構造化データを含むデータのバラエティー(Variety: データ種類の多さ、データ値がとりうるケースの多さ)、データの発生頻度や要求される処理スピードを含むベロシティ(Velocity)といった3つのVに特筆すべき特徴を持つデータのことです。

 一般的にビッグデータはデータ自身のことを指すだけではなく、3つのVの特徴を持つデータを、保管・操作・管理するためのIT技術を含みます。

 ビッグデータとAIは密接な関係があります。AIはデータから学習することで、目標により効果を発揮する予測モデルとなります。モデルの学習には良質なデータが必要であり、学習データの品質を決めるのが、データのボリュームとバラエティーです。AIに判断させたいタスクが所属する「ビジネス・業務の詳細が漏れなく表現されたデータ」を学習に用いることで、モデルの予測精度を大きく向上させることができます。

クラウド

 クラウドとは、インターネットを通じて、アプリケーションやソフトウェア、演算力(CPU、メモリ)、データ・ストレージ(データの保存機能)といったサービスを提供する形態のことです。クラウドの対義語としてオンプレミスがあり、こちらは自社のサーバーでシステムを運用する形態を指します。

 DXを進める上でも、クラウドの利用は非常に有用です。自社でサーバーを用意しアプリケーションを開発するには、数ヶ月から数年といった長い時間と多くのコストがかかります。いっぽうで、各社からクラウドで提供されているサービス(SaaS、例: 経費精算、会計、営業支援、社内の情報共有やコラボレーションなど)を利用すれば、カスタマイズ性は低いながらも、導入期間を大幅に短縮でき、かつ初期費用を抑えた形で、やりたいことを手軽に始めることができます。また、クラウドは自社アプリケーションの構築基盤としても、初期コストを低減し、スケールイン/スケールアウトが容易というメリットもあります。
 これらのクラウドやサービスは競合他社も利用できるので、自社の競争領域と非競争領域を見極めて、うまく選択していくのが良いでしょう。

IoT(Internet of Things)

 IoTは「Internet of Things」の略語で、「モノのインターネット」を意味します。IoTは、これまでは主にスマートフォンやパソコンが接続していたインターネットに、自動車、家庭用電化製品、産業用の装置・機器、工作機械といったさまざまな「モノ」をつなげるための技術です。つなげる目的は、単一対象の制御、複数のものや要素を含む協調制御、データ活用などが挙げられます。

 IoTは、モノをつなげるための技術であることから、DXを実現するための方法の1つです。デジタル化したい対象にモノが含まれている場合、モノの数やデータボリューム、接続・データ送受信の頻度や間隔といった要求事項をインプットに、IoTを技術的に検討する必要があるでしょう。

5G(第5世代移動通信システム)

 5Gは「5th Generation」の略語で、世界的に用いられる用語であり、「第5世代移動通信システム」を意味します。1つ前の4Gは2012年に商用利用が開始され、5Gは2020年に商用利用が開始されました。

 5Gは以下の3点がITU(International Telecommunication Union : 国際電気通信連合)により定義されています。このような特徴を持つ5Gは、IoTサービスの発展を強力に後押しすると考えられています。

  • ●モバイルブロードバンドのさらなる高速化(超高速)
  • ●信頼性が高く遅延の少ないコミュニケーション(超低遅延)
  • ●多数の機器への同時接続を実現するマシンタイプ通信システム(多数同時接続)

 また5Gには、通信事業者が用意したネットワークに接続して利用するサービスである「パブリック5G」とは別に、通信事業者ではない企業や自治体が、限定したエリアや敷地・建物内に専用の5Gネットワークを構築する方法である「ローカル5G」があります。

 DXの取り組みからローカル5Gを見た場合のメリットの一例として、エッジ・デバイスが収集したデータをクラウドにアップロードし、クラウドのAIで判断し、クラウドからエッジ・デバイスに制御指示を送信するといったユースケースの実現性が高まるということが挙げられます。

XR(VR、AR、MR、SR)

 XRは「Extended Reality」、「クロス・リアリティ」の略語で、VRやARの仮想空間技術を意味します。DXでは、マーケティングにおける革新的な顧客体験やゲーム、専門的な技術を習得するためのトレーニングに、これらの技術が利用されています。

