運用自動化のメリットと進め方─システム運用をラクにする運用自動化を実現するには?【第2回】

前回のおさらい

 前回のコラム「【第1回】システム運用の業務と課題」ではシステム運用の「業務内容」や「課題」について、また「課題」の対策として自動化していくことが有効であることをご紹介させていただきました。今回のコラムでは具体的な運用自動化のメリットと、その進め方を中心にご紹介していきます。

運用自動化とは

 運用自動化とは、システム運用においてこれまで人手で行っていた作業の一部、もしくは全てを専用のソフトウェア等を駆使しながら、システムに代替させることを言います。
 運用自動化における専用のソフトウェアは商用(Uipath、Kompiraなど)からOSS(Selenium、ansibleなど)のツールまでさまざまですが、ここではRPA(Robotic Process Automation)とRBA(Run Book Automation)特長について少し解説していきます。  
 RPAやRBAは自動化ソフトウェアとして近年注目を浴びていますが、それぞれ得意とする分野が異なるため、自動化したい業務の特長を理解したうえで両者を選択する必要があります。

RPAの主な特長

  • PCなどの画面操作が得意
  • マウスやキーボードを使って画面操作を自動化
  • シンプルで直観的である反面、複雑な処理には向かない
  • 主にバックオフィス系業務が対象

RBAの主な特長

  • システム間連携が得意
  • 手順書をもとにコマンドやスクリプトで実行していた作業を自動化
  • 高機能ではあるが、ある程度のプログラミング知識が必要
  • 主にシステム運用現場が対象

 上記の通り、RPAはPCなどの画面操作行うバックオフィス系の業務を対象としており、利用シーンとしては「PCに表示された画面から数値などをコピーし、表計算ソフトに張り付ける」といった定型業務が該当します。対してRBAはシステム運用を対象にしており、さまざまな運用管理ツールとの連携や、作業手順書に記載された内容などを自動化します。利用シーンとしては「監視アラートの内容を判断し、該当するシステム担当者へエスカレーションを行う」といった業務が該当します。

運用自動化のメリット

 人での作業を前提とする場合、「人はミスをする生き物」ということを念頭に置かなければいけません。人が作業を行う以上、ヒューマンエラーは発生する可能性があり、ヒューマンエラーが発生するとその対策を講じる必要があります。その対策が有効なものであればよいですが、結果としてダブルチェックやトリプルチェックといった「人ありきの対策」をとっている現場も多いのではないでしょうか。また、人でのチェックを増やすということは必然的にその作業に対するコストが掛かるということになり、こういった連鎖が運用現場を逼迫させ、さらなるヒューマンエラーを誘発する要因ともなります。

 この悪循環から脱却するためには自動化という概念を取り入れ、「システムでできることはシステムに任せる」という方向にシフトしていくことが有効です。自動化することによりヒューマンエラーは減少し、品質が向上することで運用現場にも余裕が生まれます。現場に余裕が生まれることによって、これまでできなかった改善活動に着手することができ、さらなる運用自動化を促進させるといった好循環が生まれることになります。

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 この考え方はいわゆる「NoOps(No Operations)」の考え方であり、この活動によって企業は人員を「人でしかできない業務」に注力させることが可能となります。その結果、新規ビジネスの開拓や、より付加価値の高い業務に従事させることで、企業として競争力の強化にも繋げることも可能となります。

運用自動化の進め方

 運用自動化のメリットは、前段でご紹介しました以外にもさまざまなものがありますが、ここでは運用自動化を進めるにあたってのポイントをいくつかご紹介します。

  • 今行っている作業を洗い出し、「見える化」する(内容や頻度などを正しく把握する)
  • 作業や設定内容のなかで、人でなくてもよい作業を洗い出す
  • 人でなくてもよい作業のなかですぐに自動化を取り組めそうなものから取り掛かる
  • 少しずつ自動化して成功体験を積み重ねていく
  • 周り(とくに上司)に自動化の取り組みを啓蒙する(仲間づくり)

 ここで着目すべきは現状の「業務を可視化」したうえで、「どういった作業をどこまで自動化するか」という点にあります。
 運用自動化において「業務を可視化」するというプロセスはとても重要で、このプロセスを怠ると、たとえ自動化出来たとしても実装までにコストばかり掛かったうえに、見合った効果を得られないといった結果に陥る可能性もあります
 また、「どういった作業をどこまで自動化するか」という点では、最初から一連となる業務フローの全てを自動化しようとして途中で頓挫してしまう、といったケースは運用自動化においてはよくある光景です。このような事態となれば元も子もなく、少しずつできる範囲から自動化してくというスタンスが重要です。

まとめ

 運用自動化の推進はやみくもに行うのではなく、業務を可視化したうえで自動化すべき作業や作業に応じたツールを正しく選定し、少しずつ部分的に取り入れ成功体験を増やすこと、またそれらをもとに周りや上司に自動化の取り組みを理解してもらい、支援してもらうことが重要となります。

 次回のコラムはオージス総研のこれまでの自動化実績をもとに開発した、運用自動化ソリューション「Cloud Arch」とその導入事例についてご紹介いたします。

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