第22話 見張りの目
幸村の見張りは、ずっと‘なにかが村’を見ていたのですが、最初は変わった新年の迎え方をするんだと思っていました。
どんどん村人が、熱狂的になるに連れて、もやがどんどん濃くなってきて、ほとんど村人が見えなくなり、もやがまるで白い塊のようになったと思った瞬間、そのもやの周りで鋭い閃光が走りました。
その閃光がもやを包み込んだと思った瞬間、いままでなり続けていた、太鼓や鐘、銅鑼、笛や歓声(真言)がきえ、あたりに静寂がもどり、遠くからきこえる除夜の鐘が聞こえるのみとなりました。
その静寂とともに、だんだん薄くなってきて、最後にはすっかりなくなりました。
見張りは、村人が何もいないことに気が付き、もやが発生していたあたりに駆けつけました。
よくみると、何件かの家もなくなっていて、もやの濃かったところのあたりは、草も木もなくなっており、よく観察すると無くなっている部分は、五角形の形に土地がえぐられているような感じになっているのでした。