名称 意味 概要
VR
(Virtual Reality)
仮想現実 ヘッドマウントディスプレイを使用することで、すべての視界を仮想空間とし、没入感が高い空間を作り出します。
AR
(Augmented Virtuality)
拡張現実 現実世界の映像にCG映像を重ね合わせることで、現実世界との関連を意識しながら仮想の空間や物(オブジェクト)、キャラクターなどを体験できる空間を作り出します。
MR
(Mixed Reality)
複合現実 ARが基本的に決まった角度からオブジェクトを見る技術であることに対して、MRは空間全方位からオブジェクトを見ることができ、動かすこともできます。複数人がそれぞれの視点から同じオブジェクトを視認・操作しながらコミュニケーションを取ることが可能です。
SR
(Substitutional Reality)
代替現実 SRは、あらかじめ用意された「過去」の世界を「現実」と差し替え、被験者に過去を現実と区別なく体験させる技術です。

DXとIT化の違い

 DXは、社会・組織・ビジネスの仕組みそのものを変革し、社会や顧客に新たな価値を提供していく取り組み(ビジネス・アクションプラン)です。いっぽうで従来のITは、データをアナログな状態から部分的にデジタル化してきたと言えます。IT化は情報技術(IT)を活用して業務の効率化を図る手段であり、DXと比べると限定的な言葉だと言えます。

 DXを進める上でIT化は必要ですが、IT化した後にDXの取り組みを始めるというやり方ではありませんし、最新のデジタル技術を導入すればそれでいいはずというものでもありません。経営陣は、経営とITが表裏一体であるとの認識を持ち、DX戦略を立案する必要があります。

 DXは、まず社会や顧客の理解を深め、提供する新たな価値(やりたいこと)を定義します。次に、定義した提供価値をインプットに、変革後の仕組みの状態を定義します。そして、変革後の仕組みに必要なデータを検討します。
 それらのデータを収集・蓄積・利用するための手段の1つとしてIT化があります。このIT化も従来のシステム開発ではなく、価値提供サービスを支えるデジタルプラットフォームを構築する形が良いでしょう。

 手持ちのデータのみで新たな価値を検討するアプローチを否定しませんが、社会や顧客を理解するプロセスを必ず設定し、小手先の改善に留まらないよう、大きな絵を描き、実現に向けてロードマップを作成しましょう。

「DX」と「デジタイゼーション、デジタライゼーション」の違い

 DXの具体的なアクションを設計しやすくするために、DXを以下のように複数の段階に分解し構造化します。これらの段階は必ずしも下から順に実施を検討するものではありません。それぞれの企業におけるDXの取り組み範囲(DXスコープ)の状態・環境・成熟度に応じて、現時点で最も必要されている段階を目標とすべきです。

 デジタイゼーションは取り組み施策としては業務改善がメインであり、業務効率化による生産性向上などが該当しますが、本来のDXとしてメインで検討する領域はデジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションとなります。

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出典: 経済産業省『2020年(令和2年) D X レポート2中間取りまとめ』(外部サイト)

 これらの段階をふまえて当社が整理した「オージス総研DX実践フレームワーク」を用意していますので、そちらもご参照ください。

日本企業におけるDX推進の問題と現状、解決すべき課題

 DXが注目を集める一因として、経済産業省DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(外部サイト)で指摘された「2025年の崖」問題があります。同レポートは、我が国のITの歴史的な背景と構造から、複数の絡み合う原因を鋭く指摘したものとなっています。

 システムの柔軟性や継続性を確保するためのマネジメントの不足、全社ではなく事業部ごとの最適化の優先などを背景に、「複雑化・老朽化・ブラックボックス化が進んできた既存のITシステム(いわゆるレガシーシステム※1)」が、「人材環境の変化」と合わさり、さまざまな問題が引き起こされることで、DXを本格的に展開することが困難になります。

※1. レガシーシステムとは、技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化等の問題があり、その結果として経営・事業戦略上の足かせ、高コスト構造の原因となっている既存システム。

 同レポートでは、「レガシーシステムが残存した場合、2025年までに予想されるIT人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある」と指摘しています。

 また、既存システムの運営・維持管理だけでも多額の費用が必要な状況となっており、国内企業のIT関連予算の80%を占めています。そもそもDX実現のために十分な予算を振り向けることができないという深刻な問題もあります。

