第19話 幸村の動き
もう年の暮れもせまったころ、幸村も‘なにかが村’近くの大きなお寺にかまえた陣に到着しました。
そこには、500名ほどの侍が入っており、他は移動中か近くの豊臣方の城や砦、ならびに近くのお寺お宮にいました。
総勢一万人弱が集まりつつあります。
幸村は、陣に入るやいなや三代目五右衛門から、その後の動きを聞いていました。
「‘何かが村’では特に、戦いの準備をしているわけでもなく、藁で太目の縄をない、それで地面の区画割をしているくらいで、その他普通と変わらない暮らしを続けている。」、こう三代目はいいました。
幸村は、三度目の正直、もう一回矢文を正月の二日に放つことにすると決めました。
「これが最後通告である。何も返事がないときには、豊臣に付かないと判断し、一万人の兵で総攻撃をする。」
こんな内容です。
そして、総攻撃の日を、三が日のあけた四日に決め、元日までは兵を休ませ、元旦の日については、それぞれの陣で正月を祝うように言いました。
そして、二日からは徐々に戦闘態勢に入っていくよう指令しました。