IoTサービスもルールベースAIで解決
~複雑なサービス料金プラン作成や料金計算に最適~

背景

2011年、アメリカではビッグデータによるビジネスのデジタル・トランスフォーメーションが本格化し、同時期、ドイツ政府では新しいモノづくりを示すインダストリー4.0が公布されて、グローバルで IoT(Internet of Things)の利活用がいっきに加速し、今に至ります。

IoTによるビジネスモデルの進化

IoTの目指すところは、IoTの環境が整備されて利用範囲が拡大することで、お客様や社会がそれらの価値を受け取れる世界が広がること。そして、ビジネスにおいては、事業化とマネタイズです。
最近の市場は、商品その物の価値もさることながら「モノからコト」へ価値が移行し、消費者動向が変化してきています。それにあわせて、IoTを製品単体の付加価値に使用するだけでなく、サービス提供型のビジネスモデルを展開する事業がでてきました。
IoTで製品の使用を継続的に把握を行い、お客様が製品を利用することに課金してマネタイズする事業ケースです。

IoTによるサービス提供の深化

製造業では、アフターマーケットにおける保守や消耗品などの関連商材サービスの提供が進んでいます。特に、産業機器や医療機器、自動車などの3分野では、従来より先進的なIoTサービスの事例が出現してきています。
■医療機器
スマートホスピタルの実現に向けた、センサーによって使用回数や時間による料金課金や、医療現場を支援する課金サービスとして、検査データに基づく診断や遠隔操作など、医療現場の少人数での対応や遠隔地などの広範囲をカバーする取り組みをトータルサービスとして提供しています。
■複合機
どのオフィスでも見かける複合機は、IoTの黎明期から送信出力の小さいPHSを使い、出力枚数、紙詰まりやローラなどの消耗を知るために稼働データを取得するセンサーが活用されており、その情報をもとに課金やメンテナンスの適時性を保ち、ビジネスのサービス向上をはたしています。
■建設機械
稼働時間や走行距離をGPS情報とともに取得するなど、取り付けられたセンサーから課金計算やメンテナンス、消耗品の予測を行ってサービスを提供しています。
■生産設備機器
1台数千万円という設備の状態をセンサーで取得し、稼働状態を管理。治具の稼働部分の摩耗が進めば、リモートで稼働域の再設定や最適な交換時期によるオンデマンド・メンテナンスを実現。また各機能の使用回数による課金や工場毎、製造製品毎など細かな料金プランによりサービスを提供しています。
■自動車
車載ECUと連動して状態を取得し、定期交換部品の時期を最適化したり、運転状態を安全運転スコア化して損害保険の割引サービスの適用や事故の際にコールセンターやロードサービス会社へ連絡するなどのドライバーにメリットのあるサービスを提供。個車の管理を極め細やかに行うことで個別サービスを高め、また、車両の再利用性も高めています。

マネタイズの管理

上記のように、IoTのデータを利活用することにより、商品に付加価値要素を加えることが可能となり、サービスという新たなビジネスモデルを生んでいます。
ところが、マネタイズが可能となり個別サービスを提供できるようになったところで、いろいろと課題が発生しています。
「モノからコト」に変化したサービス提供型の事業は、一定の無償試用期間を設けてマネタイズ可能か否かのマーケティングを実施したり、スモールスタート的に立ち上げることが多く、課金に対して十分な料金プランの設計がなされないまま走り出してしまうのが通常です。
ビジネス立ち上げの黎明期には、アドホック的な料金プランの管理でもなんとかなるのですが、サービス事業が拡大することで、複雑な料金プランが多数発生していき、課金計算が困難になってきています。
さらに、シェア拡大をはかるために、キャンペーンによる割引をおこなったり、他社に先行して条件付き変動型従量課金などの複雑な課金パターンを打ち出して競争力を強化するなどの施策も相まって、IoTによるサービスビジネスの料金計算の仕組みづくりが、早急に解決すべき課題となりつつあります。

変化に強く柔軟性に富むルールベース

当社には、このコラムにフィットするルールベースAIソリューションがあります。事例としては、当社の親会社となる大阪ガスのガス料金計算があります。個人向けのガス供給が全面自由化した際、電力会社をはじめとした新規参入会社との大競争時代に突入しました。その状況下では柔軟かつ競争力のある価格の提示がビジネスの戦局を大きく左右することになり、また複雑になった料金の正確な計算と請求が必要となりました。
状況の変化や柔軟な料金プランと料金計算の必要性は、このIoTのサービス提供型と類似しています。
ガスの料金計算の事例では、新しい料金プランやキャンペーンの割引プランも柔軟かつ短納期で構築でき、ビジネスの速さに追随し、料金プランの維持や計算の容易と精度を今も保っています。

複雑な計算やビジネス変化量が多い部分に最適

IoTによるサービス・ビジネスでは、個々のお客様に対して料金プランの柔軟さが、ひとつの差別化要素となります。
ですので、月額基本料金や従量課金、日割り計算、年縛り契約、各種割引などの基本料金に加えて、個々のお客様の料金プランや、販促のキャンペーンなどの多種多様な課金計算が発生します。
ルールベースAIソリューションは、これら料金プランを策定し、計算ロジックの見える化と正確な料金計算をご提供します。
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このソリューションの利点としては、料金価格決定や料金プランの計算式などのビジネスルールが可視化され、IT化しても実用しやすいこと、また、スモールスタートでビジネスと歩調を合わせて逐次構築していくことが可能です。
それにより、当初から莫大なコストの準備と長期化するシステム刷新を待たずとも、日々変化するニーズに柔軟に対応可能となり、ビジネスの差別化が図れます。

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