直面する問題、問題を放置した場合のリスク

 DXの取り組みにも大きな影響を及ぼす、2025年の崖で直面する問題、問題を放置した場合のリスクについて解説します。

レガシーシステムに起因する問題、放置リスク

  • ●爆発的に増加するデータ
    レガシーシステムが残存した場合、エンドユーザー接点データ、IoTデータなどで爆発的に増加するデータを活用し切れないという問題に直面し、必要なDXを実現できないリスクが高まる。

  • ●部分的な導入に留まるデジタル技術
    レガシーシステムでは、新しいデジタル技術は部分的な導入しかできないという問題に直面し、導入効果も限定的となりDXのゴールを達成できないリスクが高まる。また、レガシーシステムとの連携の検討や対応によってコスト(時間、費用)も増大する。

  • ●データのサイロ化
    全社ではなく事業部ごとのITの最適化が長年優先され続けた結果、部門ごとに多くの既存システムが構築され、データのサイロ化という問題に直面し、全社的なデータ活用が不可能になってしまうというリスクが高まる。

  • ●困難なリソース配分変更
    既存システムの運営や維持管理に多くの資金や人材が割かれるという問題に直面し、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができないというリスクが高まる。

  • ●ビジネス・プロセス刷新に対する抵抗
    多くの既存システムはビジネス・プロセスに密結合していることから、プロセスの柔軟な変更ができないという問題に直面する。問題を解消しようとすると、ビジネス・プロセスそのものの刷新が必要となり、その刷新に対するユーザー部門の抵抗により、問題解消が進まないというリスクがある。

人材環境の変化に起因する問題、放置リスク

  • ●人材の逼迫
    「ベンダー企業も含めたIT人材の確保の厳しさ」、「市場におけるレガシーシステムのメンテナンスのスキルを持つ人材の枯渇」、「レガシーシステムに対する若手人材の敬遠」といった人材の逼迫により、既存システムの運営・維持管理に支障をきたすという問題に直面し、必要なDXに取り組むことができないというリスクが高まる。

  • ●定義できない要求
    「要求定義のベンダー企業への丸投げ」、「有識者の退職等によるノウハウの喪失」といったことの積み重ねで、ユーザー企業が「企業として何をやりたいかということをシステムに向けて定義する力」を失うという問題に直面し、DXの取り組みをリードできず、DXの成功確率を下げてしまうというリスクを高める。

  • ●セキュリティ
    運営・維持管理の担い手不在という問題に直面し、セキュリティ・リスクの把握およびセキュリティ対策が遅れ、事業継続のリスクが高まる。

日本企業のDX取り組みの現状

 次に、2023年(令和5年)IPA「DX白書2023 エグゼクティブサマリー」(外部サイト)を参照し、日本企業のDX取り組み状況を確認していきます。

企業規模別のDX取り組みの現状

 総務省「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究の請負 報告書」(外部サイト)のプレ調査(以降、「総務省調査」と記載)によれば、大企業の4割強がDXに取り組んでいるのに対して、中小企業では1割強に留まっています。

産業別のDX取り組みの現状

 総務省調査では、「情報通信業」および「金融業、保険業」でDXに取り組んでいる企業の割合が50%前後であり、他産業と比較して高く、全産業平均は20%強となっています。

 また、帝国データバンク「DX推進に関する企業の意識調査」(外部サイト)では、DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業の割合について、「フィンテック(FinTech)の活用が活発になってきている『金融』(25.2%)や、ソフト受託開発など企業のDXを支援する『情報サービス』などを含む「サービス」(24.1%)で高い割合となった」と分析されています。

日米におけるDXの取り組み状況

 2023年(令和5年)IPA「DX白書2023 エグゼクティブサマリー」によれば、日本でDXに取り組んでいる企業の割合は2021年度調査の55.8%から2022年度調査は69.3%に増加、2022年度調査の米国の77.9%に近づいています。以下の図表1-7のとおり、この1年でDXに取り組む企業の割合は増加しています。ただし、全社戦略に基づいて取り組んでいる割合は米国が68.1%に対して日本が54.2%となっており、全社横断での組織的な取り組みとして、さらに進めていく必要があると提言されています。

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出典: 2023年(令和5年)IPA『DX白書2023 エグゼクティブサマリー』(外部サイト)

 DXの取り組みにおいて、日本で「成果が出ている」の企業の割合は2021年度調査の49.5%から2022年度調査は58.0%に増加しました。いっぽう、米国は89.0%が「成果が出ている」となっており、日本でDXへ取り組む企業の割合は増加しているものの、成果の創出において日米差は依然として大きい結果となっています(図表1-9)。

