第14話 三代目五右衛門
三代目五右衛門は、今までの忍びの者からの報告から、‘なにかが村’の場所に目っこをつけ、すぐさま近くまでやってきました。
そのあたりの探索を始めるかと思いきや、さすが三代目の子孫、見晴らしの利くところに潜んで、遠めがねを使い様子を見ることにしたのです。
一週間ほどたったとき、三代目はあることに気がつきました。
人は気がつかないような感じでぜんぜん通りもしないようなちょっとしたところに、獣はよく通り抜けている場所を見つけたのです。
きっとこれに違いないと思った三代目は、夜になるをまって、その場所に行き様子を見ていました。
そのとき家族と思われる鹿が数匹、目の前を通っていきました。
三代目は、サッとその群れについていきました。
ちょっとの間、鹿とともに走っていくと、突然視界が開け人里が現れたのでした。