BRMSとは?~ビジネスルールを切り出すことによる4つの特長~
DX推進の手段として注目される「BRMS」
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進。多くの企業のDX推進担当者は「うちの会社は何をすればいいのか」と悩みを抱えています。データやデジタルの力でビジネスを変革し競争優位を確立する。「分かっちゃいるけど、何をすればいいか判らない」と考えている担当者が多いのではないでしょうか。
経産省のDXレポート2では、DXは3つの異なる段階(デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション)が存在し、一足飛びに実現できるものではないとあります。まず、第一段階のデジタイゼーションを実現するため、ビジネス環境の変化に合わせて、柔軟かつ迅速にビジネスルールを変更することができるシステムに刷新することが求められています。
現在、このシステム刷新のひとつの解として『BRMS(Business Rule Management System)』が注目を集めています。BRMSはビジネスルールを決定表(Excelなどの表形式)で表現することによって、変更に柔軟に対応できることが利点です。加えて、可読性の高い決定表は、従来のシステムで課題であったロジックのブラックボックス化を防止することにもつながります。
これらの特徴から「BRMSは使える!」と多くのDX推進担当者から支持を得ています。
ところが、いざBRMSを導入しようとフタを開けてみると、決定表を書くだけでは解決できない課題が現れています。それゆえ、DX推進にBRMSを適用したいと思っていても、BRMS導入を挫折せざるを得ない企業が多く存在しています。
本コラムでは、DXを推し進めるためのBRMSの利点を解説するとともに、BRMS導入する際に発生する課題を解決する方法をご紹介します。
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『BRMS』の利点(活用メリット)とは?
BRMS導入の利点(メリット)として、多く取り上げられるのは以下の4点です。
- ビジネスルールを決定表の形で表せる
- ビジネスロジックをアプリから切り出して管理できる
- 実装ミスが少ない
- 業務ユーザーも使うことができる
では、それぞれの利点(メリット)を説明していきます。
1. ビジネスルールを決定表の形で表せる
従来のスクラッチ開発では、業務仕様を整理し、設計書を書き起こし、それをプログラマーが実装をするという形が基本です。この場合の問題点としては、仕様整理、設計書作成、プログラミングとそれぞれ独立した工程になるため、時間がかかります。また各フェーズの担当者が異なることが多く、上流→下流工程へ移行するタイミングで認識齟齬などが起こり、意図した仕様が実装されず、手戻りが発生することもあります。
ところが、BRMSでは上流工程での仕様整理から決定表(デジジョンテーブル)の形で表すことで、そのまま実装として利用することができるため、開発工数削減、手戻りの発生防止に効果的です。
※決定表(デシジョンテーブル)とは 以下の図のように複数の判定条件と、その判定条件からアクション(判定結果)をまとめた表のことです。文章のみの記載よりも、判断ロジックを明確に表すことができます。
2. ビジネスロジックをアプリから切り出して管理できる
デジタル化されている業務処理は、コンピュータによりアプリケーション化されています。
これらのアプリケーションは「プロセス」「データ」「ビジネスルール」で構成されています。
BRMSは「プロセス」「データ」「ビジネスルール」で構成されたアプリケーションから「ビジネスルール」だけを切り離して管理します。
アプリケーションで最も修正頻度が高いのは「ビジネスルール」であり、この「ビジネスルール」を切り離して別管理することで、業務アプリケーションと疎結合になり、修正作業が大幅に効率化できます。
また、複数のアプリケーションでビジネスルールは繰り返し利用されていますから、切り離すことで、流用も可能となります。
3. 実装ミスが少ない
前述の通り、BRMSは仕様整理の段階から決定表形式で表し、それをそのまま実装に落とし込めるという特長があります。従来の開発ですと、仕様書からソースコードに落とし込むタイミングで仕様の認識齟齬や実装ミスから不具合が発生することが多くありました。
BRMSでは仕様書を違った言語に変換する必要がなく、決定表がそのままBRMS上で動作するロジックとなるため、従来のスクラッチ開発と比較して実装ミスはほとんど発生しません。
4. 業務ユーザーも使うことができる
DXを推進する上で障害となるのが、運用維持コストが大きいこと、専門知識を持った人材の不足です。
例えば、競合企業がいる場合、料金制度の改定やキャンペーン価格の見直しなどスピード重視の対応が求められることがあります。しかし、従来のシステム開発では、システムの設計、プログラミングはSEが作業しなければならず、仕様調整や発注、納品などに多くの時間を費やすことになりますし、必要な時に対応できる人材がいない、となる可能性もあります。
ところが、BRMSならば、決定表形式で記載した業務仕様がそのまま実装となるため、プログラミング等の専門知識を持たない業務ユーザーにも利用することができます。SEへの作業依頼や発注業務が減ることで、運用維持コストの縮小や、人材不足の解消につながります。
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BRMS導入のハードル
冒頭でお伝えした通り、BRMSには導入へのいくつかのハードルがあることも事実です。
例えば、独自言語の学習コストがかかる、実装したビジネスルールの実行順序を考慮しなければならない、環境構築が難しい(理解に時間がかかる)などです。
これらのハードルにつまずいてBRMS導入を断念してしまった方、導入をためらっている方を救いたいという思いから、オージス総研はルールベース開発(※)プラットフォーム「yonobi®」を開発いたしました。
(※)ルールベース開発とは、オージス総研が長年培ってきたモデリング技術と、BRMSを融合したソリューションのことを言います。
BRMSのお悩みを解決する「yonobi®」
yonobi®はビジネスルールの開発から利用までをローコードで実現するルールベース開発プラットフォームです。
ビジネスルールを簡単に「作れる!試せる!使える!」をコンセプトに掲げ、BRMS導入の手助けをいたします。
自然言語での記述ができるため、BRMS言語の学習コストを大幅にダウンさせることができます。
また、ビジネスルールの変更・テスト・リリースまでを、「yonobi®」のみで実現。 動作確認やリリースのための環境構築をする必要なく、ツール内で一気通貫して開発を行うことが可能です。
オージス総研では、yonobi®やBRMS(ルールベース開発)の特集ページもご用意しております。BRMS適用事例やケーススタディなど具体的な活用シーンをご紹介した資料のダウンロードが可能となっておりますので、ぜひ一度ご訪問ください。
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2021年12月15日
※この記事に掲載されている内容、および製品仕様、所属情報(会社名・部署名)は公開当時のものです。予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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オージス総研はBRMSの開発経験を通じて得た知見やノウハウから、新たにルールベースAIという概念を取り入れ、yonobi®を開発しました。 最短15分で、新しいルールをリリースすることも可能です。
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