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出典: 2023年(令和5年)IPA『DX白書2023 エグゼクティブサマリー』(外部サイト)

 DXの取り組み領域ごとの成果状況を尋ねた結果を見ると、デジタイゼーションに相当する「アナログ・物理データのデジタル化」とデジタライゼーションに相当する「業務の効率化による生産性の向上」において、成果が出ている割合(「すでに十分な成果が出ている」「すでにある程度の成果が出ている」の合計)が約80%であり米国と差がなくなっています(図表1-12)。

 いっぽう、デジタルトランスフォーメーションに相当する「新規製品・サービスの創出」「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」については20%台で、米国の約70%とは大きな差があり、デジタルトランスフォーメーションに向けてさらなる取り組みが必要であることが見て取れます。

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出典: 2023年(令和5年)IPA『DX白書2023 エグゼクティブサマリー』(外部サイト)

DX実現に向けたレガシーシステムの課題

 ここでは問題を解消するために、解決すべき課題について解説していきます。2020年 JUAS「デジタル化の取り組みに関する調査」(外部サイト)によると、レガシーシステムの状況として以下が挙げられています。

  • ●デジタル化の進展が進んできたことで、レガシーシステムにおける「データ連携の課題」や「ビジネスで求められるデリバリー時間」に関する課題が足かせと感じられてきている。
  • ●レガシーシステムからの脱却・更新を進めることで、新技術の活用、環境変化への柔軟な対応、データ連携や業務効率化を価値・効果として感じる企業が多い。
  • ●レガシーシステムが少ないほど、あらゆるデータを分析し、経営判断に活用している企業が多い。

 ITシステムに関して、「トップランナー」と「セカンドランナー、フォロワー」の差が顕著に表れた課題の1つとして、「足許のシステムのデジタル化対応(レガシー撤廃・縮小、新技術の本格導入)」が挙げられています。課題対応の方向性としては、以下が考えられます。

  • ●社長・CEOが、レガシーシステムの存在および経営への影響を認識する。
  • ●デジタル戦略を策定する中で、システムのデジタル化についても明記する。攻めの要素(SoE等)だけでなく、守りの要素(SoR等)も記述する。
  • ●レガシーシステムの課題を検討するためのタスクフォースを立ち上げる。

 セカンドランナーおよびフォロワーでは、「システム変更等の影響が多岐にわたるため、テストに時間を要する」、「レガシーシステムとのデータ連携が困難」、「ドキュメントが整備されていないため、調査に時間を要する」といったことが足かせに感じる理由の上位に挙がっています。課題対応の例は以下が考えられます。

  • ●レガシーシステムでの変更や調査のインパクト(ビジネス重要度×発生頻度)が大きい領域を見極める。
  • ●見極めた領域を柔軟なアーキテクチャを持つシステムに更新する。
  • ●アジャイルに代表される激しい変化に柔軟に対応できる開発手法を活用する。
  • ●ITマネジメントを強化し、再レガシー化を抑止する。

人材環境の変化への課題

 企業の多くは、DXの企画・推進の「新たな価値の創出」の面で、自社の人材に「事業企画力」および「改革推進力」を強く求めています。このようなビジネス系人材やIT人材のようにDXの推進を担う多様な人材の総称をデジタル人材と呼びます。デジタル人材(DX人材)のニーズは高く、DX人材の強い不足感が続いています。またDX人材は企業の競争力強化のポイントであるため、内製化の意向が強い人材でもあります。

 また、「デジタル人材の採用・育成計画の実行」の課題について、対応の例は以下が考えられます。

  • ●デジタル戦略を策定する中で、人材採用および人材育成計画についても明記する。
  • ●必要な人材獲得のために、多様な採用チャネルを活用する。
  • ●専門性の高い人材の獲得・維持のために、社内制度の見直しや処遇の引き上げも検討する。
  • ●ワークショップ等を活用して社内人材のマインドセットをデジタル的に変える。
  • ●DXに必要となる資質、能力、知識の保有を計数化し、候補人材を選定する。
  • ●業務内製化を目指し、既存社員のリスキリングを行う。
  • ●ユーザー企業とベンダー企業の新たな関係を構築する。

DX推進を成功させる4つのポイント

 DX推進を成功させるポイントとして、「DX人材の確保」、「新たな開発手法の導入」、「データ活用」、「組織的なDX推進」の4つを解説します。

ポイント1: DX人材の確保

 DXを推進するために自社にどのような人材が必要となるかを検討し、具体的な人材像を定義する必要があります。そして、決めたことを社内に周知し、組織として目指す方向性についての共通理解を醸成していく必要があります。

