外国送金における新フォーマットISO20022とは?

ISO20022の概要

ISO20022とは、国際標準化機構(ISO)が定める、金融サービスに関連するデータフォーマットの共通化・標準化を目指して規定された国際標準規格です。

これまでの外国送金の問題点

現行の外国送金では、各国独自のフォーマットが混在しており、マニュアルでの送金内容確認やフォーマットの変換が必要になるなど大量のデータを迅速に処理することに課題がありました。
また、フリーフォーマットの入力欄が多く、名前や住所などをシステムでチェックできず、互換性や効率性の面で劣っていました。

ISO20022の特徴

現行のフォーマットでは情報量増加への対応が難しいため、電文フォーマットを刷新し、また世界中で統一することで、大量の送金データを迅速にシステム処理できるようにISO20022が制定されました。

ISO20022では拡張性や柔軟性に優れたXML形式が採用され、より多くのデータの情報を持たせることができ、メッセージが構造化されているのが特徴です。このため送金メッセージにインボイス情報などを添付できるほか、STP化にも適するなど、メリットが大きいものとされています。
また、記述項目が増え、細分化されることで、セキュリティやコンプライアンスについて厳格にチェックできるようになり、マネーロンダリング対策や効率性の向上が期待されています。

ISO20022への移行スケジュール

SWIFTは外国送金に使用する電文につき現行MTフォーマットから世界的に導入が進む国際規格ISO20022に準拠したMXフォーマット(XML形式)への移行を2023年3月より利用開始し、2025年11月にはMXフォーマットに完全移行することを公表しています。
なお、2025年11月までの間はMTフォーマットとMXフォーマットの併存期間となっています。

従来のフォーマット

これまでの外国送金は、銀行間での情報のやり取りをMT(メッセージタイプ)と呼ばれるファイルフォーマットを使用しています。MTフォーマットは各データ項目の桁数が固定長のため、記述可能な文字数に上限があり、限られた情報の取引データとなっています。
また、フリーフォーマットの入力欄が多く、例えば受取人欄の場合、1つの項目に受取人名・住所・都市名・国名などが一緒になっているため、どこが受取人名か、どこが住所かなどをシステムで読み取れないためにマニュアルでの対応が必要となり送金処理に時間がかかっています。

新フォーマット

従来のMTフォーマットの課題に対し、新しいMXフォーマットは固定長ではなくXML形式で記述されるため、より多くの情報を含めることができます。例えば受取人欄だと受取人名・住所・都市名・国名など各データ項目が構造化されているため、どこにどのようなデータが記述されているかを判別しやすくなっています。

新旧フォーマットの比較

企業に求められる対応

SWIFT経由で外国送金を行う金融機関、ならびに金融機関を介して外国送金を行っている企業は、2025年11月まで送金データをISO20022準拠のMXフォーマットにする必要があるため、フォーマット変換対応に向けて社内システムの改修など必要になってきます。

また伝送時の手順も、固定長ファイルを扱う従来の全銀手順から、可変長ファイルに対応したJX手順へと変更することが必要になります。

オージス総研のソリューション

オージス総研は株式会社NTTデータが提供する金融機関向けファイル伝送サービス「AnserDATAPORT®」を利用した「ISO20022対応オプション」を追加し、国際標準規格ISO20022に準拠したフォーマットでの外国送金対応を2025年度第一四半期に提供を開始する予定です。

「外国送金オプション」は既存のMTフォーマットからISO20022に準拠したMXフォーマットに変換して、「AnserDATAPORT ISO20022対応外国送金」接続で必要なJX手順で送受信することが可能になります。
詳細については外国送金オプションをご参照ください。

※「AnserDATAPORT®」は、株式会社NTTデータにおける登録商標です。

2024年11月29日公開
2025年1月23日更新
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

関連サービス

  • 外国送金オプション

    eCubenetの「データ伝送サービス」および外国送金オプションを導入することで、ISO20022に対応することができます。

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