第26話 大団円・・・
なにかが星、いや‘なにかが村’の時からだと思いますが、首領の嫡男にはあるしきたりがあります。
12歳になったら、ひとりで首領の家から遠く離れて、知らない世界を体験するという、修行に出ないといけないのです。
はじまるくんは、10歳くらいになったときから、そのことを考えていました。
いろいろ考えていたのですが、いつしかかつての‘なにかが村’があった星で、修行をしたいと思うようになってきたのです。
そして、‘なにかが村’のことや、なにかが暦元年にあった事象をかいた歴史書を、片っ端から読み漁ったのです。
そのなかから、はじまるくんとしての‘なにかが村’とそのときの日本のイメージが広がってきました。
また、地球への移動の方法についても、これでどうだという方法を考え付いたのです。
そこで、はじまるくん11歳(なにかが暦400年)の秋、お父さんである首領に、修行は地球に行きたい旨と、そこへ行く方法について相談したのです。
首領は、はじまるくんの意志が固いのを確認し、その移動方法についてやってみる価値はあると判断し、全面的に協力することにしました。
その年の大晦日から新年(401年)にかけての実行です。
そこでさっそく、はじまるくんに五人の力量のあるヤングをつけ、はじまるくんのいうとおりに進めるよういいつけました。
まず、はじまるくんとそのヤング衆は、なにかが星をめぐって、五つのパワーが感じられる小岩を用意しました。
かつての結界の岩は、それぞれご神体としてお宮で祀られいましたので、その小岩をそれぞれのお宮にはこび、ご神体の岩の上に乗せ、それぞれのお宮で祈祷をしてもらいました。
そして、かつての結界の中心部に空き地をつくり、かつての結界とまったくの相似形となるよう、それぞれの頂点にそれぞれの小岩を置きました。
そして、縄を綯いその小岩を頂点に、その縄で一筆書きの順番で五芒星の結界を作っ他のです。
いよいよ、大晦日の晩です。
結界の中心には、はじまるくんが座り、結界の頂点の外側には、ヤング衆の五人がそれぞれ、はじまるくんを見る形で座りました。
そして、まわりには星全体からきた何千というひとが、太鼓や鐘などを手にもって集まってきています。
そして、大分暗くなったところで、来年の干支の寅の、そうあの虚空菩薩の真言を一斉に始めたのです。
どんどん、パワーが最高潮になってきたころ、結界の周りがもやで包まれてきました。
そして、ついにはもやの周辺が光り始めたかと思うと、もやがうすれてきました。
そして、そこにははじまるくんの姿は、結界の頂点の小岩とともに消えていました。
一方、はじまるくんはもやにつつまれて、それがどんどん濃くなって、それがうすくなったと思ったら、ずいぶん景色が違うことに気がついていました。
同じなのは、結界を作っている小岩と縄くらいなものでした。
まわりの景色を、よく見ながら、かつての歴史書から書き写した、山の形などと見くらべて、これが地球であることを確信したのでした。
そう、はじまるくんはこういう風にして、地球にやってきたのです。
***** 完 *****
(蛇足)
というわけで、この物語は始めのところに戻るわけなんです。
ということでこの物語は、これで大団円ということです。
ただ、はじまるくんが活躍しているようになるのが、本当の意味での大団円だと思います。
そのためには、みなさんの‘はじまるくん’へ関心を持っていただき、そして何か協力したいなという気持ちがおこり、そして少しでも動き始めることが重要かと思います。
みなさんのご指導、ご支援をはじまるくんは期待しています。
どうぞ、よろしくお願いします。