 DXはやるべきことが多岐にわたるため、取り組みにはビジネス系スキルと技術系スキルの両方が必要となります。ビジネス系スキルとしては、事業企画力(ビジネス発想力、事業デザイン力、マーケティング力)、改革推進力(業務とIT両面での実行力)、サービス設計・UX/CX、組織・プロジェクト管理などが挙げられます。技術系スキルとしては、システムデザイン力(設計力)、データ分析力・データビジネス発想力、DXシステム開発力(DXに向く開発環境の利用)、先端技術などが挙げられます。そして、どちらの人材においても、自らがリーダーシップを発揮し、チャレンジを認め、率先して変革を進めるマインドセットが求められます。

 2020年(令和2年)IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」(外部サイト)によると、DX推進に必要な人材として、以下のロールが挙げられています。

  • ●プロダクトマネージャー: DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO: 最高デジタル責任者、データ責任者を含む)。
  • ●ビジネスデザイナー: DXやデジタルビジネス(マーケティング含む)の企画・立案・推進等を担う人材。具体的にビジネスを作り出すDXの企画者。
  • ●テックリード(エンジニアリングマネージャー、アーキテクト): DXやデジタルビジネスに関するシステムの設計から実装ができる人材。
  • ●データサイエンティスト: 事業・業務に精通したデータ解析・分析ができる人材。
  • ●先端技術エンジニア: 機械学習、ブロックチェーンなどの先進的なデジタル技術を担う人材。
  • ●UI/UXデザイナー: DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材。
  • ●エンジニア/プログラマ: システムの実装やインフラ構築・保守等を担う人材。

 ユーザー企業、IT企業のいずれのロールにおいても、共通して重要度が高いのはプロダクトマネージャーやビジネスデザイナーです。そして、ユーザー企業ではデータサイエンティスト、IT企業ではテックリードやエンジニア/プログラマの重要度が高い結果となっています。

 DXのスコープおよび段階を考慮し、社内で確保すべきロール・人材、アウトソースするロール・人材を見極めて、自社にとって最も投資対効果が期待できる体制を構築する必要があるでしょう。加えて、取り組みの時間的な流れを意識し、取り組みの進捗や人材の育成状況に合わせて、初期構築した体制を適切に変更していく必要があります。

ポイント2: 新たな開発手法の導入

 DXは自社のビジネスの方向性や差別化と密接な関係があるため、それぞれの企業によって目指すべきゴールが異なります。特に競争領域については、ゴールの差異が大きくなることから、社外から出来合いのツールを導入するだけでは対応することができず、DX成功のためには、多くの試作・テストを積み重ねる必要があります。

 アーキテクチャについては、モノリシックな形ではなく、試作・テストや新技術の組み込みをスピーディに行えるよう、機能単位で疎結合に分離・独立し、接続/切断が容易な形(マイクロサービス等の利用)を採る必要があります。そして開発手法は、試作・テストを素早く回すために、仮説思考に加え、デザイン思考やアジャイル開発を取り込み、事前に定義したKPIでモニタリングする必要があります。

ポイント3: データ活用

 データを活用して得られるメリットとして、データに基づいた経営判断の実現、マーケティング、モノからコトへのシフト、製品・サービスの進化や品質向上といったものが挙げられます。これらはデジタルディスラプションにもつながるものであり、データ分析で得られたインサイトを組み込んだ新しい商品・サービス、AIを活用した新しい商品・サービスなどが挙げられます。

 データに基づいた経営判断が実現された状態は、「データドリブン経営」とも呼ばれます。人が判断を行う際に参考とする情報をデータに基づいたものとし、より客観的な判断にしていくことが本質です。過去と異なり、入手できるデータや分析できる内容が増えたことをふまえて、経営判断の参考情報はどのような情報が必要かをディスカッションし、改めて定義する必要があります。

 「顧客やIoTの接点」、「データ購入も含めて自社が入手できるデータ」、「KPIや外部環境データ」、「データ分析」、「経営判断の参考情報」といった一連のつながりを整理し、自社と外部環境の状況を、数字を主体としたデータで把握できるようにします。

 また、顧客に使ってもらっている製品・サービスの利用アクションに関する詳細なデータ、利用の形態やシーンを説明できる属性データや取り引きデータを収集・蓄積・分析することで、顧客への適切なタイミングで適切な内容のレコメンドを行うことで、ユーザー体験を向上させることができます。

ポイント4: 組織的なDX推進

 DXを成功させるためには組織的に推進する必要があります。2020年(令和2年)IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」(外部サイト)によると、DX推進のトリガーとして、「トップの危機感」と「10年以上先のイメージ/ビジョン」が挙げられています。

 「トップの危機感」については、トップだけでなく経営陣全員、さらに社員にまで浸透した危機感が必要であり、「10年以上先のイメージ/ビジョン」については、10年以上先に起こりうる既存事業の変化イメージ(人口減少、社会問題、モノからコトへ、顧客課題等)を持つことがポイントとなります。

 DXの大きな山場は自社の組織行動の変容です。たとえば、従来のビジネスが売り切り前提であった場合は営業も売り切りを前提とした行動になっているでしょう。しかし、新たにサブスクリプション・サービスを提供する場合は営業もサブスクリプション・サービスに適した行動に変える必要があります。そして、サブスクリプション・サービスの提供を開始した後も、定義したKPI等でビジネスをモニタリングし、マネジメントは定期的に開催される会議体で合議するというよりも、適切なリスクを見積もって迅速な判断をアドホックに行うのが良いでしょう。

 「組織行動の変容」と「自社の仕組み・仕掛けの変革」を同時に進めることがポイントとなります。これらを同時にうまく進めるためには、「危機感の共有」、「DXで変わる方向性を競争の原理を意識したビジョンで明確に示すこと」、「DX推進組織の設置」、「ターゲットを定めた施策および全社員向け施策の立案・実行」といったポイントを押さえ、「経営層の積極的な取り組み姿勢」、「十分な社内理解」、「各部署の協力関係」を引き出す必要があります。マネジメントは、DXでの新規事業等が成果(利益)を出すことにこだわりを持ち続けるとともに、検討やPoCがうまく行かない時期を乗り越えるために組織一丸となって奮闘することが大切です。

DXの進め方

 DXの進め方は、ビジョンを意識し、外部環境および自社の状況に合わせて、実現性の高い形を組み上げるのが良いでしょう。進め方を組み上げるには、「戦略」、「組織」、「プロセス」の要素を検討する必要があります。

デジタル戦略

 DXを推進するためのデジタル戦略は経営戦略の一部です。他の経営戦略と同様に、外部環境および内部環境の状況を現時点で可視化し、さらに将来時点(5年後10年後等)の見通しを持つ必要があります。

 そして、外部環境の市場動向、技術動向、競合動向、規制等を検討し、自分たちがどこでビジネスを営むのか(誰を顧客に、どのポジションで価値を提供するのか)、その際は何を武器に競争するのかといったことを決め、将来的に得られる利益を見積もります。

 戦略を検討する際に利用できる手法として以下が挙げられます。

  • ●PEST分析
  • ●5Force分析
  • ●バリューチェーン、ビジネスシステム、提供価値フレームワーク※2
  • ●デザイン思考
  • ●カスタマージャーニーマップ
  • ●顧客接点のデザイン
  • ●打ち手フレームワーク※2
  • ●プラットフォーム関係図※2
  • ●リーンキャンバス

※2.出典: 1冊目に読みたいDXの教科書(外部サイト)

DX推進組織

 2020年(令和2年)IPA「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」(外部サイト)によると、DX推進組織には、IT部門起点と事業部門起点のケースが存在します。

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 マネジメントは、承認したデジタル戦略の達成を後押しして、自社に必要なDX推進組織を立ち上げ、継続的なサポートを提供していきましょう。ここでポイントとなるのは、現時点の自社のリソースだけでは不足する部分をどう補っていくかという点です。「自社が今後強みとする領域」、「社外パートナーとのコラボレーションを継続する領域」、「強みとは切り離して完全にアウトソースする領域」を見極めて、組織立ち上げ時/巡航時/DX完了時のそれぞれのフェーズで体制を組み替えていくことが重要です。また、DX推進組織だけではなく、事業部の中にもDX推進組織と呼応する組織・役割を立ち上げて連携させる必要があります。

プロセス

 DXのプロセスは探索(新規事業につながる新しい価値の探索、発見した価値を提供するための仕組みの探索)と深化(既存事業の深化)で大きく2つに分けて考えるのが良いでしょう。

 ジョン・コッターの企業変革の8段階のプロセスをベースに、筆者が一部を変更したプロセスは以下のとおりです。こちらは探索と深化を包含する上位プロセスの位置付けです。

  1. 危機意識を高める
  2. ビジョンを生み出す
  3. DX推進組織を立ち上げる
  4. 戦略を生み出す
  5. 変革のためのビジョンおよび戦略を周知徹底する
  6. メンバーの自発を促す
  7. 短期的成果を実現する
  8. 成果を活かしてさらなる変革を推進する
  9. 新しいやり方を企業文化に定着させる

 実行レベルで考えた場合には、もう少しブレイクダウンしたプロセスが必要になります。探索の場合は、ステップ4と7で、ビジネス構想、情報収集、オープンイノベーション、市場調査を進める必要があり、構想を固めた後は、サービスとシステムの企画を立案し、開発プロジェクトにつなげていきます。

デジタルを活用した業務効率化

 「業務のデジタル化」の第1段階の状態は、「業務全体としては属人化/複雑化している部分もあるが、個別の作業はデジタル技術の活用により効率化されている」という状態であり、デジタイゼーションを推進することで、第2段階に進むことができます。

 「業務のデジタル化」の第2段階に進むために、自社の業務を「競争領域」と「非競争領域」に棚卸し、競争領域については「業務プロセス全体がデジタルデータとシステム化された手順で遂行されることにより、効率化されている」状態を、非競争領域については「非競争領域の業務が標準的なデータとプロセスによって遂行され、環境変化に独自の対応が必要な領域が低減されている」状態を目指す必要があります。

 長期的な視点でしっかりとした投資対効果が得られる変革を進め、業務プロセス全体を最適化します。しかし外部環境や自社の状態を十分に把握せずに、かつガバナンスを効かせていない状態で、安易にSaaS、システム、ツールを導入することは避けたほうが良いでしょう。異なる仕掛けを利用することで、部門ごとの情報・データが分断されたり、仕掛けが重複することでコストが増加したり、目の届かないところでセキュリティのリスクが増大したりといったことが発生します。

データの蓄積と活用

 DXは多岐にわたりますが、重要なポイントは物事や対象の多くがデジタル化された時に、社会やビジネスが大きく変わるため、企業はその大きな変化に対応し生き残る必要があるということです。デジタル化により、多くの有用なデータが生み出されますが、そのデータすべてをあらゆる人や企業が自由に利用できるという状態にはならないでしょう。

 自社に有用なデータが何かを見極めるとともに、そのデータをどのように入手するのか、社外のデータであれば誰に許可を取っていくのか、社内のデータであればさまざまな立場の社員が品質の高いデータを自由に活用できるようにするにはどうしていくのか、といったことを考え対応していく必要があります。

 社内外のデータを活用するために、システム的にはデータの収集・蓄積・加工・分析の機能を持つデータ活用基盤の新規構築や既存強化が有効な手段となります。このような基盤を用意する際も、上位のビジョン・戦略に沿って、具体的な狙いをつけて必要なデータを集めるようにしましょう。

DX推進事例

 ここではDX推進事例をいくつか挙げていきます。

化学プラントのDX

 「三菱ケミカル Newsletter 2022年3月」(外部サイト、トップページへ遷移)によると、三菱ケミカルでは、化学プラントのDXが目指すものとして①安全・安定②業務効率化③生産性向上④高品質を掲げています。そして、「心身負担軽減」、「リモートDCS」、「AI活用」の領域で約20のテーマを進めているようです。

  • ●製造工程の重要装置である「キャストロール」の清掃自動化
  • ●タブレットやPCなどのモバイルで運転状況のデータを確認しコントロールすることを可能とする「リモートDCS」
  • ●ポリプロピレンの複数銘柄を製造する際に、連続的に運転条件を変化させることで、必要となる品質検査における、AIモデルでの製品品質の推測

百貨店のDX

 「三越伊勢丹2年越しのおもてなしDX|来店増で問われるデジタルの真価」(外部サイト)によると、三越伊勢丹では、世界の動向として、「経済消費」から「感情消費(ドーパミンエコノミー)」へのシフトを認識し、「顧客の自社に対する期待 × 自社の強み(上手にできること)」にフォーカスし、「DXとはCX(コーポレートトランスフォーメーション)そのものだ」という考えに基づき行動されているようです。

  • ●顧客に愛され、顧客として定着化していただけるようにするための顧客戦略の再定義
  • ●全国に広がる店舗とオンラインチャネル・アプリのシームレス化: オフラインとオンラインの垣根なく、お客様のニーズに合わせて「楽しい買い物体験」を実現すること
  • ●AI等を活用したデータ分析、バイヤーネットワーク、店頭アテンダンド(お客様の声)を活用した外商機能(外国人顧客担当を含む)の強化

エネルギー企業のDX

 大阪ガスでは、デジタル技術の進展により、ビジネスにとって戦い方のルールが変わってきていると認識しています。DXはビジョン実現とそれに向けた事業変革であり、デジタル技術はそれを実現するための手段と捉えています。

  • ●5つの重点項目の設定: ①目指す姿の言語化、②データ活用の拡大、③顧客から遠い基幹システムや顧客接点で利用するシステムといったレイヤーごとに目的を決めたシステム再構築、④トップダウンによるDX推進体制の強化、⑤DX人材の育成
  • ●顧客向けサービス提供: スマイLINK、プリゼロ
  • ●再エネ売電用サービス「自己託送スキーム」、工事現場認識AIカメラによるパトロール業務の代替および保安品質の向上

食品製造企業のDX

 「サントリー食品インターナショナル デジタルへの取り組み」(外部サイト)によると、サントリー食品インターナショナルでは、お客様の声を捉え、イノベーションを絶えず続けるためには、デジタル・ITの活用が重要と考え、これを経営戦略の柱として掲げ、全社を挙げて取り組みを加速しているとのことです。

  • ●SUNTORY+(サントリープラス): 健康生活提案サービスとして、お客様の健康をサポートするべくサントリーがスタートさせた、デジタル技術を活用した新しい試み。企業が健康経営に取り組み、経営資源である従業員の健康増進を図ることが必要不可欠である現在に合った、従業員の健康行動習慣化をサポートするヘルスケアサービスアプリ。
  • ●スマートファクトリー: AIを活用したIoT基盤の構築を実施。工場全体の生産設備・機器に加え、調達、製造、品質管理、出荷などのITシステムからさまざまなデータを高速に収集・統合し、それらのデータを紐づけ、搭載したアプリケーションで活用できる状態にした。その結果、トレーサビリティシステムによる商品の安全・安心の追求、働き方改革の推進、工場経営の高度化を可能にした。

金融機関のDX

 「三井住友銀行 DXの推進」(外部サイト)によると、三井住友銀行では、ビジョンを達成するためのデジタル技術の活用の方向性として、(1)情報産業化、(2)プラットフォーマー、(3)ソリューションプロバイダーの3つを定め、DXの取り組みを進められているようです。

  • ●法人向け事業: CO2 排出量算定・削減支援クラウドサービス「Sustana」、オンラインビジネスマッチングサービス「Biz-Create」、売掛債権保証webサービス「Amulet」
  • ●個人向け事業: モバイル総合金融サービス「Olive」、デジタルセーフティボックス
  • ●医療データの情報銀行の取り組み: 個人の医療データを預かり、安全に管理・共有・活用できるアプリ「decile」の開発、プラスメディとの共創

まとめ

 本コラムでは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?」、「取り組む必要があるのか?」、「どうやって進めればいいのか?」を解説しました。

 DXが全く新しい概念という訳ではなく、顧客・競合・技術をはじめとする外部環境の急激な変化、長年残置されてきたITシステムの限界、人材の逼迫といった構造を背景に、世界のデジタル化が進み、データドリブンな事業環境に変わっていく中で、「私たちはいま何をしなければならないか?」ということに警鐘を鳴らしている言葉がDXとも言えるでしょう。

 現在の仕事が継続している状況の中で十分なリソースをなかなか確保できず、必ず成功するとは限らない新しい取り組みを開始・継続することは簡単ではありません。DXの適切な進め方を学び、必要な知識を身に付け、効率的に推進できるようロードマップ・実行計画を立てることをお勧めします。場合によっては、リソースの捻出のために、現在の仕事の断捨離も必要になるかもしれません。

 5年10年先を見つめ、いましなければならないことを決めて、確実に実行していくことが私たちに求められています。

  2023年9月26日
株式会社オージス総研
コンサルティング・サービス部 データ・アナリシスチーム
技術部 データアナリシスセンター 第一チーム
マネジャー 小林 祐介
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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